フェイスブックのある発達障害に関するグループに、友人が著書『発達障害の薬物療法を考える』を紹介してくれました。

 そのグループでは、もちろん子どもへの投薬に慎重な親御さんもいますが、飲ませようかどうしようか迷っている方、すでに飲ませている方とさまざまです。

飲ませている方の中にも、副作用を理解しつつそれでも飲むことによるメリットを感じるため薬を容認している方、飲ませていることにあまり抵抗を抱いていない方、薬についての知識がほとんどない方、医師の説明を信じ切って「え、薬ってよくないの?」といま感じている方、本当にさまざまです。

このブログを読まれている多くの方と、FBに参加されている方たちの違いは、精神医療についてはほとんど知識がないということでしょうか。

うつ病にしろ、双極性障害にしろ、精神医療がこれまでどのようなやり方で私たちを誘導してきたか、うつ病キャンペーンなど製薬会社のやり方を知っている人はあまり多くないようです。あるいは医師(児童精神科医)の実力について(最近は発達障害を診断する小児科医も同様ですが)、「薬物療法」ありきの体質について、医師がどこまで当事者に寄り添い、出口を見据えた関わりをどこまでやってくれるのかについての疑問、そういう視点で発達障害の薬物療法をとらえている人はほぼいないように感じます。(医療信仰?)

それでも、お子さんが服薬されている親御さんはかなりナイーブで、このグループでは、この手の議論はご法度、即削除される傾向にあります。

そういう中で、それでも本のタイトルにあるように、「考える」という姿勢を持ってくれる方もいるようです。

薬が悪いというだけじゃなく、他の方法も伝えるべき、という批判をされる方もいます(過去にもいました)。しかし、他の方法は現在、じつに多くの書籍が出回っています。言葉がけだったり、伝え方の工夫だったり、本当にたくさんの方法が紹介されています。

そして、薬物療法については「効果」ばかりを強調する本がほとんどです。ADHDにコンサータの有効率が8090%などと伝える書籍がある中で、それに異を唱える本が一冊くらいあってもいいのではと思います。

飲ませている方、飲んでいる方からの批判はあるでしょう。

でも、批判だけにとどまらず、薬について真正面から「考える」ことは、決してマイナスにはならないはずです。

また、最終章で紹介した、発達障害におけるアレルギーという視点は、今後の発達障害の概念、アプローチ法を変えていくものとして、私は大いに期待しているところです。