月魚 (角川文庫)/三浦 しをん
¥540 Amazon.co.jp
古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で
同じ業界に身を置く瀬名垣。
二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた―。
瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、
その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、
幼い二人は兄弟のように育ったのだ。
しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は
大きく変っていき…。
透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。
月光の中で一瞬魅せる、魚の跳躍のような
きらめきを映し出した物語。
--------------------------
初めての作家さんです。
この作家さんの名前を知ったのが、実は本書。
ずーっとチェックしていたんだけど購入までには至らず、
そのうち他の作品のレビューを読むうちに
mokkoが求めていたものと違う?と思うようになり
ますます遠ざかってしまっていた。
ところが夏にきりぎりすさん
が本書のレビューをアップ!
やはりこれは読むべきだと思いましたよぉ~
背景は古書店業界。
骨董の世界みたいな感じなのか?とワクワクしたが
これがまた似ているようで違っている。
そして古書店業界にも危険はある。
万引きなどの犯罪行為によって市場に出た本を
取引する可能性が潜在する。
だから古書店はみな、警察の管理・監視下に置かれている。
ところどころで冬狐堂シリーズを連想してしまう(^◇^;)
『無窮堂』の入り口に向かうシーンは
香菜里屋みたいだし(○ ̄m ̄)
主人公は古書店『無窮堂』の若き三代目当主、真志喜と
せどり屋と呼ばれた父親を持ち、現在は店を持たない
卸をしている瀬名垣。
「せどり屋」とは、いわゆるゴミを漁り、後ろ暗い経路で
手に入れた本を売る輩のことだ。
古書界の嫌われ者だった瀬名垣の父親だったが
真志喜の祖父が、その才能を見抜き店に通わせ
そのおかげで真志喜と瀬名垣は幼い頃から兄弟のように育った。
同業者や客は真志喜の若さを侮る。
経験の浅い若造がちゃんと本を評価できるのかと不安に思う。
だから真志喜は精一杯の虚勢で和服を着るように心がけている。
あ・・・またも和服(*´▽`)萌え~
古書にも目利きは必要だ。
瀬名垣は本を嗅ぎ分ける才能と運を持っていた。
そしてその才能が事件を引き起こす。
この事件が知りたくて夢中で読んでしまったけど・・・
よかれと思った事がすべてを壊した。
こればかりはしかたのないことなのに・・・
二人は過去に縛られる。
愛情、罪、確執、葛藤、様々な思いが二人を解放しない。
いや・・・解放したくなかった。
故人の奥方から本を売りたいとの依頼を受けた瀬名垣は
本の査定をするべく、真志喜を伴いM県へと向かう。
そこで思いがけず向き合うことになった過去。
耽美テイストを仄かに漂わせているので
そういうのを全く受け付けない潔癖な人には無理かな?
でも、この作品。色んなところで月を意識します。
おりしも昨日は中秋の名月。
もの凄いタイミングで読み終わったわぁ~。
「水に沈んだ私の村」
主人公たちが高校生の時のお話。
歪んだ思いを持った先生は出てくるけど(^◇^;)
楽しそうな夏休みの1シーンは、経験してみたいなぁ~
そして先生の苗字が宇佐見だったのは偶然か?(○ ̄m ̄)
「名前のないもの」
真志喜の納得のいかない商いとは・・・
そして古書の世界から受ける逆襲とは・・・
本を愛するひとは所有欲が強いんだそうだ。
じゃあmokkoはやっぱり愛情が足りないんだろうなぁ~
手元に置いておきたくてもスペースの関係で
ブックオフに送り込んでるからなぁ~(-。-;)
色んなところで本に対する愛情を感じる1冊でした(p^_^q)
![mokkoの現実逃避ブログ-bana-moon](https://stat.ameba.jp/user_images/20101027/22/mokko-mokko/70/0e/j/o0200004010825316739.jpg?caw=800)