あたしのマブイ見ませんでしたか/池上永一 | mokkoの現実逃避ブログ

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あたしのマブイ見ませんでしたか (角川文庫)/池上 永一
¥580 Amazon.co.jp

発行年月: 2002年04月
サ イ ズ: 234P 15cm

ここは優しい黒砂糖の森。静かで豊穣な甘い森…・
沖縄を舞台に繰り広げられる、明るく美しい8つの物語。
みずみずしい感性に心震える珠玉の短編集。
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mirokuさんに頂いた本です。
いつも思うのだけど、どうしてmokkoが好きだっていうのが
わかるんだろう??
mokkoは人のレビューを読んでいて、あぁ~この人の
好みそうな作品だなぁ~と思うことはあるけれど
最初から相手の好みそうな作品を探すというのは
絶対にできないなぁ~
読んで欲しい本と、きっと好きだという本って違うでしょ。

要するに、面白かったんですよ(^◇^;)
初読みの作家さんです(o^o^o)

『マブイの行方』
 7つのマブイ(魂)を落としているので、すぐに拾わないと
 死ぬとユタに言われ、優子は落としたマブイを捜し歩く。

 マブイを落とすと、もれなくドッペルゲンガーが付いてきます。

『サトウキビの森』
 サトウキビ畑で、精一杯のおしゃれをして
 去年出会った大学生が来るのを待っていると・・・

 ここは優しい黒砂糖の森・・・この一節にやられた。
 蚊の連続射撃と不思議なオバァとユックリ流れる時間。
 
『失踪する夜』
 十八番街と呼ばれる古い歓楽街には、神様が住むという
 ビッチンヤマ御嶽(ウタキ)という社があって、時々人が消える。

 巨大なガジュマルに守られた社と元気なオバァ。
 そして神隠し・・・
 
『カジマイ』
 常夏の島が寒さに震え上がるカジマイの頃。
 隣の女に旦那を寝取られても文句も言わない女のところに
 一人の少女が遊びに来た。

『復活、へび女』
 安アパートで目覚めた僕は、寝ていたせんべい布団の隣に
 添い寝している人型の窪みを見つけた。

 ソイネザウルスを意識すると、アルプスの少女ハイジも
 フランダースの犬も勝てない。そしていい話だぁ~

『前世迷宮』
 占いに懲り過ぎて、前世占いに手を出したら不思議な夢を見た
 自分の前世を確認するためにとった行動は・・・ 

 これは・・・何というか・・・止めろよ幼馴染!(^◇^;)

『宗教新聞』
 妻に逃げられ全てを拒絶したがっている男の部屋に
 1人の女が宗教新聞を届けに通うのだが・・・

 目からビームですか?でも結構いい話だったりする。

『木になる花』
 出世魚のように季節ごとに違う花を咲かせる1本の木

 なんとも幻想的な話だと思っていたら、最後に仕掛けがわかる
 

沖縄での話と都会?での話が半々に収められている。
のほほんとして暢気で爽やかで追い詰められて途方にくれて
時間も匂いも温度も音も風も人の気持ちなんかおかまいなしに
通り過ぎて行くけれど、その間に紛れ込む不可思議な出来事を
抜け目なく描いた作品とでもいうのかなぁ~

優しくて切なくて温かくてシュールな短編集。
いやもうファンタジーというか寓話というか
それぞれで感じ方が違う。

『サトウキビの森』『カジマイ』『復活、へび女』が好き。

リアルでもネットでも何故か北海道と沖縄の友達が多い。
沖縄の話は色々聞いたけど、行った事がないのに
南国の空気を感じるっていうのかしら?
沖縄時間で未だに動いてる友達を連想してしまった(^◇^;)
彼女がオバァになったら、作品中に出てくる
元気で力強くてノンビリし過ぎのオバァになると思う。
絶対になる!