
サイズ:235P 15cm
取扱状況:絶版重版未定
物語の冒頭に置かれた<作者からの注意>に、
驚くべきことに、奇妙極まりない殺人劇の容疑者たち
4人のリストが公開されている!
この大胆かつ破天荒な作者の挑戦に、果してあなたは
犯人を突きとめられるか?
ご存知、速水警部補と推理マニアの弟と妹が活躍する、
異色の傑作長編推理。
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速水三兄妹シリーズ第2弾
藤田カツの喜寿の祝いのために、親戚が集まった。
カツの弟と姪と甥、そしてカツの主治医とお手伝いの沙由理。
その目出度い席で姪が毒殺された。
姪の死の寸前に側にいた甥が疑われるも決定的な証拠がない。
その後、犯人と目されていた甥が死んだ。
しかしその状況は不可解なもので、高いところから墜落したことは
死体の状況でわかるものの、事故でも自殺でも他殺でもありえない。
では、どうやって死んだ?
そして唯一残されたカツの身内である弟までも!
犯人はいったい誰だ??
これ、説明書きにもある通り、冒頭に登場人物の中で
犯人はこの4人の中にいるって書いてあるのよ。
なのにわからない!
この謎も無理!
でもね、甥がどうやって死んだかは、わかっちゃったの。
ただ、推理力がないから、その前後を繋げられない(○ ̄m ̄)
まったくもってダメダメです。
しかもこの作品、事件の前に犯人の独白が出てるのよ。
更に、1989年の2月~4月にかけて起きた事件を
同年12月に速水警部補が弟と妹に相談するって構成なので
現在と過去を行ったり来たりします。
んで、これはもうお約束というか、速水警部補が
またまたお手伝いの沙由理にメロメロになり
弟と妹に呆れられると・・・
更に木下刑事の運命みたいなものもお約束。
そして推理マニアの弟と妹の推理・・・
妹はどうしても事件をミステリ風にしたくてたまらない。
弟はもう少しまともではあるけれど、
やはりもったいぶった言い方に、兄の速水警部補は
振り回されることになる。
結局、今回は安楽椅子探偵さながら、喫茶店にいながらにして
事件を解決しちゃうんだけどね・・・
ただ!
やられました。
ものの見事にやられました。
そういうことかぁ~って・・・
で、タイトルの意味がわかる。
全てがわかった時のやられた感が気持ちいい。
面白かったぞこのヤローって感じです。
そういえば、前作の新装版が出てました。
新装版 8の殺人 (講談社文庫)/我孫子 武丸
