11 eleven/津原泰水 | mokkoの現実逃避ブログ

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ページ数:287P
発売日:2014年04月

百年に一度生まれ、未来を予言するといわれる生き物「くだん」。
鬼の面をした怪物が「異形の家族」に見せた世界の真実とは「五色の舟」
各メディアでジャンルを超えた絶賛を受け、各種ランキングを
席巻した至極の作品集がついに文庫化!
津原泰水最高傑作短篇との呼び声が高い「五色の舟」を始め、
垂涎の11篇を収録。
文庫版オリジナル、著者による自作解題も併録。
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タイトルでわかるように、11の短編集です。

猿渡と伯爵による幻想譚「幽明志怪シリーズ」と
「たまさか人形堂」シリーズしか読んでなかったので
単発の短編集というのはお初です。
本当はバレエ・メカニックを狙っていたんだけど
ちょっとハードル高そうだったので、こっちに決めました。

2作品で迷ったのは、表紙を飾る「四谷シモン」作の人形。
昔、展示会に行けなくて悔しい思いをしたんですよねぇ
人形って、妖しいじゃないですかぁ~(モノにもよるけど)
津原作品にはピッタリだと思うんですよね。

内容も期待を裏切りませんでした!
夢と現、幻想とホラーの狭間というのでしょうか?
地上数cmギリギリのところを浮遊しているような
あやふやな感覚がたまらないのですよ。
心理描写も情景描写もしつこくなくてリアル。
読み始めてすぐに引き込まれ、何かしらの余韻を残す。
この余韻が結構曲者だったりします。

特に好きなのは「五色の舟」「手」「土の枕」
独特の時間を過ごしましたぁ~
次はバレエ・メカニックにチャレンジしましょ♪

「五色の舟」
戦時中、自分たちを見世物にして生活する疑似家族が、
件と出会い・・・

「延長コード」
家出した娘が、数年後死体となって戻ってきた。
生前の住処を訪れた父親は・・・

「追ってくる少年」
以前住んでいた町に数年ぶりに訪れた時、
話しかけてきた少年は・・・

「微笑面・改」
彫刻家の元妻の顔が突然、空中に浮かび
その顔が少しずつ近づいてきて・・・

「琥珀みがき」
琥珀を磨く仕事をしていた少女が仕事を辞め
都会へ出て・・・

「キリノ」
背が高く美人だったキリノ。キリノは・・・

「手」
耳の穴から出た白い糸を引っ張ると・・・
そんな懐かしい都市伝説
好奇心を異常に恐れる母親を持つ娘は・・・

「クラーケン」
グレートデンという大型犬を引き取ることにした女は
犬に伝説の海の怪物の名前をつけ・・・
ラストが衝撃的過ぎだった・・・

「YYとその身幹」
YYとの1度きりで一瞬の情事の後・・・

「テルミン嬢」
愛する人が側に来るとアリアを歌い続ける障害のある女。
音楽療法と脳科学の壮大なSF

「土の枕」
領主の息子が戦争に召集された領民の代わり
身分と名前を偽って戦地に赴くのだが・・・