精神医療の真実  フリーライターかこのブログ

精神医療についていろいろ調べているフリ―ライター。およそ非科学的な精神医療という世界。薬の副作用、離脱症状……精神科医の薬に対する認識に疑問を抱いています。皆さんと一緒に考えていけたらと思います。

当ブログは精神医療を一概に全否定するものではありません。
ただ、現在の精神医療が荒廃していることは確かです。そのような医療にかかることのリスクを考えると、安易な受診は被害の第一歩にもなりかねず、その意味での警鐘は鳴らし続けるつもりです。
また、当ブログは一概に減薬、断薬を勧めるものでもありません。
このあたりのことは拙著をお読みいただければ幸いです。

☆『ルポ精神医療につながれる子どもたち』(彩流社)
☆『精神医療の現実 処方薬依存からの再生の物語』(萬書房)

減薬方法についてのアドバイスは、医療者でない私には不可能です。その点はどうぞご了承ください。
また、コメントについては、不適切と思われるものは公開を控えさせていただいています。


新たに、茶話会等のお知らせ専用のHPを作りました。各地で開かれる茶話会(医療を考える会)の開催予定がわかりますので、ご利用ください。


精神医療の真実 告知板


 


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 本日(8月22日)の多摩茶話会は、残念ながら台風9号接近のため、急きょ中止となりました。またの機会を考えたいと思います。

 

 お知らせがあります。

 今年、5月16日に東京・江戸川で行った、「発達障害の薬物療法についての勉強会」、その第2回目を10月17日(月)に開くことになりました。今回も企画はアクアさんです。

 http://ameblo.jp/yuriri0924/entry-12191266063.html

 

発達障害児に処方される薬ってどんな物? 

薬を飲み続けたらどうなるの??

 

前回のテーマをベースに、食事療法などの話も盛込み、薬だけでなく、問題行動をどうしたら、改善できるか? など前向きに話し合いたいと思います。

 勉強会という形はとっていますが、後半は個別にお話をうかがって、みんなでディスカッションしていければと考えています。

一人で悩まず、薬について一緒に考えていきましょう。

当事者家族の限らず、医療関係者、その他興味のある方のご参加をお待ちしています。

 

江戸川

◆10月17日(月) 11時~15時30分

(お昼を挟みますので、各自ご持参下さい)

定員11名 

参加費 千円

※場所の詳細は申込み頂いた方へお知らせ致します。

申込先 ri-ri-9024@t.vodafone.ne.jp   (アクアさんまでメールでお願いします)

 

名古屋

◆10月30日(日) 午後1時~5時

名古屋での講演会を考えています。詳細は未定ですが、ベンゾ被害者、裁判関係についての講演(当事者と私との対談という形式)になる予定です。

 内容が固まりましたら、改めてブログにてお伝えいたしますが、一応、日にちだけ告知させていただきました。

 

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 今日は、短い記事を一つ。

 「処方薬依存」に陥るきっかけとなることの多い薬といえば、まずデパスが挙げられる。

 デパス(エチゾラム)は厳密にはベンゾジアゼピン系ではなく、チエノジアゼピン系という種類に属す抗不安薬だ。しかも、「向精神薬」に指定されていなかった。

「いなかった」と過去形で書くのは、このデパスが今年の9月にも「向精神薬」に指定される予定となったからである(厚生労働省医薬・生活衛生局、監視指導・麻薬対策課の発表による)。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495160131&Mode=0

 

デパスのほか、アモバン(ゾピクロン)も非ベンゾで向精神薬指定されていなかった睡眠薬だが、これも向精神薬に含まれることになった。

 向精神薬に指定されると、「麻薬及び向精神薬取締法」により「輸出、輸入、製造、譲渡等が規制」されることになる。

 今回、デパス、アモバン、他の3物質が向精神薬に指定されたのは、これら3物質に「向精神薬と同種の濫用のおそれがあり、かつ、同種の有害作用を有する」と厚労省が認めたからである。

 また、デパス、アモバンについて、厚労省が発表した文章の中の「物質の概要」として以下の文言がある。

「本物質は、すでに向精神薬指定した物質と同様の中枢薬理活性を有しており、濫用による保健衛生上の危害を及ぼす恐れがあります。」

 

 デパスやアモバンが向精神薬に含まれることになった理由として書かれた文章だが、これを読むと、つまり、向精神薬というものは「濫用のおそれがあり」、「有害作用」を有し、「保健衛生上の危害を及ぼす恐れ」のあるものであると、厚労省が認めていることがわかる。

 だから、取り締まる必要があるわけだが、これほどの「恐れ」のある向精神薬を、果たして精神科で、どれほどの注意をもって扱われているか、かなり疑問と言わざるを得ない。

 

 ともかく、精神科、心療内科に限らず、内科や整形外科など他科においても、飴玉のようにホイホイ処方されていたデパス、アモバンが、向精神薬に指定されることで、今後処方に多少のブレーキがかかることを期待する。

 一粒のデパスが入口となって、最終的に殺人的な薬の処方に至った例が多いことに、この規制、今更ながらの感は否めないが……。

 それでも711に行った厚労省陳情が、結果としてこうした規制を進めさせる一つの圧力になった……と思いたい。

 

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 前のエントリのコメントに、教育大学の授業で使われている教科書についての書き込みがありました。

『よくわかる発達障害 第2版』(ミネルヴァ書房)

 これから先生になろうという若い学生さんたちがどんな教科書で発達障害を学んでいるのかたいへん興味深かったので、私も買って読んでみました。

 発達障害について、かなり専門的な、突っ込んだ内容になっているという印象です。

 しかし、やはりというべきか、発達障害の薬物療法について気になる記述がありました。

 まず「ADHDの薬物療法」について。

 

ADHD(注意欠陥多動性障害)の症状改善には薬物療法が非常に有効的なことが、アメリカでの大規模な調査によっても明らかになっています。」

 初っ端からこう書かれていました。

 アメリカでの大規模な調査というのは、1999年に行われた調査のことです。(米国国立衛生研究所が中心となって行った「MTA」という名称の大規模な研究であると、本の脚注にあります。(MTA=Multimodal Treatment Study of ADHD

 

 この研究については以前何度もブログに取り上げましたが、今回さらに詳細に記します。

 研究では、ADHDと診断された7~10歳の児童を

①薬物療法単独

②行動療法単独

③薬物と行動療法の併用

④コミュニティケアのみ

 の4郡に分け、14カ月治療を継続しました。

その結果がまず1999年に発表されたのです。

 それによると、①と③という薬物を使用している郡でADHDの症状が有意に改善したとあります。

 この研究結果は世界中に、「ADHDは薬物療法を第一選択にすべきである」ということを宣伝しました。以降、北米、北欧、英国、オーストラリアでの中枢神経刺激薬の処方が急増。英国では、2006年までの10年間で、なんと700%増加したと報告されています。

(この本では、コンサータの有効率は7080%。ストラテラの有効率は6070%と紹介されています。)

 

 しかし、問題はここからなのです。

 14カ月後のあと、20078月には治療3年後の結果が、20093月には治療8年後の結果がそれぞれ発表されました。

それによると、すでに治療開始3年目から①~④のグループ間では有意な差が見られなくなったのです。

 そして8年後には、①と③において改善されたとされるADHDの症状の優位性はすべて消失し、②行動療法単独の症状改善だけが安定して継続していました。

「くすりにたよらない精神医学」という本にもこの研究のことは紹介されており、井上裕紀氏は次のように書いています。

「数年間フォローアップされたMTA研究の参加者は全体として、学習到達度、社会的技能、精神 科入院治療の経験、全般的な機能状態などさまざまな点で、同年代のクラスメートに比して有意に不良な結果を呈していました。」

「こうした結果から、ADHDの薬物療法は、それ単独では子どもの生きにくさを長期的には十分減じていない可能性があります。」(p111-115

 

 さらに、3年後8年後の結果によると、薬剤を服用している児童は服用していない児童と比べて症状がかえって悪化していることがわかりました。また継続的に服用している児童は非行率が高く、36ヶ月服薬した子どもは服薬しなかった子どもに比べ身長が1インチ低く、体重が6ポンド軽いという結果が出ています。

 

研究の一部のみを取り上げている

つまり、この教科書に書かれている「薬物療法が非常に効果的」であるということのエビデンスは、この研究の最初の部分だけを取り上げて述べているということです。

 この教科書の初版が出たのが2007年7月、私の手元にあるのは第2版で、20131230日に出たものです。

 MTA8年後の追跡調査が発表されたのが2009年3月ですから、いくらでも原稿に加筆訂正は可能だったと思われます。

 研究結果の一部のみを取り上げて、「ADHDには薬物治療が非常に効果的である」と断言し、それがまた教師を目指す学生たちの教科書として流布していることは、かなり問題です。科学的な意味においても、この教科書には「ウソ」があるということになります。(この点に関しては、この本の出版社であるミネルヴァ書房にお知らせしておこうと考えています)。

 

その他の薬物療法についても・・・

 ADHDの薬物療法として、この本では降圧剤も取り上げています。具体的には「クロニジン」という降圧剤です。つまり血圧を下げることによってADHDの多動・衝動性の症状を軽くさせるというものです。

「興奮しやすさが速やかに改善される点では中枢神経刺激薬(コンサータ等)と遜色がありません。」とまで書いています。

 しかし、突然中止すると、「高血圧、頻脈、胸痛、不整脈、不安、頭痛などを起こす」とあります。

 血圧を下げて、単にだるくさせておいて、行動をコントロールするということです。高血圧でもない子どもに降圧剤を投与する……!!

 

 さらにADHDに抗うつ薬の投与も触れられています。

 三環系抗うつ薬(トフラニール、トリプタノール)はうつや不安、夜尿症、睡眠障害には特に効果を発揮するとあります。

 もちろんSSRIについても書かれてありますが、三環系にしろSSRIにしろ、子どもへの投与は「慎重投与」ということはどこにも書かれていません。

 トリプタノールの添付文書には、以下の文言があります。

「小児等に対するうつ病治療の使用経験は少ないので、投与しないことが望ましい。」

 またパキシルの添付文書には次のように赤字警告が出ています。

「海外で実施した718歳の大うつ病性障害患者を対象としたプラセボ対照試験において有効性が確認できなかったとの報告、また、自殺に関するリスクが増加するとの報告もあるので、本剤を18歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討すること。」

 

 子どもに抗うつ薬の効果なし……ということで、これは添付文書の改訂まで行われた出来事でした。にもかかわらず、そうしたことには触れないまま、「うつや不安、イライラなどをともなう場合に効果的です(SSRIの項)」と簡単に述べています。

 

自閉症スペクトラムの合併症には薬物療法

 さらに自閉症スペクトラムに関しても、合併症を念頭に薬物療法のオンパレードです。

 睡眠障害には睡眠薬、さらには抗精神病薬の使用にも言及しています。

 双極性障害も併存しやすいとのことで、これにも薬物療法。

 精神病様症状にももちろん薬物療法……これまで、アスペルガー等発達障害を統合失調症と誤診されて、多剤大量処方の犠牲になっている人が大勢いると問題視してきましたが、発達障害とわかっていても同様の治療が行われるとしたら、これはもうどうしようもありません。

 さらに強迫性障害も自閉症圏には多い合併症として、それにはSSRIがよく使われると書いてあります。

 

 こうした本を教科書として発達障害を学ぶということは、学生に「発達障害は薬でどうにかなるもの」という知識を植え付けることになります。発達障害には薬物療法ありきの書き方なのです。

 薬物療法について触れるとしたら、少なくとも、薬物療法のデメリットについてもしっかり教えるべきです。(それがMTAの3年後8年後の研究結果ですが、その部分は無視しています)。また、成長過程にある子どもの脳にどういう影響があるのか、まだ何もわかっていないという事実も教えるべきだろうと思います。

副作用についての項目はありますが、あまりに一般的なことしか書かれていないのです。

 もちろん、教科書には薬物療法だけではなく、他の対応方法等についても書かれています。が、残念ながら日本ではその知識の積み重ねも少なく、浸透しているとは言い難い状況ですので、情報も薄いものになっています。

 学校の教師によって精神医療につながる子どもたちが増えている今、教師の教育内容がこのようなものだとしたら、今後教師はますます安易に子どもを医療に丸投げすることになりそうです。

ADHDの症状改善には薬物療法が非常に有効的」と習ってしまっているのですから、もう何も躊躇する必要はないわけです。

 

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