- 魔界都市ブルース〈1 妖花の章〉 (ノン・ポシェット―マン・サーチャー・シリーズ)/菊地 秀行
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怨嗟の渦巻く魔界都市。
〈魔震〉に襲われて以来、妖獣や異能の犯罪者たちが巣喰う
街と化した新宿で、せんべい店を営む美青年秋せつらは、
超一流の人捜し屋でもあった。
犯され実験動物として売られた女、
麻薬中毒にされた美人歌手―。
魔界に迷い込んだ女たちの行方を追うせつらの指が
優雅に舞うとき、彼もまた、“非情の魔人”と化す。
人気シリーズの文庫化第一弾。
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魔界都市〈新宿〉に続いて読みました。
マンサーチャーシリーズ第一弾だそうです。
キャラ萌えですもの「秋せつら」を
妄想したかったからです。
今回は文庫なので、イラストは無し。
楽しみを奪われる事はなかった。
本文2ページ目で秋せつら登場。
彼がいかに恐るべき美貌の持ち主であるかを
切々と訴えながら3ページ目に突入。
そして・・・
ブルーのタートルネックセーターに・・・
タートルネックセーター・・・
秋せつら・・・お前もか・・・( ̄□ ̄|||)
何故にとっくりなのよ!!
これが書かれた頃って、とっくりが流行ってたのか?
il||li _| ̄|○ il||li
舞台は前作と同じ魔界都市新宿
犯罪者や暴力団だけでなく妖獣やらバイオテクノロジーが
生み出した怪物に、サイボーグ化された人までいる。
いわゆる犯罪やら科学やらを制御なく暴走させた結果である。
もう何でも有り!思いついたもん勝ちって奴。
魔界にするなら新宿ほど適した場所はないと思う。
だからその荒れた感じはわかる。
せつらの元に依頼される女達がいかに悲惨かもわかる。
よくもまぁ~こんな残忍な事を思いつくなぁ~と
感心すらしてしまう。
しかしだ!好きな人には本当に申し訳ない。
あくまでもmokkoの勝手な感想なので突っ込まないでね。
このシリーズのファンが多いのは知ってるから
怖いのよ(^◇^;)
肝心の秋せつらの顔が見えてこない。
恐ろしいほどの美貌で、男ですらポーっとなる。
でも、どんだけ描写されても顔が見えてこない。
「僕」が「私」に変わって魔性が現れるところも
ちっとも感動しない。ゾクっとしない。
キャラを描ききれてないから顔が見えない。
っていうか主人公なのに薄い!
短編集だから?
何やら妖しい糸を使って敵をやっつける。
この糸も目に見えず、強靭で金属もコンクリもバッサリ。
しかも手をほとんど動かさずに糸を操る上に実に都合よく動く。
だから強い。やたらめったら強い。
前作の主人公同様、絶対に負けない。
まるで水戸黄門である。
最後の高笑いが微笑に変わっただけ。
やはりmokkoにバトルモノは無理です。
しかもエロイし・・・
そして、前作同様に文章の書き方が好みじゃない。
語りがどうしても邪魔をする。
顔を隠した人形浄瑠璃を見てる感じよ!
これ・・・高校生あたりに読んでいたら嵌まったかも?
いや・・・とっくりの時点でダメか・・・
同じ「秋」繋がりで言うなら・・・
二面性で言えば薬屋探偵の「深山木 秋」の方が好きだ。
怒りが頂点に達した時に魔性が顔を出す秋せつらとは逆に
人間のバスケ仲間と遊ぶ時だけは無邪気で可愛い
猫を億単位で被ってるキャラに変貌する方が驚愕する。
整いすぎた顔の皮肉屋が、天使のごとく小首をかしげる方が
よほどゾっとする。
そうじゃなければ、座木かしら?
見かけはあくまでも普通の青年風で、優しい微笑みと
悶絶しそうな口説き文句も厭味なくサラリと口にして
料理は天才的で礼儀を重んじ、気配りと敬語は当たり前。
そんな彼も、秋が傷付けられようものなら我を忘れて
歪んだ顔で怒りを体中から沸きあがらせる。
やはり二面性でゾっとさせるにはギャップが必要。
残念ながら、この著者の文章はmokkoには合わない。
キャラを描ききれていない時点で感情移入できないし
「刹那」の乱発は既に刹那じゃない。
これでお別れいたします<(_ _)>