ZOO 1/乙一 | mokkoの現実逃避ブログ

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ZOO〈1〉 (集英社文庫)/乙一
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発行年月:2006年05月
サ イ ズ:265P 16cm

双子の姉妹なのになぜか姉のヨーコだけが母から虐待され…
謎の犯人に拉致監禁された姉と弟がとった脱出のための手段とは?
など、本書「1」には映画化された5編をセレクト。
文庫版特別付録として、漫画家・古屋兎丸氏との対談も収録。
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ずーっと積んでいて気になったから勇気を出して読みました。
8年積んでましたよ。
手に取らなかったのは、他の短編集で読んだ
物凄く怖いものが1作含まれていたから。
それがあるってだけで、本を手に取れなかった。
そして、やはり再読は無理!

「カザリとヨーコ」
分け隔てアリアリで育てられた一卵性双生児の姉妹。
虐げられて育った姉が死を覚悟して取った行動とは・・・

一行目を読んで、展開はわかってはいたものの
悲しいんだか残酷なんだかわからん。
正直クロイ・・・その先に救いはあるのか?

「SEVEN ROOMS」
突然、窓のない部屋に閉じ込められた姉弟。
コンクリートでできた7つの部屋。
部屋にある溝から時おり流れてくるものとは・・・
脱出を決意する姉弟がとった手段とは・・・

解説書いてるだけで怖い。日本のホラー系は平気だと
思っていたけど、他の作家さんのホラーを読んで
かなりビビッタけど、これは別の意味で怖い。
多分、今まで読んだ本の中で一番怖い。
再読なんて無理ですからぁ~!!
グロイのダメな人は、やめた方がいいです。

「SO-far そ・ふぁー」
ソファーの真ん中に僕が座って、左右に両親が座る。
それが定位置だったのに、ある日を境に父には母が
母には父が見えなくなった。
そして僕はどちらかを選択しなければならない・・・

読んでる最中は、全く別の事を思っていたんですよ。
が、結末を読んで、胸くそ悪くなりました。
全く想像していなかったのでね。
上手すぎて、胸くそ悪くなって、してやられたって感じ。

「陽だまりの詩」
世界を襲った流行り病により、人々は死に絶えた。
彼は自分を埋葬させるために私を作った。
けれど・・・

ロボット目線のお話なんだけど、死を理解したロボットの
優しさと切なさが詰まってます。これぞ白乙一。
情景が見えるようです。余韻がいい感じで残ります。
このタイトルも絶妙です!

「ZOO」
毎朝決まって届けられる恋人の死体の写真。
それは少しずつ腐乱していく写真であった。
恋人を殺した犯人を絶対に捕まえる。けれど・・・

なんかもう・・・グルグル・・・
自分に言い訳しながらグルグルするにもほどがある。


乙一氏の本は、短編集を多く読んでますが
これは似たような話がない!
どうすればこんな話を作り出す事ができるのか
胸のうちに涌き続ける泉でも持ってるのか?
しかも、短編なのに最後に予想外の結末を持ってくる。
いい意味でも悪い意味でも。
ちょっと病みつきになりますねぇ(^◇^;)

だけど「SEVEN ROOMS」の破壊力というか
受けるダメージの大きさは半端ない。
8年経っても再読する勇気すらない。
っていうか、思い出したくない。
ちょっと思い出してビビってるけど・・・(-。-;)

本作は映画化されてるらしい。
最後に入っていた漫画家・古屋兎丸氏との対談を読んで
「陽だまりの詩」だけでも映像が見たいと思いました。
アニメらしいから(o^o^o)
さて、2を読むぞと・・・

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