
発行年月: 2006年04月
サ イ ズ: 319P 15cm
曰く、この世界に存在する怪現象は、全て“神の悪夢”の欠片である。
この悪夢の泡は人間の意識に浮かび上がると、急速に人の恐怖や
悪意や狂気と混ざり合う。
そして、現実世界を変質させながら溢れ出し、悪夢の物語を作り上げる。
だが、浮かび上がった悪夢の泡が非常に大きかった時、個性が希釈されて
物語の『元型』に近くなる。
明示的、暗示的、様々な形で『昔話』や『童話』のエピソードに似たものになる―。
普通であることが信条の白野蒼衣と、過去を引きずりつつ悪夢と戦う時槻雪乃。
人間の狂気が生み出した灰かぶりの悪夢の中で出会った二人が
辿る物語とは―!?鬼才が贈る幻想新奇譚、登場。
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初めての作家さんです。
本当は残酷なグリムを読むより面白そうだと思って購入したものの
6年積んでました(^◇^;)
で。何でもっと早く読まなかったんだぁ~って感じです。
これは好きだぁ~о(ж>▽<)y ☆
やはり奇譚が好みのようです(○ ̄m ̄)
いや・・・ラノベが好きなのか?(^◇^;)
基本的な考え方というか、基盤になってる設定が好き。
全ての人間の意識の遥か奥、集合無意識の海の深みに
神は存在している。
神はずっと眠り続けているので人間に無関心で無慈悲で公平だ。
ある時、神は悪夢を見た。眠りの邪魔になるから
切り離して捨ててしまったら、無意識の海の底から
泡となって人間の意識にまで上ってきて
個人の抱える固有の恐怖と交じり合う。
普通であることが信条の白野蒼衣が、クラスメイトに
プリントを届けに行った時、神の悪夢の欠片である怪現象
<泡禍>に遭遇。
そこに現れたのがゴスロリスタイルの時槻雪乃。
間一髪のところで助けられたものの、その瞬間から
蒼衣の日常は普通とはかけ離れたものとなった。
そしてロッジと呼ばれ、泡禍に巻き込まれた人を
ケアする人たちがいる場所につれていかれ説明を受ける。
泡禍は時々、童話の形をとることがあって、童話は
全く交流のない文化圏にもかかわらず似た話がある。
それをユング心理学から元型と呼ぶ。
そしてロッジにいる少女がこの先起こるであろう悪夢の
物語の元型になる童話を引き当てる。
その説明を受けている時に、それは起こった。
示されたのは「灰かぶり」
シンデレラではなく灰かぶり
その物語が、どういう泡禍となって現れるのか・・・
ロッジの仲間達は、事前に察知し、救うことができるのか?
っていう話なんだけど、シンボル学やら民俗学や
オカルトの薀蓄がちょっとだけ出てきて、これが楽しい。
最初の話だから、色んな現象の呼び方やしくみなんかも
全部説明してあるから、これがまたワクワクする。
実際に起こっている現象の何が、物語の元型とリンクするのか
それを考えながら読むのもまた楽し(o^o^o)
だけど、勘弁して欲しいのは、イラストなんだなぁ~
メインキャラのイラストが最初に載っていて
更に、挿絵まである(-"-;)
できるなら自分でイメージしたい話ではある。
結構グロイ描写もあるんだけど、灰かぶりって
結構残酷なお話でしょ。
鳥が目を突付くとか、靴を履く為に踵を削いだとか・・・
そういうのが大丈夫なら、たぶん読めると思います。
たぶん・・・だけど(^◇^;)
ジャンル的にはホラーなラノベだと思うんだけど
著者はあくまでもメルヘンだと言っております。
これは続きを読むぞ!と思ったら、17巻まで出てる?
どうしよぉ~(-。-;)