ネクロポリス 上・下/恩田 陸 | mokkoの現実逃避ブログ

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ネクロポリス 上 (朝日文庫)/
恩田 陸

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ネクロポリス 下 (朝日文庫)/
恩田 陸

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ページ数:478P        ページ数:462P
発売日:2009年01月      発売日:2009年01月

英国と日本の文化が融合した世界「V.ファー」の「アナザーヒル」では、
死者と交流する「ヒガン」と呼ばれる行事が毎年行われている。
「V.ファー」で連続殺人事件が発生した年、聖地である
「アナザーヒル」でも事件が起きる。
犯人探しが進むなか、不思議な風習に彩られた「アナザーヒル」が
変質し始める――。
著者初の上下巻作品となった大作ファンタジーが待望の文庫化。
解説は漫画家・萩尾望都氏。
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舞台は日本とイギリスの文化が混在しているV.ファーの聖地で
故人と再会できるという「アナザー・ヒル」
「ヒガン」では、「お客さん」として、この地を訪れた故人を
向かい入れ、再会を楽しむ。

日本でいうところのお盆であって、幽霊が来るのではなく
あくまでも実態として訪れるという夢のような?場所。
誰もが行けるわけではなく、細かな約束事がある。
上巻のほとんどは、その世界観の説明になってるんだけど
これがまた、いかにもありそうな感じなのである。

同じ頃、Vファーでは、血塗れジャックの手による
連続殺人事件が世間を騒がせていた。
アナザー・ヒルに向かう人たちは、この殺人事件の被害者が
お客さんとして訪れた時に、犯人を聞き出そうという目的もあった。
何故なら、お客さんは嘘をつかないからである。

文化人類学のフィールドワークとして初めて親戚に混じって
この地を訪れたジュン。
ところがアナザー・ヒルに入った途端に入口の大鳥居に
死体がぶら下がっていた。
警察の介入をよしとしないアナザーヒル側。
しかし殺人事件とあっては、警察を呼ばないわけにはいかない。
そこでアナザー・ヒル周辺に暮らし特別な力を持つ
ラインマンが呼び出され、境界線上の殺人と判定。

警察は入り口付近のみの捜査となったが、事情聴取に
中立の立場ということで、コロンビア大学から来ていた
グレイ博士を抜擢する。
異常事態ということで、ラインマンがアナザー・ヒルに
滞在することになるのだが、事件はそれだけでは終わらなかった。

ジュンは、初日早々に事件に遭遇。
アナザー・ヒル内での不思議な習慣などを教わりながらも
事件に巻き込まれ、ヒル内には不穏な空気が流れ始め・・・


いやぁ~相変わらず中盤までの盛り上げ方が上手い!
世界観を楽しみながら、ワクワクドキドキ。
今までの恩田作品のホラー、サスペンス、幻想系が
融合したかのような作品。

ジュンの研究者としてのフィルターを通して語られ
日本とイギリスの文化が融合しているという設定を
うまく使っている。
軽い蘊蓄は大好きなので、その部分の説明は楽しかった。
名前だけとはいえ、柳田國男まで引っ張り出してくる。
やはり文化人類学が関わると、出した方が重みが出る?(^◇^;)
外国人の目から見た鳥居の印象も興味深かった。

後半に入って更に盛り上がるも、残りのページの厚さに
これは間違いなく、尻すぼみに終わるな・・・と予測。
案の定、サクっと終わらせてくれた。
なんでいつも一番大事なところで失速するのか・・・
物語の緊張感に耐えられなかったのか?
色々とモヤモヤしますぅ~・゜゜・(lll>_<、lllll)・゜゜・。

面白かったのは、萩尾望都さんの解説。
やはり、Vファーはどこにあるのかってことが
mokkoもすごく気になったんだよね。
まぁ~文中にも書かれていたけど、なるほど納得。