千葉県の石郷岡事件、ついに検察が控訴をしました。(昨日)

 以前、ブログを通して千葉地方検察庁へ控訴を後押しするようメール送付のお願いをしましたが、その効果もあったと思います。

 皆様、本当にありがとうございました。

 

 そもそもあの裁判の判決は「違法判決」でした。

 被告の一人に下された判決「暴行罪によって30万円の罰金」。これは「ありえない」判決です。

 暴行罪の時効は3年。しかし、事件が起きたのは2012年1月1日ですから、すでに時効が成立しています。時効成立の「暴行罪」という罪状……。

 まさかこの判決を下した裁判長がそんなことも知らなかったというのでしょうか。法律の専門家が? 

 司法への不信は増すばかりです。

精神医療も相当腐ってますが、司法も負けず劣らず……です。

 

 それからもう一つ、名古屋で行われたベンゾ処方についての裁判も、これは原告・被告双方が控訴しました。

 被告としては「説明義務違反」で117万円の支払いを命じられたことへの不服でしょう。原告としては、もちろんベンゾそのものの依存や離脱症状を認めていないことへの不服です。

 当事者Tさんが私のブログに司法についてコメントを入れていますので、紹介します。

 

「憲法80条は「下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によって、内閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を十年とし、再任されることができる。但し、法律の定める年齢に達した時には退官する。」と定めています。つまり、ジャッジする人は10年で交替する、これが原則です。

しかし、現実は日本の裁判官は再任され、ほぼ全員が再任され、65歳か70歳まで裁判官をできます。すなわち「官吏裁判官」、「現役終身の公務員裁判官」の誕生です。先進諸外国は10年程度で裁判官は交替しますが、日本は交替しません。

その結果、官吏裁判官は前例と異なる判決も民意を反映した判決もほとんどしません。唯一救いは最高裁が「普通の国民感情」による判断をすることですが、原則、憲法違反の事件でないと最高裁は上告を受理しません。

したがって、医療事故裁判も官吏裁判官が、医療側=国政に発言力のある集団に有利な判決を出し続けます。また、冤罪も裁判所の非を認めることになるので、原則、再審はしません。その方が官吏裁判官は昇進しやすいからです。

皆さん、日本の司法制度は腐敗しています。司法制度改革から始めないと医療過誤は明るみに出ません。長い目で、主権在民を反映した司法制度改革を進めましょう。」

 

官吏裁判官はつまり「保身」しか頭にないということですね。これでは「真実」など暴かれる道理がありませんが、ともかく現状ではこの司法制度を信頼するしかありません。

それを動かす一つの方法として「世論」があります。

黙っていては何も変わらない。

名古屋地裁の判決が下ってすぐ、ベンゾジアゼピン44成分に対する添付文書改訂が指示されました。このことも控訴においては追い風になります。

常用量依存を認め、離脱症状を認めています。

しかし、裁判において被告側協力医である松本俊彦医師は次のように意見書に書いているのです。

 

「名古屋市立大学の東医師(原告の協力医)の診断書では「ベンゾジアゼピン依存症」という診断名が記載されているが、この診断は誤りである。すでに述べたように、薬物依存の診断には精神依存(渇望=薬物探索行動)の存在が必須であるが、国立循環器病研究センターの治療経過中も含めて、原告にはそのような症状は見られないからである。

あえていえば、原告の状態は「常用量依存」にあたる可能性はあるが、すでに述べたように常用量依存は薬物依存ではない。また、常用量依存の診断のためには、断薬後に他の精神障害の症状が出現してはならないが、原告の場合、うつ病の症状が出現しており、厳密には常用量依存と断定することもできない。

もちろん、うつ病の症状はBDZの退薬症状という考え方もありうる。しかし、BDZの退薬でうつ状態を呈するのは通常一過性である。私の臨床経験では、ほとんどが2~4週程度で自然軽快し、抗うつ薬を投与するほど重篤な状態とはならず、そもそもそのようなうつ状態には抗うつ薬はあまり効かないという印象がある。」

 

松本俊彦医師といえば、ベンゾジアゼピンに関する論文を数多く書いています。その医師がこういう意見書を提出する……。

常用量依存は薬物依存ではない……という松本医師の意見ですが、改訂前の添付文書(この意見書がかかれたのは改訂前です)にも、「依存性」という項目が立てられ「大量投与又は連用により薬物依存が生じることがある」と明記されているのです(今回の改訂ではこの「大量投与」が削除され、「承認用量でも連用により」と改訂されました)。それでも、松本医師は「ベンゾの依存は薬物依存ではない」と主張します。この強引さはいったいどんな目的があってのことなのでしょう。

ベンゾ患者の味方であるかのようなポーズを取りつつ、蓋を開けてみたら、こういう考えの医師だった……。(実は内緒の話ですが、彼は煙草がやめられないんだそうです)。

 

ともかく、この二つの裁判は終わっていません。

引き続き、見守っていきたいと思います。

また4月2日には名古屋において、当事者と担当弁護士を交えてこの裁判について考え、ベンゾ処方における今後の法的な方向性にまで踏み込みたいと思いますので、それについてはまたこのブログにてご報告させていただきます。