月魚/三浦しをん | mokkoの現実逃避ブログ

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月魚 (角川文庫)/三浦 しをん


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古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で

同じ業界に身を置く瀬名垣。

二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた―。

瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、


その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、

幼い二人は兄弟のように育ったのだ。

しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は


大きく変っていき…。

透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。

月光の中で一瞬魅せる、魚の跳躍のような

きらめきを映し出した物語。


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初めての作家さんです。

この作家さんの名前を知ったのが、実は本書。

ずーっとチェックしていたんだけど購入までには至らず、

そのうち他の作品のレビューを読むうちに

mokkoが求めていたものと違う?と思うようになり

ますます遠ざかってしまっていた。




ところが夏にきりぎりすさん
が本書のレビューをアップ!


やはりこれは読むべきだと思いましたよぉ~




背景は古書店業界。

骨董の世界みたいな感じなのか?とワクワクしたが

これがまた似ているようで違っている。

そして古書店業界にも危険はある。

万引きなどの犯罪行為によって市場に出た本を

取引する可能性が潜在する。

だから古書店はみな、警察の管理・監視下に置かれている。




ところどころで冬狐堂シリーズを連想してしまう(^◇^;)

『無窮堂』の入り口に向かうシーンは


香菜里屋みたいだし(○ ̄m ̄)




主人公は古書店『無窮堂』の若き三代目当主、真志喜と

せどり屋と呼ばれた父親を持ち、現在は店を持たない


卸をしている瀬名垣。

「せどり屋」とは、いわゆるゴミを漁り、後ろ暗い経路で

手に入れた本を売る輩のことだ。




古書界の嫌われ者だった瀬名垣の父親だったが

真志喜の祖父が、その才能を見抜き店に通わせ

そのおかげで真志喜と瀬名垣は幼い頃から兄弟のように育った。




同業者や客は真志喜の若さを侮る。

経験の浅い若造がちゃんと本を評価できるのかと不安に思う。

だから真志喜は精一杯の虚勢で和服を着るように心がけている。

あ・・・またも和服(*´▽`)萌え~




古書にも目利きは必要だ。

瀬名垣は本を嗅ぎ分ける才能と運を持っていた。

そしてその才能が事件を引き起こす。

この事件が知りたくて夢中で読んでしまったけど・・・




よかれと思った事がすべてを壊した。

こればかりはしかたのないことなのに・・・

二人は過去に縛られる。

愛情、罪、確執、葛藤、様々な思いが二人を解放しない。

いや・・・解放したくなかった。




故人の奥方から本を売りたいとの依頼を受けた瀬名垣は

本の査定をするべく、真志喜を伴いM県へと向かう。

そこで思いがけず向き合うことになった過去。




耽美テイストを仄かに漂わせているので

そういうのを全く受け付けない潔癖な人には無理かな?

でも、この作品。色んなところで月を意識します。

おりしも昨日は中秋の名月。

もの凄いタイミングで読み終わったわぁ~。




「水に沈んだ私の村」

主人公たちが高校生の時のお話。

歪んだ思いを持った先生は出てくるけど(^◇^;)

楽しそうな夏休みの1シーンは、経験してみたいなぁ~

そして先生の苗字が宇佐見だったのは偶然か?(○ ̄m ̄)




「名前のないもの」

真志喜の納得のいかない商いとは・・・

そして古書の世界から受ける逆襲とは・・・




本を愛するひとは所有欲が強いんだそうだ。

じゃあmokkoはやっぱり愛情が足りないんだろうなぁ~


手元に置いておきたくてもスペースの関係で


ブックオフに送り込んでるからなぁ~(-。-;)




色んなところで本に対する愛情を感じる1冊でした(p^_^q)



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