
発行年月:2008年11月
サ イ ズ:236P 16cm
「その本を見つけてくれなけりゃ、死ぬに死ねないよ」、
病床のおばあちゃんに頼まれた一冊を求め奔走した
少女の日を描く「さがしもの」。
初めて売った古本と思わぬ再会を果たす「旅する本」。
持ち主不明の詩集に挟まれた別れの言葉「手紙」など
九つの本の物語。
無限に広がる書物の宇宙で偶然出会ったことばの魔法は
あなたの人生も動かし始める。
『この本が、世界に存在することに』改題。
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初読みの印象がよかったので、手持ちの2冊目を
続けて読みました。
これは好きだぁ~о(ж>▽<)y ☆
先日読んだキッドナップツアーはmirokuさんのレビューを読んで
購入したんだけど、本作を何故購入したのかがわからない。
未体験の作家本を2冊買うような危険は冒さないと思うけど
誰かのレビューを読んだのか?(;`・_・´)ン-
まぁ~結果的に大成功だったから良しとしよう(○ ̄m ̄)
本作は、本にまつわる短編集。
古本屋で、書店で、旅館で、自宅の本棚で・・・
本から始まる物語とでもいうのでしょうか?
ワックワクしながら読みましたよぉ~ヾ( 〃∇〃)ツ ウキャッ
「旅する本」
古書店に本をまとめて売りに行った時、店の主人から
この本、本当に売るの?と聞かれた1冊の本。
そして数年後、旅先の古本屋にあったのは・・・
「だれか」
旅先の宿の食堂に置かれた宿泊者が置いていった本。
本から浮かび上がるのは、物語の主人公ではなく・・・
「手紙」
恋人と二人で来るはずだった旅館に一人で来た。
部屋に置かれていたのは聖書ではなくて、詩集だった。
そこには封筒入りの手紙が挟まれていた・・・
「彼と私の本棚」
本好きで本の好みが似ている二人が、やがて同棲し
本棚は共有するのだが、やがて別れることになり、
引越しのために本を分別するのだが・・・
「不幸の種」
恋人が夜中に読んでいた本は、私の本棚にあった本らしいが
古くて見覚えのない本だった。
彼が「何故か読んじゃう」という本を私は読まなかった。
やがて・・・
「引き出しの奥」
大学周辺にある数件の古本屋をぐるぐるまわっている伝説の本。
裏表紙には、びっしりと書き込みがされているという。
何について書かれているかわからないが、いろんな人が
書き込んでいるらしい。
「ミツザワ書店」
文芸誌の新人賞を受賞したぼくは、11年ぶりに帰郷し、
昔通っていたミツザワ書店に向かう。
乱雑に積まれた本の隙間で本を読みふけっていたおばあさんに
高校時代に万引きした本の代金を返す為に・・・
「さがしもの」
病床のおばあちゃんに頼まれた一冊の本。
「その本を見つけてくれなけりゃ、死ぬに死ねないよ」
見つてくれなきゃ化けて出るとまで言われた本とは・・・
「初バレンタイン」
初めてできた恋人に、初のバレンタインで
自分の人生を変えた本をプレゼントした。
そして・・・
自分が過ごした時間の中に、本があって
その本と一緒に思い出が紡がれるってステキですよねぇ
色んなお話がありましたが、中でも一番好きなのは
「引き出しの奥」
読み終わった瞬間に、あぁ~きっと、このシーンが
書き込まれるんじゃないかなって想像してしまった。
こういう何かの始まりの瞬間って好き(*´◇`*)
あくまでも自分の解釈だけど(^◇^;)
で、最後の作品?「あとがきエッセイ」がまたいいのだ。
更に、角田さんって、そうだったんだぁ~って思いながら気付いた。
おかあさんに連れて行ってもらう書店は横浜駅の有隣堂。
横浜駅の有隣堂・・・?
アッ( ̄O ̄! ブックオフで購入した本に挟まっていた
レシートが横浜駅の有隣堂のものだった!こちら
こんなところで小さな繋がり発見♪ 単純です(○≧艸≦)゛
そして新宿の紀伊国屋。何故か思い出すのは雨の景色と赤い傘。
池袋の現リブロは、十二国記と薬屋シリーズを大人買いした。
何度も迷いそうになったのよねぇ~
これも本作を手にして思い出した事だったりするのよねぇ
読みやすいので本好きさんには楽しい1冊かも♪