神様/川上 弘美 | mokkoの現実逃避ブログ

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神様 (中公文庫)/川上 弘美
¥480 Amazon.co.jp

発行年月:2001年10月
サ イ ズ: 203P 16cm

くまにさそわれて散歩に出る。
川原に行くのである―四季おりおりに現れる、
不思議な“生き物”たちとのふれあいと別れ。
心がぽかぽかとあたたまり、なぜだか少し泣けてくる、
うららでせつない九つの物語。
デビュー作「神様」収録。ドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞受賞。
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mirokuさんにいただいた本です(o^o^o)
川上作品は3作目。
これが一番好きですぅ~о(ж>▽<)y ☆

しょっぱなから「くまにさそわれて散歩に出る」ですよ!
森で熊に出くわしたんじゃなくて、熊に誘われたんですよ
しかも、小熊じゃなくて大きいやつ。
更に同じアパートに住んでいる。
だからといって、誰もが熊と仲良しってわけでもない。
人間の子供は熊だ!と言って指をさしたりするわけで
そこでパトカーだ!射殺だ!と言わないだけって感じの世界。

連作短編集なんだけど、最初と最後が熊の話
最後の話が切ない。
熊だけが出てくるわけではない。
河童も出てきます。その悩み事が笑える(^◇^;)
でも河童って長生きなんだなぁ~

人魚も出てきます。浜辺に打ち上げられた人魚を見つけても
拾って帰っちゃいけないってことだなぁ~
っていうか、これは怖かった。

ホノボノしてるようでいて、よく考えると
一歩間違ったら怖い話だろっていうのもあったし
猫屋のおかみさんは毎年冬になると、知らない世界に迷い込み
そこで夫婦のような生活をしていたらしいし・・・
死んだ叔父が現れて、たわいのない会話をしてみたり
失恋して死んだ子は壷に住み着いてるし、飲兵衛で料理が上手で
壷をこすると出てくるし・・・

で、何気にw(゚o゚)w オオー!と思ったのが「星の光は昔の光」
えび男くんが最後に歌い始めた
「むかしのひかり いまいずこ」(荒城の月)
これには唸った。もしやこの歌からこの話を思いついたのか?
何の脈絡もないような話の流れから、最後がこれだもの(^◇^;)

全体的に梨木香歩さんの『家守綺譚』と似たようなニオイがします。
家守綺譚 (新潮文庫)/梨木 香歩
¥420 Amazon.co.jp

そして、家守綺譚の一節を思い出しました。

どれくらいの不思議まで人は
「まぁいいだろう」といって許せるものなのか・・・

mokko的には不思議は大歓迎ですからねぇ~

で、昨日仕事から帰って来たら、テレビのニュースで
長野で熊が駅のホームを歩いていた!って出ていた。
なんてタイムリー!
もしや、あの熊さん?なんて思ってちょっとワクワクしたんだけど
射殺されたと聞いて即効現実に戻りましたよ(-。-;)
現実ってシビアだなぁ~