童話を失くした明時(あかとき)に/高里椎奈 | mokkoの現実逃避ブログ

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童話を失くした明時に 薬屋探偵怪奇譚 (講談社ノベルス)/高里 椎奈
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「子供も楽しめるお伽噺だったはずが、地獄や悪魔の物語へ
勝手に書き変わっていたのです。
呪われた本を遺した祖父は、実は私を恨んでいたのでしょうか?」
怪異と祖父の怨嗟に怯え、笑顔を忘れた孫娘の調査依頼を
ひょんなことから受けた深山木秋。
祖父の屋敷を訪れた彼は多くの妖(あやかし)と
本を巡る戦慄の事件に遭遇する。
急ぐ真相究明! 彼女の閉じた心に夜明けは来るのか?
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シリーズ2章 第5弾

ネットで流れた薬屋の噂は、随分前にシャドーによって
きれいに消されたはずだったけど、やはり薬屋の処方する
「灰色の木を金色に戻す薬」を求める人の元には
どこからか噂が流れ込んでくるらしい。
薬屋の店内の様子がホラーチックに脚色されていようと
その場所だけは正確に伝わっているようだ。

そして、探偵:鬼鶫(きのつぐみ)の助手である佐々は
自分の探偵社で受けた依頼を、内緒で薬屋に依頼することにした。
そこに怪異が潜んでいる可能性が大きいと判断したからだ。

無事に薬屋に辿り着いたものの、その後がイカン。
勝手に中に入って、寝ている秋を凝視するなんて・・・
その後のわかり過ぎる展開と、期待を裏切らない結果に大満足。

秋の美しい顔の皮一枚下は、天に歯向かう邪鬼である。
リベザルのナイスつぶやき(○ ̄m ̄)

不法侵入状態で店長と対面してしまった佐々だが
依頼内容は秋でも眉根を寄せるほどである。
祖父から譲り受けた本の内容が書き換わる・・・
成長する書物といえばクトゥルフ神話だが依頼内容からだと
本が成長しているわけではない。ではグリモアの類で魔術系か?
どっちにしても、そういった類の書が存在することは
人外のモノにとっては迷惑な話らしい・・・

何はともあれ無事に?秋は佐々の甥ということで
鬼鶫との同行を許され、大元の依頼主のいる新潟に向かう。
推理力に関しては疑問の余地大有りな鬼鶫探偵。
そんな雰囲気探偵(by秋)に好敵手と認められ勝負を挑まれる秋。
鬼鶫と幼馴染であり同僚であり、カレに愛着を感じている佐々は
カレのフォローに忙しい。

怪異は探偵一行が新潟の古い家に到着早々に起こる。
依頼主は秋に対して警戒の姿勢を崩さない。
外から人が侵入した形跡はない。
更に続く怪現象。怯える依頼主。
聞き込みで知ることになった本を巡る本当の話。
怪異の真相とは?そして雰囲気探偵との勝負の行方は?

「負けた」
このセリフを言ったのは、果たしてどちらなのか・・・


本作は番外編ということらしいです。
そういえば高里さん、1ヶ月くらい体調崩してたんですよね
それなのにこんな楽しい作品を書いてくださったことに感謝です♪

もう、しょっぱなから楽しませていただきました。
なんせmokko的にもオイシイ材料が散りばめられておりまして
妖しい系の雑学みたいな感じでしたよ。
しかも舞台が新潟でしょ~懐かしい話と初めて聞く話が
チョロチョロ出てくるもんだから、ウキウキしちゃいました。
新潟のイタリアン・・・食べてみたいわぁ~

まさか薬屋で柳田国男の話が出てくるとは思わなかったぁ
クトゥルフやグリモアなど人外に纏わる書についても
判りやすく説明されてるから楽しい♪
迷信やら民話やら色んな国の色んな魔よけやお守り
出るわ出るわ、もう楽しすぎるо(ж>▽<)y ☆
っていうか、秋が口にした本が面白そうで読みたくなります。

デジャヴにジャメヴ、そして古書店の気配・・・
あぁ~やはり古書店にも気配っていうのがあるのねぇ~
そして何が楽しいって、薬屋の面々の細かい描写が結構あったこと。

リベザルが変化してる様は、かなりキモイ(^◇^;)
でも秋の代わりに雰囲気探偵達と一緒に行動したのは偉いぞ!
そうとう怖かっただろうに・・・
あれ?でも食べ物には釣られてたよね?(○ ̄m ̄)
そしてリベザルの言葉が切な過ぎてウルウルしちゃったよぉ~
実はmokkoも、そこんところを物凄く心配してるんだよね。

前に、リベとユノの作ったオニギリに仰天した事があったけど
秋のオニギリは別の意味で恐ろしい。
料理音痴にもほどがあるじゃろぉ~
そして秋は、成田構造研究所にチョクチョク出向いているらしい。
リベは知らないよね?
っていうか、連れて行ってやってよぉ~

座木が原形の姿で見せてくれた色んな仕草に
萌えた人はmokkoだけではないはず!
自分の尻尾を・・・したり、テーブルの上が気になって・・・みたり
大きめの耳を・・・みたり・・・萌えました(*´◇`*)
アルコールワードは相手が老女であろうと分け隔てなく炸裂します。
そして激怒して秋に窘められた裏返しのVサインの意味。
いやぁ~勉強になります。

そして今回は秋の苦手なアレを臭わせる様な雰囲気もあり
妖とは似て非なる存在で、妖より不確かでありながら
個を持っているのに意識は不安定で、個によって習性が異なる。
なるほど・・・確かに種族で分類はされないからねぇ~

雰囲気探偵と、妄想が空回りする佐々のコンビ。
そんな佐々へ、秋から愛の一言。
「慣れは麻痺、愛着は中毒だ」(○ ̄m ̄)
なるほど・・・¢(ーー;メモシトク・・・

家鳴りが人間の中で妖でなくなったのはいつの頃からだろう。
科学的根拠に基づいた自然現象。
月に兎がいないことは、ずっと昔に旧ソビエト連邦が確認した。

だからどうした!
それも事実の1つにすぎないではないか。
他の事実から目を背けてるだけではないか。勿体無い。
家守がいて悪いか!月に兎がいて悪いか!
何百年もかけて月を探査して、地図を作り続けている
ウサギ型月面探査ロボットのシーマスがいるのだ。( ̄▼ ̄)
幻想世界に愛されるって、ステキなことよぉ~(〃∇〃)

さて・・・読んだばかりでなんですが
外側から見た薬屋の短編というのを早く読みたいです(o^o^o)
そしてカバーの折り返しに書かれた言葉が
なんとも切ないのです。

いらんことを発見したらしい・・・
ちょっぴり未来のお話になってる予定で読んでいたんだけど
東京駅竣工から数えたら、本書の年代設定は2028年
ってことは物語的には過去の話になってる?
だってソラチルサクハナでは2030年の設定じゃなかった?
でも薬屋の場所は、同じだよね?
あれ?あれれ??
どこかで読み間違えたか?
年表を確認しないと( ̄▽ ̄;)ゞ