夜中の2時まで本を読んでしまった。
途中で止められなかった(^◇^;)
なのに3時半に突然目が覚めてしまった(-"-;)
諦めて4時には起きたわよ(ノ_-;)ハア…
あめふらし (文春文庫)/長野 まゆみ
¥560 Amazon.co.jp
きみがそうやって生きているのは、おれがまだ
タマシイをつかまえているからなんだぜ―
ウヅマキ商會を営む橘河にタマシイを拾われた岬。
蛇を捕まえたり、昭和32年生まれの少年に傘を届けたり、
アルバイトとして様々な雑事を引き受けるが、
背後には常に怪しげな気配が…。
時空を超えて煌く8篇の和風幻想譚。
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長野作品をまとめ買いしたものの、
その内の数冊を読んだら、BL小説に変貌していた。
特に、新しい作品は、その傾向があるようで
なかなか手が出せないでいた。
ところが、きりぎりすさん のレビューで
本作は『よろづ春夏冬中(あきないちゅう)』の
「雨師(うし)」とリンクしてることを知った。
よろづ・・・は短編集であって、BLをニオワセル作品も
あるにはあったけど、不思議な話も含まれていて
中でも「雨師」はお気に入りだった。
祖父の残した古屋に住む市村兄弟。
奇妙な兄弟ではあるが、弟君の方がすっとぼけている。
梨木香歩さんの「家守綺譚」の主人公のような感じ。
不可思議な状況を「まぁ~いいか」と受け入れてしまう。
そこで雨漏り診断士と名乗る知らない男と出会うのだが
この男こそ、本作の主人公?というより黒幕。
「あめふらし」というのは、海にいる軟体動物ではなく
アメフラシをいじると雨が降るから「雨降らし」というのでもない。
者でも物でも形あるものにはタマシイが宿る。
そのタマシイを捕らえる事を生業とするモノのことである。
この男、橘河はウヅマキ商會の社長であり
表向きの仕事は何でも屋である。
番頭は、これまた不可思議な美青年の仲村君。
無意識に体を乗り換えてしまった男が仲村だったので
その日から彼は仲村君になった。
そして、住まいを探して訪れた先にいたのが橘河だった。
更に、おいしいバイトだと思って面接に行ったウヅマキ商會で
橘河と再会を果たし、タマシイを握られているから
仕事を断れない立場になった市村:弟(岬:こう)。
舞い込む仕事は実に奇妙なものばかり。
蛇を捕まえに行ったら、死んだ娘と結婚する羽目になり、
女は市村家に住み着いてしまう?
海蛇は子供を産む時だけ陸に上がるという。
あれは蛇だと言いながらも、さっさと事を成せと弟を急かす。
そんな兄もまた不可思議な人だ。
かと思えば、老婦人から小学生の息子に
傘を届けて欲しいと依頼され、40年前の世界に向かったり
市村:弟だけでなく、ベテラン仲村君も、
時として危険な目に遭う。
橘河が助けてはくれるが、厄介な同業もいるらしい。
魂を体に繋ぎとめる「魂(たま)むすび」や
魂を消す「黒珍(くろうず)」、他にも盗ったり、
吐いたり、喰ったりするモノもいる。
「雨師」の続編ではあるけれど、これから読んでも大丈夫
本編にその時の説明が入ってます。
「空蝉」「蛻(もぬけ)のから」「こうもり」「やどかり」
「うろこ」「わたつみ」「かげろう」「雨宿」
以上、8つの章に分かれている。
それぞれ別の話しのようでいて、実は繋がっていて
少しずつ色んな事がわかっていく。
これは、好きだ。もの凄く好きだ。
ファンタジーではなく、和風の幻想奇譚という表現が合う。
煌びやかな言葉と少年や鉱石を扱った初期作品も
大好きだけど、こういう話も大好きだ。
長野さんの情景描写や人物描写は、シッカリしてるのに
しつこくなくて、実にイメージしやすい。
昭和チックな描写や登場する小物達の美しさに
ワクワクしてしまう。
セリフに『』カギカッコがついていないのが面白い。
なくても全然平気でした。
誰のセリフなのかすぐわかる。
ふいに紛れ込む現実とあの世の狭間のような世界。
この作品にはやたらと蛇をにおわせるモノが出てくる。
それと同時に水も多くでてくる。
作品全体が、水を含んでるような感じなのだ。
やはり二つの世を分けるのは水なんだと
思わずにはいられない。
奇妙な世界に大満足でした(p^_^q)
っていうか、ウヅマキ商會で雇ってくれないかなぁ~
mokkoって打って付けのキャラだと思うんだよね
不可思議なものも丸ごと受け止められるし・・・
再就職は、そっち方面がいいなぁ~(-。-;)
家守綺譚 (新潮文庫)/梨木 香歩
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よろづ春夏冬(あきない)中 (文春文庫)/長野 まゆみ
