連続殺人鬼 カエル男/中山七里 | mokkoの現実逃避ブログ

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連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫)/中山 七里
¥630 Amazon.co.jp

発行年月: 2011年02月
サ イ ズ: 411P 16cm

史上初! 最終候補にダブルエントリーされ、「こっちを読みたい!」
という声が続出した話題作。
『さよならドビュッシー』『おやすみラフマニノフ』に続く中山七里の最新刊。
『このミス』ファン待望の作品が、満を持して登場!

マンションの13階からフックでぶら下げられた女性の全裸死体。
傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。
これが近隣住民を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼
「カエル男」による最初の凶行だった。
警察の捜査が進展しないなか、第二、第三と殺人事件が発生し、
街中はパニックに……。
無秩序に猟奇的な殺人を続けるカエル男の正体とは?
どんでん返しにつぐどんでん返し。最後の一行まで目が離せない。
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mirokuさんに頂いた本です。気になっていたのですよ。
「さよなら…」読んだら「カエル」読めとmirokuさんは仰った。
           mirokuさんのレビューは↑の文字をクリック。
でも先にカエルが来たので、素直にこちらを先に読みました(^◇^;)

( ̄O ̄!ちなみにmokkoはミステリ初心者なのでね
そこんところを踏まえた上で読んでね。

このふざけた様なタイトルとカバーイラスト
カエルの着ぐるみを着た殺人鬼の話ではないです。
だから、印象だけで読むのをやめるのは勿体無いですよぉ~
久しぶりに読むのに疲れた 〃´△`)-3ハゥー
何なんだ!この文章力というか吸引力というのか・・・

猟奇殺人だからね、もちろん遺体の描写もある。
グロイんだけど、それでも続きを読みたくなるのですよ。
遺体の置かれた状況と反比例する子供の書いたような犯行声明分。
もちろん犯人はどんな奴だ?って、まず考える。
警察も市民も取材記者もテレビも考える。

で、リアルでも全く同じ流れだと思うんだけど
いわゆる専門家っていうのがメディアに顔を出す。
犯罪心理学者やら精神科医やらが、もっともらしいことを解説する。
それだけならつまらない。

ここで刑事の渡瀬が本当に精神科医が言いたかった事は
他にあると見抜いて会いに行く。
リアルではそこで終わってフェードアウトしてしまうところなのに
そうじゃないだろうという考え方を混ぜ込んで
それがいい具合に社会風刺を利かせている。
この渡瀬が登場こそ少ないけれど、非常に気に入った。
物語の流れよりも、その分析力の方にイチイチ納得してしまった。

そして殺人は続く。サクっと緻密に残酷に続く。
本当の恐怖っていうのは、きっとこういうことなんだろうなぁ
背景にあるのが刑法39条 リアルで何でも耳にしてきたはず。
緊張を強いられ圧縮され続けた恐怖が弾けると・・・
そうなった時、自分は冷静でいられるか?と考えてみたり・・・

そして、内容紹介にもあった
どんでん返しにつぐどんでん返し。最後の一行まで目が離せない
↑これ本当です。

もうね、手のひらの上で転がされるなんてもんじゃない
両手でシェイクされたかのごとく転がりましたよ。
最後の方はもう、痛いのなんのって(^◇^;)
描写がリアルすぎるんですけどぉ~~
やられたやられた、もう降参ってな感じ
古手川和也の恐るべき強運?と体力に拍手

ようやく( ̄。 ̄;)ホッとしたところで、再度怒り爆発。
しかし、どうしようもない。
薄ら寒い空気に飲み込まれて虚しく終わるのねぇ~と思ったら
最後の一行で鳥肌立てながら「だよねぇ~」と思ってしまった。
因果応報 たぶん、こういう筋立てが好きなのかも(^◇^;)
久しぶりに疲れるくらいに入り込めました。
ありがとうございます。

これで安心して「さよなら・・・」が読めますね
っていうか、これってデビュー間もない作品なんでしょ?
どうなってくんですかねぇ~この著者♪((O(〃⌒▼⌒〃)O))♪わくわく

作中で気になった曲が2曲
一時期、何を思ったのかビリー・ホリデー聞いてたんだよね

ビリー ホリデイ/奇妙な果実


ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調「悲愴」 第1楽章


さて、気分転換しないと・・・
ちょっとヘビーだった(^◇^;)