二つの国を持つ | 茉莉千日香 MOLIQIANRIXIANG

二つの国を持つ

お友達がお子さんのことについて語っていた。 

彼女は遠くの国の人と結婚して二人の生まれ故郷とは異なる国で生活している。 

子どもたちはその国で生まれて大きくなっている。 

わたくしがアラブの王子さまと結ばれてハワイで暮らしているようなものよねにひひ  

以下、勝手に空想のわたくしに置き換えると、 

 

第一王子は「ワラワはアラブ人じゃ。 両親の二人の会話は英語じゃが父はワラワにアラビア語で話しかけるぞ。  

 そのような時はもちろんアラビア語で答えるようにしておる。 

 母上が日本語で話してくれば当然日本語でお返事するのだ。」 


第二王子「ワタシはハーフなのでアラブへ行けばアラブ人で、日本へ行けば日本人になります。 

 両親は英語を使っているのだからワタシは当然英語を使います。」 


第一王女「わたくしは生まれも育ちもハワイなのでハワイアンです~ドキドキ 

 お父様お母さまの国籍がどうであれ、わたくしは正真正銘のハワイアンですわ。」 


第二王女「まあ~アラブも日本も遠くてよく分かりませんの。 

 でも中東とアジアとハワイを混ぜて『ちゃんこ鍋』のようによいお味を出しています    

 のよ。」  


と、こんな感じの内容だった。 



 

二つの国ともう一つの国、三つの文化の中で育つとはどういう感じなのだろうか。 

わたくしには他国での生活経験もないし、アイデンティティー0(ゼロ)みたいなものだから異国というだけで夢のようなことばかり描いている。 

妹が結婚する時も 

「お~♪遠くの国の人とお近づきになれて嬉しいね~。 

 そのうち、向こうへ帰ることがあれば遊びに行けるよ~。」 

このくらいの軽い気持ちだった。  

ママにしてみれば何かあったときに2つの国の間で身を切られる以上の辛さを味あわなければいけないのだからとんでもないことだと寝込むほど思いつめていたが。。。 


姪っ子たちがメヒコでピアスを開けてきた。 

小学校の時はピアス着用もお父さんの国の習慣だからと許してくれたのに

さすがに中学ではそのようなことはありえない。 

娘の小学校の同級生でもやはりママが遠くの国の人ということでピアスをしている女の子がいたが 

「ココは日本だから」の一言で外させられた。(ウチの辺りは国際都市とはほど遠いからね~) 

美しい伯母様に似て、ましてハーフということも加わって姪っ子たちはとても可愛いが(伯母バカしていますにひひ) 

当然それなりの悩みもあるらしい。 

「知らない人がジロジロ見てくる。」だそうなのだ。 

妹も以前は自意識過剰なのではないかと思っていたらしいが昨年夏、 

海に出かけたときに知らない人たちから 

「お前日本語喋れるか?お父さんアメリカ人か?」  

そんな言葉をかけられてきた(外国=アメリカ、という発想がお粗末)。 


苗字がカタカナということも、みんなより鼻が高いということも 

国際化進んだとはいえ今のこの国にいると辛く感じることだなんて。 

妹と夏に歌舞伎座へ行ったときに羊羹や佃煮を買っていた。 

「え!?一体誰がそういうもの食べるの?誰へのお土産よあせる」と聞けば 

当然ながら子どもたちだという。 

わたくし達は食べる習慣がなかったのだが、何処で知ったかあの子達は 

日本人しか食べないようなものを妙なくらいに好むという。 

「まるでこういうものを食べることで『私たちは日本人です』って強調したいみたいなのよね」。 


妹だけでなく友人でも、ママ友達にも国際結婚のカップルがいるし 

日本人離れした顔立ちの子どもたちも知っている。 

みんなどんな思いを抱いているのだろうか。 

民族、伝統や文化の保持も大切だし、でも一方その融合も得るものが大きいし。 

ただあんまり考えすぎると分からなくなってくるので 

みんな地球人なので細かいこと言いっこなし、でいいや。 


 



でもでも、身長差が10センチ以上あるときですら姪っ子と並んで写真を撮ると 

明らかに自分の膝と腰の位置がずっとずっと低い所にあると妹は嘆いていた。 

わたくしも内心「お気の毒様」と笑っていたのは言うまでもないにひひ