夏への扉/ロバート・A・ハインライン | mokkoの現実逃避ブログ

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夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))/ロバート・A・ハインライン
¥778 Amazon.co.jp
発行年月:1993年01月
サ イ ズ:338P 16cm

ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって
夏への扉を探しはじめる。
家にあるいくつものドアのどれかひとつが、
夏に通じていると固く信じているのだ。
1970年12月3日、かくいうぼくも、夏への扉を探していた。
最愛の恋人に裏切られ、生命から二番目に大切な発明まで
だましとられたぼくの心は、12月の空同様に
凍てついていたのだ。
そんな時、「冷凍睡眠保険」のネオンサインにひきよせられて…
永遠の名作。
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初めましての作家さん。
カバーイラストに惹かれて購入したものの
8年ほど積んでました(^◇^;)
内容をわかってなくて、猫ちゃんのファンタジーだと
勝手に妄想してまして、脳みそがファンタジーを
欲していなかったので積んでたんだ・・・と思う(^◇^;)

季節は夏に向かってるかのごとく暑くなってきたので
シリーズ物の続きが手に入らなくて休憩のつもりで
手に取ったのに、予想してた内容と全然違ってましたぁ
SFだったんですねぇ( ̄▽ ̄;)ゞ

しかも、小難しくなくて、話を追いかけながら
確かにSFだと納得できる。
それにしても、こんなにハラハライライラドキドキする
SFって読んだことないですよ。
原因は主人公のダンが、あまりにもお人よしで
研究バカで、猫のピートが大好きで、それだけならいい。
恋人だけでなく信じていた友達からも裏切られ、
大切な発明品まで奪われる。

お人よしで能天気な上に、発明バカなもんだから
周りの怪しい態度に全く気付かない。
裏切られて落ち込んでも、まだ詰めが甘い。
懲りるという事を知らんのかぁ~と
こっちが地団太踏みたくなるくらいにイライラして
ヘタレのクセに考えなしに戦いを挑むからハラハラして
それみたことかと、更にどん底に落とされる。
読んでるこっちの方が歯ぎしりし過ぎて顎が疲れる。
猫のピートとも離されて、気付いてみれば・・・

あぁ~なんてこった( ̄▽ ̄;)!!ガーン
まさに丸裸状態で、どうすんのよ!と不安が押し寄せる。
たどり着いた希望はことごとく後手に回り
浮上しかけては踏み付けられる。
しかし打たれ強いというか、諦めない不屈の精神というか
無謀なようで着実に地味に苦い経験を活かしてる
そしてさりげなく書かれた行動の節々に伏線が張ってある。
あぁ~なんてステキな辻褄合わせ(*´◇`*)

SFというと科学が発達した先にあるであろう
良くないイメージを問題の先取りのように描写した
重い作品とかを想像しちゃうんだけど、本作は単純明快。
さんざんハラハラさせられた分、読み終わった後には、
よかったぁ~と脱力しちゃいました。
やっぱり読む作品の結末は明るい方が断然いい!

何がすごいって、ハードカバー版が出たのが1957年
やはり良い作品っていうのは読み継がれるものなのねぇ(*´◇`*)