狐笛のかなた/上橋菜穂子 | mokkoの現実逃避ブログ

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狐笛のかなた (新潮文庫)/上橋 菜穂子
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小夜は12歳。
人の心が聞こえる“聞き耳”の力を亡き母から受け継いだ。
ある日の夕暮れ、犬に追われる子狐を助けたが、
狐はこの世と神の世の“あわい”に棲む霊狐・野火だった。


隣り合う二つの国の争いに巻き込まれ、
呪いを避けて森陰屋敷に閉じ込められている少年
小春丸をめぐり、小夜と野火の、孤独でけなげな
愛が燃え上がる…
愛のために身を捨てたとき、もう恐ろしいものは何もない。
野間児童文芸賞受賞作。

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初めての作家さんです。
「精霊の守り人」をやたらと目にするようになり
調べてみたら、本作の方が先に文庫になっていた。
守り人はシリーズみたいだったので、
もしかしたら、序章になるのか?という得意の思い込みで
一緒に購入したんだけど、全くの別物でした。


購入しても、すぐに読むわけでもなく
本棚の中で熟成させていたんだけど
ちょうど妖怪アパートの後に何を読もうかと思っていたら
ブロ友のmieさん が、ものすごいタイミングで
「妖精の守り人」のレビューをアップしてくれた。


これは、読む時が来たのだと悟った(大げさ!)


これは児童書となってはいるけれど
大人が読んでも大丈夫かと・・・


通常、小説を読む時は、登場人物を自分の中で
少しずつ作り上げていくという楽しい作業がある。
しかし本書は、ページを捲って読み始めた途端に
既にその世界に入り込んでしまえる。


「りょうりょうと風が吹き渡る夕暮れの野を、
まるで火が走るように、赤い毛なみを光らせて
一匹の子狐が駆けていた。」



怪我を負い標的の返り血を浴び、犬に追われていた子狐は
“聞き耳”の力を受け継いだ小夜の懐に潜り込み
森陰の屋敷に幽閉されている少年・小春丸に救われる。
3本の縁の糸が紡がれ動き出す。


隣り合う「春名ノ国」と「湯来ノ国」は
水源である若桜野をめぐり、因縁と呪いに満ちていた。


湯来ノ国の呪者に命を握られ「使い魔」にされた霊狐・野火
「聞き耳」の才を受け継いだ春名ノ国の小夜


どうしよう・・・
下手に書くとネタバレになる・・・


権力争い、呪者と守護者
小夜の封印された記憶、小春丸の秘密
小夜を慕い守ろうとする野火。


それぞれの想いが切なくて苦しくて
そしてまっすぐで熱い。
命をかけた決断。
愛しいモノの為に命をかける姿が美しい。
読後感は、春の暖かな陽だまりの匂いがします。


難しい呪文とかは出てこないので安心して読めますよ。
ファンタジー好きにはお勧めです!
切なさに身悶えしてくだされ!


mokkoは文庫で読んだけど

単行本のカバーイラストが好きかも。


狐笛のかなた/上橋 菜穂子
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どちらも物語をうまく描けてます♪


更に、mokkoの中では
霊狐=妖狐=安倍 晴明というイメージでしたが
最近は、妖狐=薬屋探偵の野狐(やこ)の柚之助(ユノ)
というイメージになってました。

緑陰の雨 灼けた月―薬屋探偵妖綺談 (講談社ノベルス)/高里 椎奈
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でも『狐笛のかなた』を読んで
霊狐と妖狐と野狐は別ものになりました(^◇^;)


今月は、初めまして月間になったようだ。
ほとんど当りだったし(p^_^q)
さて、次は何を読もうかなぁ~♪