ゴーストハント5 鮮血の迷宮/小野不由美 | mokkoの現実逃避ブログ

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ゴーストハント5 鮮血の迷宮 (幽BOOKS)/小野不由美
¥1,418 Amazon.co.jp
サイズ:416P 19cm

増改築を繰り返した結果、迷路のような構造を持つにいたった巨大な洋館。
長年放置されていたその館は、地元では幽霊屋敷として名高く、
中に入った者が行方不明になる事件が連続して起こる。
この館を調査するため、二十名もの霊能者たちが召集された。
SPRの一員として館の内部を精査していた麻衣たちは、
あちこちに不審な空洞があることに気がついた。
次々に姿を消してゆく霊能者たち。
やがて明らかにされる、館の血塗られた過去。
そして新たな行方不明者が。
ゴシック趣味溢れるシリーズ第5作。
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旧題『悪霊になりたくない!』
漫画文庫版『血ぬられた迷宮』

あぁ~とうとう手にしてしまった第5弾。
シリーズ中、一番怖い話。
なんたって浦戸ですから・・・

そして、ある意味、最強の人物が登場します。
それは森まどか。
ふんわりとした雰囲気と口調からは想像つかないが
年に何度も行き先不明の旅行に出掛け、良くて1週間から
10日は戻らないナルをたった2日で呼び戻した凄腕。

さて今回の依頼は話がマスコミに漏れたら大騒ぎ間違いなしの案件。
何と依頼主は元首相。そしてナルは大のマスコミ嫌いである。
そこで所長代理に選ばれたのが、前回の事件の依頼主であり
この春めでたく都内某一流国立大学に入学した安原もと生徒会長!
もちろんナルも調査員の1人として参加するわけだが
今回は4人の霊能者と共に長年放置されていた巨大な洋館に向かう。
到着早々驚いたのが、SPRの他に20名もの霊能者が召集されていた。

この洋館は100年近く前に先々代が建てたもので、先代の頃にも
人が消えたことがあり、幽霊の噂もあって放置していたのだが
最近になって肝試しに来ていた若者が1人行方不明になり、
あろうことか捜索に入った消防団員も1人行方不明になっていた。
依頼主も何らかの超常現象で人が消えた事を想定して
霊能者を集めたらしい。

依頼主から出された条件は、調査は泊り込みで行うこと。
そして館の外には出ないことであった。
聞き込みに重きを置くSPRにはかなり不利な出だしである。
今回のナルは物凄く慎重だった。
決して1人では行動しないこと。日が暮れたら調査は終了。
これだけはしつこいほど言われていた。

測量に取り掛かると、洋館は想像以上に複雑怪奇な構造をしていた。
廊下は意味なく曲がったり折れたり狭くなったり広くなったり
階段も好き勝手なところにある。
部屋も歪な形で窓を開けたら隣の部屋だったり壁だったり
階段に隠れて部屋のドアがあったり。
そして計測をしているうちに、不審な空洞をいくつも発見する。

他の霊能者たちも、それぞれに調査を進めているものの
どうにも胡散臭い連中が多すぎる。
そして降霊会に参加したところ、いきなりのラップ音と
自動書記により何枚も書かれた「助けて」の文字。
1枚だけ赤い線で書かれた「死にたくない」の文字。
そして次々と姿を消す霊能者。

真砂子が感じた血の臭いは何?
怯えて逃げ回っている霊とは?
住む気もないのに執拗に増改築を進めたのは何故?
麻衣が見た「自分が殺される夢」の意味は?
発見された古い紙幣に書かれたメモの意味とは?
消えた霊能者や行方不明者はどこに?


わっはっはっは・・・怖かったぞ!
さすがシリーズ一番怖いと言われている浦戸編です。
なんたってあのナルが「除霊は不可能だ」と言い切りますから!
モチロンSPRの霊能者の面々も無理だと納得します。
それくらいスゴイんです!
撤収の準備を始めてから、またひと騒動ありますがそれが怖い。
息するのも忘れますからぁ~(((p(>◇<)q)))

今回も薀蓄満載ではありますが、説明がくどくなくて簡潔。
それがゴーストハントのいいところ♪
しかも今回の薀蓄は範囲が広い。
神社に祀られてる神様や祭りのこととか、神道のことやら
中国秘術やら、金縛りや霊を呼ぶ方法まで盛りだくさん。

いつもの面々の事でも色々とわかったことがある。
麻衣の事や、リンさんは中国人で陰陽師じゃなかったりとか
ぼーさんがデイヴィス博士に傾倒しているとか・・・

そういえばリンさんの「わたしは日本人が嫌いです」から始まる
シーンでは、某国の人が前後の意味も考えずに
小野主上に対して暴言を吐きまくった事があったよね?
ブログだかサイトにアップしてたのを読んだ記憶がありますが
さすがに小野主上のファンは冷静だと思った記憶もあり。

そして、この話が怖いのに好きなのは何故か?
ワラキア地方を統治した王や、ハンガリーの伯爵夫人の話が
出てくるからなんです!
名前を出すとネタバレになるし、通称でもわかる人にはわかる。
間違いなくmirokuさんはわかる!
たぶん、もうわかってると思うけど・・・(^◇^;)
この伯爵夫人の話を小学校の時に知ってから
そのジャンル?が大好きになったくらいですから(○ ̄m ̄)

しかし、この話に限ってはコミックの方が怖いと思った。
調査に訪れた巨大な洋館は、あまりにも複雑怪奇。
その様子はやはり絵付きの方が怖さが倍増するかと・・・
たぶん、小説では会話だけで話が進むところがあって
そこで怖さが少々ダウンするんですよね。
やはり怖いとわかっているから、あえてそうしたのかな?
旧版を読んでいないのでわからないけど・・・

そういえば、コミックでは麻衣が洋館に入った時に感じた
血の臭いと、夢の1つが小説ではカットされてるよね?
あれを入れるともっと怖かったかも・・・
文字だけでも受ける印象が違うというか・・・ね
mokkoの現実逃避ブログ-0720hon

ゴーストハント (4)/いなだ 詩穂
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さて、いよいよ次は綾子の本領発揮作品ですね♪
次も怖いですよぉ~