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サイン会はいかが? 成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)/大崎 梢
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「ファンの正体を見破れる店員のいる店で、サイン会を開きたい」
若手ミステリ作家のちょっと変わった要望に
名乗りを上げた成風堂だが…。
駅ビルの六階にある書店・成風堂を舞台に、
しっかり者の書店員・杏子と、勘の鋭いアルバイト・多絵のコンビが、

書店に持ち込まれるさまざまな謎に取り組んでいく。
表題作を含む五編を収録した人気の本格書店ミステリ、
シリーズ第三弾。

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第一弾は「配達あかずきん」

面白くて続けて読んでしまいました。
だって、恵さん も面白いって言うんだものぉ~

第二弾は飛ばしましたけど(^◇^;)


駅ビルの六階にある成風堂。
しっかり者の書店員・杏子さんと、手先は不器用だけど

勘の鋭いアルバイト店員の多絵ちゃん。
日々の日常業務に追われながらも、次々と本にまつわる謎や
書店ならではの事件に巻き込まれ、立ち向かい解決する。


書店限定の名探偵は多絵ちゃん!
そして大人な対応でフォローするのが杏子さん。
このコンビがいいのよぉ~v(〃>∇<〃)v
書店の中で起こった事件は最後の1作だけなんだけど
他も、本屋さんが舞台、もしくは本屋さんを巻き込んでの事件。


「取り寄せトラップ」
4人の男性から同時期に同じ美術全集の取り寄せ注文を受けたのだが
確認の電話を入れると、4人共「注文していない」と言う。
1度は奇妙な偶然と思えても、同じ人間からの注文が2度続くとなると
嫌がらせとしか思えない。
そこへ「自分のせいかもしれない」と女性が訪れるのだが・・・


「本屋をコケにして、

お日さまがのんびり拝めると思ったら大まちがい」
悪質な悪戯だと思ってた事が、意外な方向に話しは向いて・・・


「君と語る永遠」
成風堂に、近隣の小学生が社会科見学に訪れるのだが、1人の男の子が
広辞苑を無理矢理引っ張り出そうとしたことから、杏子が軽い怪我を負う。
男の子は店を訪れては色々質問するようになったのだが
それと時を同じくして、少年の幼女連れ去り事件が連続して起こっていた。

「多絵ちゃんは本屋の味方で、本屋の敵は多絵ちゃんの敵なの」
これはねぇ~泣けるよ。
本当にねぇ~、動物とか子供を出したらずるいよぉ~
無条件で、泣くわ。゚(゚´Д`゚)゚。うぇぇん いい話だぁ~


「バイト金森くんの告白」
「成風堂で恋をしました」
新しく入った店員の歓迎会の席で、いきなり告白する金森君。
どうやら高校時代、お嬢様学校の生徒に一目惚れしたらしい。
最後に会った日、彼女は雑誌の付録をくれたのだが、
雑誌を調べてみたら「ストーカーの心理」がテーマの雑誌だった。
失恋した成風堂でバイトを始めた金森君・・・はて真相は?


「初めてなんですよ。多絵ちゃんにも解けない謎がわかったのは」
手先が不器用だけど、頭は切れる多絵ちゃんだけど
そうだったのかぁ~(^◇^;)


「サイン会はいかが?」
若手の人気ミステリー作家・影平紀真には、熱心なファンがいて
影平はぜひ会いたいと願うがファンが事前にくれたヒントが解けず、
新刊発売を記念してのサイン会を開くに当たり、
「ファンの正体を当ててくれる店員がいる店でやりたい」と言い出した。
多絵の推理力を当てにして成風堂でサイン会が開かれることとなったが・・・


「考える気にもなれない文章だわ。つまり、多絵ちゃん行きよ」
ミステリー作家の描写に一瞬萌えてしまいましたが・・・
人気作家を目の前にしても動じない多絵ちゃん、カッチョイイ!
自分が経験して初めて、相手の気持ちがわかるってことよね・・・
杏子さんのジレッタイ気持ちももの凄くわかるけど(○ ̄m ̄)


「ヤギさんの忘れもの」
常連客の老人・蔵本が、お気に入りのパートさんが辞めてしまった。
パートさんに写真を見せる約束をしていたらしいのだが
それも叶わぬままの別れになったのだが、気落ちして帰った時に
持ってきたはずの封筒に入れた写真を紛失してしまった。
白い封筒の行方は・・・


店で封筒を紛失したに違いないと、蔵本さんが見た辺りを探すも
封筒はみつからない。
けれどこれは、いかにも本屋さんらしい事件です。
結末も暖かい気持になりました。
本屋限定の名探偵・多絵ちゃん、お見事です。



読んでいて書店での日常業務の大変さがよくわかり
さすがに働くのは無理だと思うけど
こんな接客を心がけてくれている書店なら行きたくなる。
というか、良い意味での事件を期待してしまう(○ ̄m ̄)
テンポよく話しが進むので、とっても読みやすくって
楽しかったぁ~
本屋さんって、本当に色んな出来事が詰まってるのねぇ~