煌夜祭/多崎 礼 | mokkoの現実逃避ブログ

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煌夜祭 (C・NOVELSファンタジア)/多崎 礼
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ここ十八諸島では冬至の夜、漂泊の語り部たちが物語を語り合う
「煌夜祭」が開かれる。
今年も、死なない体を持ち、人を喰う魔物たちの物語が語られる
第2回C★NOVELS大賞受賞作!
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mirokuさんのレビューを読んで購入しました。
「これ、絶対mokkoさんのお気に入りだよ!」って言われたら
買うでしょ~!で、当たりです!
これはたまりませんってば!
確かに地図は十二国記を連想するけど、内容は全然違いました。
良い本を薦めていただいてありがとですо(ж>▽<)y ☆


中央の島に王がおり、その外側(内輪)に2つの島。
更に外側(中輪)に8つの島。更に外側(外輪)に8つの島。
それぞれの島には島主がいて、十八諸島は中央の島を中心に回っている。

この世界では時おり魔物が生まれる。
普通の人間のように見えるが、日の光を嫌い冬至の夜に人を喰らう。
けれど物語を聞いている間は魔物も人を襲わない。
だから冬至の夜には島主の館で煌夜祭が開かれ、
仮面で顔を隠した語り部達が集い朝まで物語を紡ぎ合う。

その中には魔物が紛れ込んでいたりするという。
魔物は何故人を喰らうのか・・・
魔物は何故生まれてくるのか・・・

今年の冬至。廃墟となった島主の館に二人の語り部が顔を合わせた。
褒美をくれる島主がいないのに二人は何故ここへ来たのか・・・
そして二人は互いの話を交互に語り出す。


語り部の紡ぐ話というのは大好きだ。
これもそんな話を集めた短編集だと思って読み始めた。
けれど途中で気付く。
あれ?この話に出てくる人って・・・あの人?と・・・
散りばめられた伏線を回収し始めた辺りで気付くんですよ。
もしかして、これって連作?っていうか繋がってる?と・・・
疑問は確信になり、そして一つに収束され
あの景色を目の前にした時、涙出そうになりました。
なんて悲しくて切なくて愛しい物語なんでしょう

カバーイラストが少々怖かったので引いていたんだけど
読み終わった時には、抱きしめますって。
これでデビュー作とは恐れ入った
っていうか17年も出て来れなかったのが不思議ですって。

電車で読むとヤバイ本ってあるんですよね。
西の魔女が死んだのラストも、いきなりキタから
つい涙が噴出してしまったけど、本作では
ジワジワと感情がこみ上げてくるものだから
構えてはいたんだけど、あの景色はヤバイです
我慢したけど・・・(^◇^;)
自宅で読んでたら間違いなく泣いてた。

実は読み終わった日の朝、珍しく電車で座れたんだけど
隣に座ってたオジサンも本を読んでいて
泣いてたのを見逃さなかった。
さりげなくハンカチで目を押さえてから
寝たふりをしてました。
その日の帰りに自分も泣きそうになったから
堪えましたけど(^◇^;)