離脱症状の苦しさは、本来の苦しさもさることながら、孤独であるという要素も強いと、これまで何人もの人の話をうかがって実感している。
そして、ある読者の方から、そうした孤独を抱えた者同士、つながることはできないでしょうか、という相談をいただいた。
じつは、離脱サポートについては、以前から考えるところがあった。
しかし、実現には、かなりの困難が伴うと、少しだけ始めてみて実感している。
とにかく「苦しい」のである。その苦しさの中で、どう他者と関わっていくことができるのかという問題である。
自分とまったく同じ状況の人はいない。同じ離脱の苦しみでも、服薬期間、服薬の量、種類によって症状の違いがあり、さらには、置かれている環境も人それぞれだ。
じつは、海外の支援団体とも交流をもち、その団体のノウハウはある程度把握しているが、やはり離脱を成功させるには、ノウハウ云々より、「当事者の決意」が何より重要ということである。団体の代表者(女性で、経験者)も、意思のないところに減薬、断薬の成功はないと断言している。
しかし、意思があっても、苦しいものは苦しい。
しかし、意思がなければ、その苦しさを乗り越えることはできない、ということだ。
当事者同士で励まし合い、助言し合う……ピアカウンセリングは、こと離脱に関しては非常に重要であると思う。経験者だからこそわかること、共感の深さ、アドバイスの適切さは、経験のない私の言葉なんかより、よほど重く、有益である。
しかし、ピアカウンセリングを成立させるためには、傷のなめ合いではなく、ちょっとだけ次元の高いところに立てる客観性と、そしてやはりその人の「決意」なり「意思」なりが要求されるのではないかと思う。
その上での苦しさ、辛さ、そして叫びでなければ、結局、離脱サポートは、残念だが、どこにも行きつかない。
離脱症状を抱える人と暮らす家族の困難さもある。離脱に苦しむ人を前に手をこまねいていることしかできない家族の心労ははかり知れない。
以前、そういう方から、ぜひ一緒に暮らす母と電話で話してほしいと請われたことがある。自分の激しい状態を目の当たりにして、母までダメになってしまいそうだ。しかし、理解してくれる人がいるとわかるだけで、そういう人と話をするだけで、母も精神的に楽になるかもしれないからと。
電話で30分も話しただろうか。私の話がどれくらいお母さんに届いたかはわからないが、とにかく、私にできることはそれくらいと思い、主に聞き役だったが、話をうかがった。
離脱サポートといった場合、こういう状況も発生するだろう。
ともかく、「ゆるいつながり」でいいと思う。
孤立している当事者同士、わかってもらえる人が他にもいるという事実は、苦しさを幾分なりともやわらげる。そして、経験者だからこその、減薬についての具体的なアドバイスも可能かもしれない。ただし、私自身は、残念ながら、減薬のアドバイスは不可能である。
そのことをご承知おき願った上で、当事者同士、ゆるくつながっていけるいい方法はないだろうか。
まずは「離脱仲間」がいればいいのに、そう感じている方のご意見をお聞かせいただければと思います。
追記
言うまでもありませんが、私が想定しているのは、あくまでもネット上の仲間ということです。