
Yさんは今住んでいる部屋があまり好きになれなかったのだ。
旦那さんの職場に近いうえ、家賃も安かったのでその部屋に決めたものの、
マンション自体、どことなく暗くて気に入らなかった。
部屋もなんだか空気が淀んだ感じがする。
妙な物音が耳につくこともある。
それはさーっと何かが物を撫でるような音だ。
小野不由美が描く九十九の怪異。
読むほどに不穏な闇は深まり恐怖がいや増す??。
百物語怪談文芸の最高傑作、ここに誕生!
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『残穢』がドキュメンタリー形式だとするなら
こちらは、ズバリ怪談。百物語ではなく、九十九物語ですね。
で、残穢と合わせて百物語になる。
そういうことですかね?
小野主上のファンなら、既に購入して読まれた方が
ほとんどだと思うのですが、もしこれから2冊購入して
読むという方がいるのなら、本作を先に読むことをお勧めします。
これを読んでからの方が、残穢をもっと楽しめると思います。
更に突っ込んで言うと、
本書に関しては、ハードカバーである必要はないかと・・・
本当によくある百物語なんですよ。
1P~3Pくらいの長さのお話で、読者投稿を集めて
読みやすいように編集したって感じの作りになってます。
本当に全部が読者からの投稿なのかは知らないけど・・・
ただ、テレビなどの怪談と違って、怖がらせようという気配がなく
淡々と書かれています。
だから状況をリアルに想像しやすいとも言える。
さすがに夜読むのは避けました。
内容的には、見た。聞いた。という話よりも、
本人の体験談的に書かれている話が怖かったです。
何かをされた。何かが起こった。何かを見たって方がリアルで怖い。
そして、これが本当だったら最悪だと思ったのが「さずかりもの」
地方には色んな風習が残っていると聞くけれど、これはダメでしょ。
呪術みたいだよ。っていうか常識的にあり得ない。
これって本当の話なのかなぁ~?
もし本当なら、この地方の人のところに嫁に行くのは考えた方がいい。
いや、マジヤバイってば(-。-;)
そして「雨女」にはビビリました(^◇^;)
「来訪」「窺うもの」も怖かった。
だけど、体験者?が冷静なのがいい!
やはり対処としては冷静になるのが一番いいんだなぁ~と
読みながら改めて思ってみたり・・・
単に怪談が好きって人なら、楽しい1冊になるでしょう。
mokko的にも初めての話ばかりでしたから。
そして残穢とリンクしてる話も2話?
それしか気付かなかったけど・・・
1つは、すぐにわかりますよね
2冊のカバーイラストが共通してますから。
しばらくは「ぶらんこ」を見ると、想像してしまいそうです。