- 暗い宿 (角川文庫)/有栖川 有栖
¥580 Amazon.co.jp
様々な“宿”で起こる難事件に火村&有栖川コンビが挑む。
傑作ミステリ作品集。
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火村視点の作品があるってことで、チョイスしてみました。
「宿シリーズ」と呼ばれてるそうで、短編集です。
宿がテーマとなると過剰に反応してしまいます。
元ホテルマンmokkoが宿のチェックのついでに
ご案内もさせて頂きましょう。
ご宿泊先は4タイプご用意しております。
ご予約は承りますが、ご予約無しでもご宿泊いただけます。
チェックイン時間の決まりはございません。
早朝深夜、お時間に縛られることなくお越しください。
料金はルームチャージで580円~1,575円
無料コースがご希望の方は図書館の方にお立ち寄りください。
お泊り頂く前に、他の方が作成したパンフレット等を
ご参照いただくことをお勧め致します。
私は独断と偏見に満ちた単なる案内人でございます。
『暗い宿』
こちらのタイプは廃業した民宿でございます。
次の日には取り壊される予定でございます。
食事無し風呂無しテレビも無しですが、
ろくでもない布団はございます。
鉄道廃線跡を辿る為に奈良に出かけたアリスは体調を崩し
山深い土地でたまたま発見した以呂波(いろは)旅館で
たまたま掃除に来ていた元女将に無理矢理頼み込んで
泊めてもらったのだが、薬が効いて寝入ったところ、
奇妙な体験をする。
その後、自宅に戻ったアリスは新聞の見出しから
自分が事件に巻き込まれたことを知る。
自ら警察と臨床犯罪学者で友人の火村に電話を入れ
再び奈良の既に取り壊された宿へと向かう。
『ホテル・ラフレシア』
こちらは南の島のリゾートホテルでございます。
ハイビスカスに彩られたロビー。
人魚姫のようにさざめく女たち。
抜けるように青い空と青い海。
そして流れる音楽は「ホテル・カリフォルニア」
推理イベントをご用意しておりますのでお楽しみください。
ミステリー劇を観て、自らが探偵となり
真相を推理するイベントのモニターとして
南の島のリゾートホテルに招待されたアリスと火村。
バカンス気分で、のんびり過ごしていた二人は
訳ありげな夫婦に出会って・・・
これのラストはいただけない・・・なんとも虚しい。
この作品は「ホテル・カリフォルニア」の
歌詞に触発されたらしく、いたるところで曲が流れる。
読み終わってから、歌詞を調べましたよ。
正に「美しくも薄気味が悪い」って言葉がぴったりです。
アリスが入ったバーには、是非行ってみたい。
『異形の客』
こちらは純和風の温泉旅館になります。
季節は冬に設定させて頂いております。
骨休めに温泉旅館を訪れたアリスは、
透明人間のような異形の客に出会う。
帽子とサングラスとマスクに黒い皮手袋。
更に顔全体を包帯で覆っている。
おりしもシャングリラ十字軍というテロ組織もどきの
指名手配犯が逃走中とのこと。
そして透明人間もどきが宿泊した離れで
死体が発見される。
しかし、それは透明人間もどきではないという。
到着した警察と、一足遅れて登場した火村。
すぐに帰りたいと詰め寄る女性客。
殺人現場では、諮問が拭き取られていただけでなく
髪の毛1本さえ残されていなかった。
犯人は透明人間もどきなのか?
これは一番ミステリーミステリーしてました。
そういうトリックでしたかぁ~って感じ♪
『201号室の災厄』
こちらは都心の瀟洒な名門ホテルでございます。
早稲田大学で行われた犯罪社会学会を終えた火村助教授。
東京で予定のあるアリスが合流して一杯やる。
宿はお互い別、アリスは西新宿のシティーホテル。
火村は赤坂の名門ホテル。
この作品では火村が主役である。
そして火村は宿泊したホテルで殺人事件に巻き込まれる。
殺人現場の部屋から逃れる為、更に自らを守る為に
火村は一刻も早く謎を解かなければいけない。
ヒムラーのピンチ!!こういう設定も面白い。
火村センセがボクシング経験者とは知らなかった。
しかし・・・幽霊だのカルトめいた話しが嫌いらしい。
どうやら火村センセとはお友達になれそうにないわ(-。-;)
そしてアリス!ホテルのバスローブを
盗めだなんて火村に頼むんじゃありません!
欲しいなら買いなさい!
まぁ~火村に怒られてボールペンにしたのは許そう。
今度は赤坂プリンスを目印にしたホテルじゃなくて
赤坂プリンスで事件に巻き込まれてください( ´艸`)
元ホテルマンmokkoのご案内はいかがでしたでしょうか?
mokkoは案内しながらも楽しんでしまいました♪
ご案内に不慣れな点につきましては
あたたかぁ~い目で見てやってくださるとありがたい。
なんせ推理モノは初心者な上に苦手だってことを
後で気付きました(^◇^;)
mokkoは時に自信を持って嘘をつきます。<(_ _)>
それではお目にかかれる日をお待ち申し上げております。
チェックアウトにつきましては
単行本あとがきの方で著者:有栖川氏が承ります。
余談ですが・・・
アリス&火村コンビの話を最初に読んだのは
2冊のミステリーアンソロジーの短編だった。
その2作品はモロッコ水晶の謎(中編集)と
絶叫城殺人事件(短編集)にそれぞれ収録されています。
絶叫城殺人事件は、本格ミステリベスト10(2002年版)の
第8位にランクインしてまして、宿シリーズの続編?らしい。
既に注文かけてますけど( ´艸`)
それ以外に読んだ本は、どれも賞を取っていない。
これから読む予定の本も賞とは無関係。
さてMirokuさんにはどれを勧めよう・・・
まだ作品としては4冊しか読んでないので何とも言えない。
短編でお手並み拝見といくなら、本作でも十分楽しめます。
長篇がいいのなら、どうしよう・・・
楽に読むならシリーズ最初の『46番目の密室』かなぁ~
もう少し待てるなら、続けて有栖川作品を読むので
しばしお待ちを・・・