
訳 者: 白石朗
発行年月: 2007年12月
サ イ ズ: 617P 16cm
ロック界のかつての大スター、ジュード・コインには
異様なるものの蒐集癖があった。
ある日ネット・オークションで落とした「幽霊の取り憑いたスーツ」
が届くと、怪事が起き始めた。
現れた老人の幽霊は、かつてジュードが捨てた女の義父だという。
復讐に燃える怨霊から逃れるジュードと愛人の逃避行が始まる…。
むかしの女がいた街へひた走る恐怖に満ちた旅は、
これまで生きた人生に対峙する旅路でもある。
ブラム・ストーカー賞、英国幻想文学大賞ほかを受賞した、デビュー作。
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mirokuさんにいただいた本です。
初めての作家さんです。
mirokuさん情報によると、この著者は
あのスティーブン・キングの息子だそうです。
そういえば巻頭に「いいやつのひとり、父さんに。」と書かれてた。
なんかいいですねぇ~
もちろんホラーですとも!
で、内容的にはロックスターであるジュードは
同じ人種の例からもれることなく、女癖が悪い。
いや・・・女が放っておかない。
でも付き合う女は何故かゴス系。
更に過去に傷を持っていたりする。
むろんジュードも例外ではない。
そのジュードが、「幽霊の取り憑いたスーツ」を手に入れた。
ところがそれは罠だった。
前に捨てた女の姉による策略で、スーツに取り憑いた霊は
その姉妹の義父だったのだ。
しかも悪いことにこの義父、催眠術に長けていた。
生前の能力は霊になったことで増大し、ジュードや
一緒にいるモノたちを殺そうとする。
何か霊を止める方法はないかと考えた結果
死んだ元カノの姉のいるカリフォルニアを目指し
現在の彼女と犬2匹を連れ立って出発する。
どこまでも追いかけてくる義父の霊を止めるすべはあるのか?
ってな話なんだけどね・・・
何だろう・・・悪くはないんだけど、追いかけられるのって
本当はもっと怖いはずなんだよね。
この霊は本当にしつこくて、しかも勘違い野郎の変体なんだけど
自分のことは棚上げにして殺しにかかるのよ
主人公は簡単には死なないのはわかっているんだけど
状況説明が長い。回想が長い。
必要な話もあるけど、不要な部分も多かった。
そのせいで間延びした感じがして、イマイチ入り込めなかった。
恐怖も薄れるってもんでしょう
更に、何がよくないって、痛過ぎですってば!
ジュードは流血し過ぎだし、指は吹っ飛ばされるし
彼女も手が指が腐って落ちそうになってるし
二人して手に包帯巻いてても、血や膿が染み出してるし・・・
ワンコも・・・
もうね、霊の怖さよりも、負傷の怖さが勝ってしまった。
霊そのものより、義父の執着心の方が怖かった(^◇^;)
でも物語の流れとか結末はよかったと思うんだ。
しかもデビュー作でこんだけ書けるって
やっぱ凄いわぁ~
これ映像にした方がわかりやすいし面白いかも。