
サイズ:375P 15cm
引っ越してきたアパートで出会ったのは、
悪魔めいた印象の長身の青年。
初対面だというのに、彼はいきなり
「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。
彼の標的は―たった一冊の広辞苑!?
そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、
なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に
書店の裏口に立ってしまったのだ!
注目の気鋭が放つ清冽な傑作。
第25回吉川英治文学新人賞受賞作。
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猫→鼠→鳥→きつね→犬ときまして
テーマ読み第6弾は「アヒルと鴨」です。
二度目ましての作家さんです。
でも著者の名前を初めて知ったのは本作です。
オーデュボン以来なので、ずいぶんと間が空いてしまった。
最初がよかったので、4冊まとめて購入してまして
これは順番に読もうと思ってたんだけど
少しくらい順番無視しても大丈夫だと思って決断(^◇^;)
っていうか本当は本家「いきものがたり」で読もうと思ったんだけど
吉川英治文学新人賞っていうのに引っかかった。
文学賞っていう事はミステリではないのか?
なんてどうでもいい事に引っかかってやめたんだよね。
読み終わってから、本家でもよかったと思ったけど(^◇^;)
物語は椎名目線の「現在の物語」と、琴美目線の「2年前の物語」が
交互に描かれています。
現在ではアパートに引越しして来た大学生の椎名が
隣人である河崎に「本屋で広辞苑を盗まないか」と誘われる。
断りきれなかった椎名は本屋襲撃の手伝いをさせられてしまう。
手伝うんかい(;`O´)/
2年前の話ではペットショップに勤務する琴美と
恋人のドルジ(ブータン人)が、連続して起きている
ペット惨殺事件の犯人たちに出会ってしまい琴美が目を付けられる。
そこにショップの店長である麗子さんや河崎が絡んでくるのだが・・・
こういう書き方の場合、どこかで話が繋がるんだろうと
さすがのmokkoでも想像できるんだけど
話が進むごとに色んな事で苦しくなってくる。
ドルジと琴美のやり取りとか聞いてるとイラっとしてくる。
ドルジ!悠長に構えすぎ!日本に慣れてないとはいえ、危機感無さ過ぎ!
琴美!そこは強がるところじゃない!
強くなりたがるのが強がりだと誰かが言っていたけど
使いどころを間違えてるぞ!(by 薬屋店長)
危険を予測できるなら、助けを求めろ!
考えすぎでも忘れようとすることでもないのよ!
そういうのを臆病っていうんだろうが!
・・・と怒ってみた(-。-;)
そして2年前の事件と本屋襲撃が繋がっていく。
そして騙された!完全にやられた!
ぬおぉ~そうだったのかぁ~と驚いてみる。
こういうのを伏線というのか?
やたらと細かく撒き散らしてるのに、しっかと収束させてる。
すっかり忘れてたレッサーパンダまで回収してる。
もちろん、クロシバも忘れちゃいない。
気付いた時にスゴイなぁ~と感動すらしてしまった。
誰もが自分の人生の主役を張ってるって思ってたけど
他人の人生に巻き込まれることを「途中参加」というのも
なるほど面白い言い回しだと感激してみたり・・・
タイトルのアヒルと鴨はわかったんだけど
コインロッカーの意味がわからなかった。
でも最後にそういうことかぁ~と思ったら
なんだかジンワリしたというかウルっとした。
ドキドキハラハライライラジンワリ
気持ちが忙しくて面白かったです。
アノ人については別の作品の桜を連想したんだけど
彼は美形だから違うのかなぁ~
船に乗って島に渡っていて欲しいなぁ~
などと思ってみたり・・・
