2011年10月9日
朝5時半の、人もまばらな本庄駅。
鉄道の日記念きっぷを握りしめて、また阿房列車を走らせようとしている自分がいる。
少々曇ってるせいか、さほど寒さは感じられない。
今日はいい天気になるだろうか…
さあ、今日は再びあの駅に行く…いや、「帰る」んだ…
目的地に向け、高崎線下り始発列車に乗って、倉賀野駅で下車。
ここで、今回初乗車となる地方交通線「八高線(はちこうせん)」の列車に乗り換える。
高崎~高麗川(こまがわ)間は、単線・非電化路線。
キハ110系のディーゼル音が心地好い。
4人用でない、2人用のクロスシートに腰掛け、外の様子を伺う。
車窓からは、朝日の光りが降り注ぐ。
八高線の高崎~高麗川間は、しばらく田園の真っ只中をゆっくり走る。
老人が犬の散歩をしている。のどかだ…
私の家の近くにも、こんな素晴らしい路線があったんだな…
たとえ朝日が眩しくても、カーテンを閉めるなんてできない。
景色が見れないなんて勿体ない。
倉賀野から1時間半程度で高麗川に到着。
ここからの区間は雰囲気が一変し、車内も風景も急に都会っぽくなる。
あまり好きな雰囲気ではなくなった。
高麗川から50分程で八王子に到着。
大きな駅だ。人もせわしなく動いている。
中央本線で、八王子から2駅隣の高尾に移動する。
高尾駅は、高尾山の登山者の玄関口となる。
3・4番線ホームには、巨大な天狗の顔面の石像が設置されている。
今日は日曜日。
高尾で下りる乗客の大半は登山者のようだ。
その人たちは、京王高尾線乗り場に向かう。
そんな登山者をよそに、私は臨時列車「ホリデー快速ビューやまなし号」に乗り込む。
高尾を過ぎた中央本線は、山の中をひた走る。
トンネルも非常に多く、「地下鉄中央本線」などと呼んでみたくなるほどだ…
しかしトンネルを抜けるたびに、山々の素晴らしい景色が広がる。
心が洗われる。
どこまで走っても山景色が広がる…
トンネル内はつまらないが、山の景色はどれだけ見ていても飽きが来ない。
2時間ほどで、終点「小淵沢(こぶちざわ)」に到着。
小さな駅舎の前には沢山の人。さすが日曜日の観光地だ。
昼時だったので、駅舎の中にある立ち食い蕎麦屋で、蕎麦でも頂こうと思う。
そしたら、長い行列ができている…
何でもこの蕎麦屋は、度々メディアに取り上げられるほど有名な店だとか。
しかし、まだ先は長い。ここで昼食を取っておきたい。
行列に並ぶのはあまり好きじゃないが、無理矢理並んで蕎麦を平らげた。
ここから、前から気になっていた路線に乗ってみる。
小海線(こうみせん)
海とは全く縁のない、山梨県と長野県を結ぶ地方交通線で、何でもJRで1番高い標高を走るのだとか…
この路線については、後日報告しようと思う。
小淵沢から2時間余りで、終着駅「小諸(こもろ)」に到着した。
小諸から、しなの鉄道長野行きに乗り換える。
思えばこのしなの鉄道、元は高崎から碓氷峠を経て走る、信越本線だったのだ…
ここからは鉄道の日記念きっぷは使えない。
しなの鉄道の、グレーとワイン色にラッピングされた115系に揺られて、途中の「篠ノ井(しののい)」で下車。
信越本線、篠ノ井線、しなの鉄道の接続駅だが、あまり人もいなくて静かな駅だ。
この頃にはもう日も暮れようとしていた。
今日もここまで、ずいぶん長い時間列車に乗ってきたものだ。
さあ、目的地はもうすぐだ…
私は導かれるようにして、長野色の115系に乗り込む。