- 作家小説 (幻冬舎文庫)/有栖川 有栖
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ミステリよりミステリアスな
作家という職業の「謎」に
本格ミステリ作家・有栖川有栖が挑戦。
怯える作家、悩む作家、壊れていく作家…・。
ミステリでコメディでホラーな、作家だらけの
8つの短編小説。
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ヾ(@^▽^@)ノわはは
これは何だ?
有栖川氏って、本格ミステリ作家じゃないのか?
これは・・・何だろう・・・
料理でいうなら郷土料理の「じゃっぱ汁」だ。
色んなジャンルのごった煮って感じよ。
あとがきで、作者自身が言っている。
ミステリーでもホラーでも冒険小説でもSFでもないと。
あえて言うと、ミステリっぽくて、ホラーっぽくて
SFチックで、幻想的なのや、漫才っぽいのもあるし
ともかく、色々なのよ(^◇^;)
タイトル通り、全て作家を主人公にした小説です。
1. 書く機械(ライティング・マシン)
良くもなく悪くもないデビュー2年目の作家を
ベテラン編集者の協力でベストセラー作家に作りあげる?
良い編集者が付くと作家はベストセラーを書ける。
途中まではそう思ってたんだけどね。
でも、こんなのいやよぉ~(^◇^;)
2. 殺しにくるもの
某作家ファンの女子高生のファンレター
その女子高生の短い日記
日本中のいたるところで起こる連続殺人事件。
そして・・・
細切れに色んなシーンが書かれていて
1つ1つは単なるシーンでしかないのに
それが繋がっていくところが怖い。
ホラーテイストバッチリですよぉ~
ウアッ!て感じ。
3. 締切二日前
正に締切二日前なのに案が浮かばずに
猛烈に焦る作家のドタバタなお話。
これは読んでいて苦しかったぁ~
ホラーっぽいニオイを漂わせてるんだけど
最後の3行でやられました。
4. 奇骨先生
敬愛する作家先生へのインタビューを快諾され
奇骨先生のお宅を訪問する二人の高校生。
インタビューの予定が思わぬ方向に話しが・・・?
出版界の裏側もわかるお話でしたが
青春小説って感じで読後感は爽やかです♪
5. サイン会の憂鬱
売れない作家が初めてのサイン会を
出身地の書店で開催する事になった。
気乗りしないままにサイン会はスタートするが
どんどん奇妙な事が起こり始め・・・
最後の方がホラーチックでしギョっとしました。
最後に、そうきたか!って感じ( ´艸`)
6. 作家漫才
芥川正助と直木正太の二人は作家であり
小説だけでは食っていけないので時に舞台に立つ。
全て会話だけっていう話は始めてでした。
「人のスランプは蜜の味」ってのが笑えました( ´艸`)
7. 書かないでくれます?
発売した作品が好評なのに、何故か浮かない表情の作家。
友人作家が行方不明になったのは自分のせいだという。
友人作家から仕入れたネタとは・・・
これはホラーでしょ~
入り方からして、誘導がうまいですよぉ~
雪女の話と、その理不尽さの再確認?
まるで都市伝説みたいな話です。
8. 夢物語
昏睡状態に陥った作家が見ている夢の中の世界。
物語を語ることで有名になるのだが・・・
とても幻想的なお話しなんだけど、
そこには苦悩が詰まっております。
結末のなんという皮肉なこと・・・
ある意味怖いんだけど、後を引く作品です。
掉尾の「夢物語」は最後に読んで欲しいと、
あとがきにありました、
mokkoは順番通りに読んだからよかったけど
これから読む人は、仰せの通りにした方がいいでしょう。
たぶん、余韻を引くお話しだからかと・・・
著者は2通りの解釈が出来ると書かれてます。
まぁ~色んな意味でオイシイ作品集です。
やってくれますねぇ~有栖川先生~
楽しませていただきました♪ d(⌒o⌒)b♪
「殺しにくるもの」「書かないでくれます?」と
「夢物語」が好きです。