モーツァルト
ピアノ協奏曲第24番ハ短調KV491
ショスタコーヴィチ
交響曲第10番ホ短調作品93
指揮:高関 健
ピアノ:伊藤 恵
コンサートマスター:戸澤哲夫
シティフィルとマエストロ高関さんのコンビ。今のところティアラ(シェエラザードほか)、ミューザ(第9ほか)を聴いてきたけど、ハズレなしの快演だったので、定期公演本拠地オペラシティ、本日のプログラムもかなり前からチケットGETし、楽しみにしていました。
コンサート前は、いつもながら高関さんのプレトーク。
相変わらず研究熱心な高関さん、プレトークにも彼の拘りを感じます。
学者肌の高関さんは、いつもマニアックな解説なのですが、理屈ぽくならずコンサートで聴く曲のポイントを分かりやすく、さらっと話術巧みに解説するのは流石です♪
さて1曲目のモーツァルトの協奏曲、高関さんもプレトークでモーツァルトの作曲したピアノ協奏曲でも24番と25番が最高傑作と仰ってましたが、確かに陰影に富んだ24番の協奏曲は他の作品を凌駕していると思います。
そのモーツァルトの最高傑作のソロを務める伊藤恵さんのピアノのもまた素晴しく、この曲の持つ儚さや秘めた情熱など天才モーツァルトの影の部分を巧みに、そしてリリカルに表現してました。
最近、熟年と言っては失礼ですが、小山さん、小川さんなどベテランピアニストの演奏を聴く機会がありましたが、伊藤さんは今日のモーツァルトを聴く限りでは、表現の仕方は、一歩抜きん出てるかなぁと感じました。
本当素晴しかったです♪
もちろん伴奏の高関さんとシティも素晴しく、特にこのオケはいつも芳醇な弦の響きと美しく響く木管楽器に聴き惚れするのですが、今日は一段と素晴しかったです。
伊藤さんも今日はこの協奏曲のみに情熱を掛けたのか、たび重なる拍手がありましたが、アンコールはなく残念。
彼女がライフワークにしているシューマンの小品、アンコールで聴けたら最高だったのになぁと貧乏性の木炭は思うのでした(笑)
休憩を挟みショスタコーヴィチの交響曲は、シティフィルも高関さんも燃えに燃えた力演♪
この長大な交響曲を第1楽章から終楽章まで一気に50分間聴かせてくれました♪
高関さんの師匠でもあるカラヤンが唯一演奏・録音したこの10番、高関さんにもかなりの思い入れがあったはず。
カラヤン率いるスパーオケBPOとは違いますが、シティも多少疵はあるけど大健闘!!
陰鬱に始まりクライマックスでオケが咆哮する長大な第1楽章、スネアが光り、凶暴なブラスが爆発する第2楽章、諧謔的な第3楽章と聴きどころが多々ありましたが、特に終楽章コーダの快速感は、最高でした♪
この曲は編成も大きいのでシティ母体だけでなく、多くのゲストプレイヤーを迎え、オケ自体に余裕はなかったと思いますが、高関さんの棒に応え、素晴しい演奏を聴かせてくれました♪
余裕のなさが逆にプラスに働き、時にはスリリングに、また情熱的になったのかもしれません。
今年は、ラザレフさん&日本フィルの8番、カタエーニさん&都響の11番と名演を聴くことが出来ましたが、今日新たにショスタコーヴィチの交響曲の名演に高関さん&シティの10番が加わりました♪
残念だったのは、今日のシティの定期のお客さんの入りが…今一つ…かなり空席が目立ってました。
今日は都内及び近郊は、演奏会ラッシュだった影響があるかもですが、勿体ないです(T_T)
なお、オケは対向配置でした♪
恒例の開演前のプレ・コンサート♪
これもシティの演奏会の楽しみのひとつ♪
今回は、プッチーニの蝶々夫人~ある晴れた日に(弦楽合奏版)
2015.10.3(SAT)
14:00
東京オペラシティ・コンサートホール