伊織がいなくなって | こももとこはるん家

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愛犬・シェルティ。
こももとこはるの観察日記。

伊織が突然に、あまりにも短い生涯を終えてから早いもので・・・あれからもう1年が経ちました。    



今回お姉ちゃんから、

1周忌のブログはお兄ちゃんが書いて。との要望があり、このブログが始まってから約8年・・・初めて書かせていただきます。




伊織と初めて会ったのはおととしの11月の初め、もう肌寒い日でした。


東北のセンターからの引き出しで、そのコの状態はかなり悲惨らしい との前情報は聞いていて、ある程度の予想はしていたのですが・・・


目の前に現れた伊織の姿は予想をはるかに上回る悲惨な姿でした。正直 これでよく生きてたな。と思うくらいの。 





お姉ちゃんと二人で 


「今までよく頑張った!よく生きててくれたね!もうなにも心配しなくて大丈夫だからな!」

と、声をかけた記憶があります。


受け渡し場所から家までの車内がまあ臭いこと臭いこと(笑) 


寒い中メリーの窓4つを全開にして帰ってきたのを覚えてます。



当時のブログに書いてある通り、骨と皮だけの激やせ、身体のあちこちに膿んだ床擦れ、両耳の後ろにデカい毛玉、そして身体中から大量のフケと・・・今までで最強レベルの惨い状態でした。






二人で、これはかなり長くなりそうだけど焦らずにゆっくりゆっくり行こう。って言ってました。
 


それから1日1日・・・ちょっとずつちょっとずつでしたが、伊織は回復していきました。


毎日ごはんが食べられる。毎日散歩に連れて行ってもらえる。おしっこもうんちもきれいにしてもらえる。


なによりも・・・毎日笑顔で頭を撫でて抱きしめてもらえる。


今まで与えてもらえなかった当たり前の日常を、ちょっと遅くなったけど伊織に教えてあげたくて。



伊織を心から可愛がってくれる本当の家族を見つけてあげるまでは、このコは絶対に死なせないし、元気にする!と。


保護犬の預かり家、仮親として出来る限りの愛情を注いだつもりですし、伊織も本当に強い命の持ち主でした。



伊織は純粋で無邪気で頭がよく、でも自分の身体の大きさをわからず身体全部で喜びをぶつけてきて、まったく加減を知らない甘ったれで(笑)・・・本当に可愛いコでした。

 


うちが保護犬の預かりを始める時にお姉ちゃんに言った事があります。


"こももとこはるがいるうちは、たとえどんなに可愛いコがきてもそのままうちのコにするのはダメだよ。


ちゃんと里親さんを見つけて、その時どんなに寂しく別れがたくても・・・あくまでも俺達は仮の親で、お預かりしてるコ" である事に徹すると。




きっかけになったくるみから、こむぎ、いろは、小太郎、よもぎ、もみじ、さんご、そして伊織まで。


みんなたまらなく可愛くていいコで・・・自戒してなければ全部うちのコとして引き取りたい!と思うほどでした。




そして伊織以外はみんな新しい家族が見つかり自分の居場所を見つけ幸せになることができました。


残念ながら今日までの間に、よもぎ(よつば)ともみじ(セブン)の他はもう虹の橋を渡ってしまいましたが、それでも本当の家族に看取られて命を全うできた事は幸せだったと思います。  




伊織は本当の家族を見つける前に逝ってしまいました。


あまりにも短い生涯でした。

あんなに惨い状態でも生き延びて、ここまで生きてこれたのはあのコの命の力と、なにより伊織自身が 僕はもっともっと生きたいんだ! って意志が強くあったからだと思います。


病気が発症して、それが深刻な病状だと聞かされても私達二人は希望を無くす事はなかったし、


その希望や可能性を私達自らが放棄するという行為は、病院で病気と必死に闘い生きようと頑張っている伊織を見ていたら・・・それはできないと思っていました。




病院に会いに行くと伊織は私達を見ると顔をあげ甘えてきて・・・そのたびに


「いっちゃん、絶対治るからな!そして早くお兄ちゃんとお姉ちゃんと一緒におうちに帰ろう!」


そう励まして、一時は快方に向かって本当に喜んでいました。


「いっちゃん!よく頑張ったな!もうすぐいっちゃんの大好きなおうちへ帰れるよ!」って。


起き上がった伊織を二人で抱きしめながら。
 


再び容態が悪化し・・・



その願いはかなえられる事なく、伊織は動かない伊織で家に戻ってきました。


元気な頃のように、デッキの階段を二段飛ばしで駆け上がる事もなく、ドアを開けたら光より早くダッシュでハウスに飛び込む事もなく、私達二人に重い身体を抱えられながら。


目を閉じたまま動かなく、もうドンドコじゃれてくる事もしつこいくらい甘えてくる事も無くなって・・・冷たくなってしまった伊織をお姉ちゃんと二人でずっとずっと撫でていました。



保護犬の預かりを始める時にお姉ちゃんに言い、自分の中でも自戒している事。



"俺達はあくまで仮親であって、本当の家族を見つけてあげる事が保護犬達の本当の幸せ"


という考えは変わらないしこれからも同じです。


縁あってうちに来て大事に大事にお預かりしたコに本当の家族が見つかり、目いっぱい可愛がられ、命の尽きる瞬間まで一緒にいて愛してもらえる事が、そのコの、私達のなによりの喜びです。



ただ・・・伊織には本当の家族を見つけてあげる事はできなかった。本当の幸せを見つけてあげれなかった。




まともに飼われず捨てられ、ギリギリで救われた命をつなぎとめて、伊織の本当の幸せはやっとこれから始まるはずだったのに。


これじゃあまりにも報われない・・・。



今回だけは自戒を破り、お姉ちゃんに言い聞かせた約束を破ります。許してください。



伊織はうちのコです。俺とお姉ちゃんの大事な大事な息子です。


推定2歳という、あまりにも短く、報われなかった伊織の命に・・・


せめて気持ちだけでも本当の家族として見送り、これからずっと心の中で想い続けていこうと思っています。



いっちゃん・・・



もっともっとドンドコ一緒に遊んであげたかったよ。


山や川や海や・・・いろんな世界を君に見せてあげたかったよ。

君のドンドコを受け止めてくれる友達を見つけてあげたかったよ。


食べれなかったいろんなおやつ食べさせてあげたかったよ。

君の気が済むまで甘やかしていちゃいちゃしたかったよ。
       

なによりも・・・ずっとずっと君と一緒にいたかったよ。





いっちゃんと最後のお別れの時にお姉ちゃんが言った言葉です。


いっちゃん・・・生まれ変わったら今度は迷わず一番先にお兄ちゃんお姉ちゃんちにおいで。




いっちゃんが迷うことのないようにお兄ちゃんとお姉ちゃんはずっとここにいるからね。



保護当時から亡くなるその時まで、お世話になった病院の先生、スタッフの方。


シェルティレスキューの関係者、センターからの引き出しに協力してくれた方、そしてご支援を下さった方、お花を送って下さった方、



あの時、生きてと、応援していただいたすべての方に、心から感謝しています。



2015.8.5


伊織一周忌によせて



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