花の下にて春死なむ (講談社文庫)/北森 鴻
¥560 Amazon.co.jp
年老いた俳人・片岡草魚が、自分の部屋でひっそりと死んだ。
その窓辺に咲いた季節はずれの桜が、さらなる事件の真相を
語る表題作をはじめ、気の利いたビアバー「香菜里屋」の
マスター・工藤が、謎と人生の悲哀を解き明かす
全六編の連作ミステリー。
第52回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門受賞作。
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これも狐闇を読むための準備です。
花の下にて春死なむ(表題作)
自由律句の同人仲間・片岡草魚が亡くなり、身元引受人も本籍地も
わからない彼を仲間内で弔う事になり、飯島七緒は火葬に立ち会った。
火葬後、骨折治療に使われるビスを見つけた七緒は
草魚が残した句帳と共に故郷へ返してあげたいと思う。
生前、故郷が山口の長府だと聞いていたものの、他の手がかりがなく
《香菜里屋》のマスター・工藤に相談すると・・・
家族写真
同居していた女に出て行かれた野田克弥。
マスターの工藤は、知人から送られた帆立で料理を出してくれたのだが
その知人の事を常連客に聞かれ、「ある家族写真の謎」と題された
新聞記事の切抜きを取り出す。
赤坂見附駅の貸出本に何枚も挟まれていた家族写真の事が書かれていた。
そこから推理が繰り広げられるのだが・・・
終の棲み家
妻木信彦は『終の棲み家』という写真で報道写真の賞を取り、
記念に銀座で個展を開いたのだが、宣伝のポスターが
全て剥がされてしまったことがわかり、騒然となる。
写真は多摩川の河川敷に小屋を作って生活している老人のものだった。
誰がやったのかわかってはいるが、話を聞いて欲しくて
マスターの工藤に話し始めるのだが・・・
殺人者の赤い手
派遣プログラマーの笹口ひずるは、京都の出張土産を渡しに
香菜里屋を訪れたところ、自分がいない間に近所で殺人事件が起き
犯人が捕まっていないことを知る。
フリーライターの飯島七緒の取材で、最近「赤い手の魔人」という
都市伝説が流行っていて、事件現場近くで不審者を目撃した小学生が
男は赤い手をしていたと主張しているという。
七皿は多すぎる
常連の東山朋生は、2週間ほど前に自分が見聞きした話を始めた。
水商売の女に入れあげている甥を説得して欲しいと、甥の父から
頼まれた中年の男が、応援するといいながら、鮪ばかりを
7皿食べて帰っていったという男の話を始める。
この謎を解いてみろという事らしいのだが・・・
魚の交わり
飯島七緒は30歳の誕生日に、出版社の男性からプロポーズを受ける。
そんな時、七緒が雑誌に掲載した草魚の評伝を見て、鎌倉に住む
佐伯克美という人物が手紙を送ってくる。
約30年前に亡くなった叔母の遺品である絵日記に、
草魚のものと思われる句が残されていたという。
佐伯の叔母と草魚との関係とは・・・?
(-公- ;)ウーン
厚い本ではないんだけど、時間が掛かってしまった。
嫌いじゃないんだけどなぁ~
ビアバー香菜里屋(かなりや)では、
4種類の度の違うビールが用意してある。
(*~○~*)アァーン ビール好きにはたまらないサービスよぉ~
しかも工藤がさりげなく出す料理が美味しそう!
あぁ~こういうお店があったら、是非行きたいところだけど
1人で店には入れないmokko(/□≦、)
そして、ビアバーを訪れる客が持ち込む身近な謎を
マスターが鋭い洞察力で解明するんだけど
何でだろう・・・登場人物の顔が見えてこない・・・
マスターの工藤の顔も、出来上がらないで終わってしまった。
真紅のエプロンってだけでmokko的にはツボなんだけど
ヨークシャーテリアの刺繍の方が際立ってしまって
肝心の工藤の顔が見えてこない。
↑こんな感じ?(^◇^;)
決して面白くない訳ではないの。楽しんだし。
ちょっとした謎が別の事件を含んでいたり
意外なところから、昔の事件の犯人がわかったり
持ち込まれた謎から、別のものが炙り出されてくるのが
すごく楽しかったのよね。
それでいて、雰囲気は落ち着いたビアバーの状態で
静かに話しが進んでいく。
雰囲気だけは、もの凄くよかったんですけど
イマイチ入り込めなかったのは何故でしょう?
まぁ~これは全4巻らしいので、全部読むことにしてるんだけどね♪
とりあえず、やっと狐闇が読めるわ(p^_^q)