古書店アゼリアの死体/若竹七海 | mokkoの現実逃避ブログ

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古書店アゼリアの死体 (光文社文庫)/若竹 七海
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勤め先は倒産、泊まったホテルは火事、
怪しげな新興宗教には追いかけられ…。
不幸のどん底にいた相沢真琴は、葉崎市の海岸で
溺死体に出合ってしまう。


運良く古書店アゼリアの店番にありついた真琴だが、
そこにも新たな死体が!
事件の陰には、葉崎市の名門・前田家にまつわる
秘密があった…。
笑いと驚きいっぱいのコージー・ミステリの大傑作。

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この著者もアンソロジーで発見した作家さんです。
すごく気に入ったものの、作品を検索してみたら
ミステリーを主に書いているらしく
基本ファンタジー好きとしては
ミステリー=推理=苦手だったわけで購入はしなかった。


だけど何だかんだ言いながら、ミステリー読んでるよな?と
考え直し、もう一度検索してみたら
飛び込んできたのがコージー・ミステリ
ミステリもよくわかってないのに、コージーとはなんぞや?
とりあえず1冊購入してみた。


で、大正解よ!


たて続けに悲惨な目にあった相沢真琴は、
長年の夢「海に向かってバカヤローと叫ぶ為」に
葉崎市の海岸に行き着いた。

さすがに海だけは、叫んだくらいで仕返しはしないだろう・・・
しかし、叫んだ直後に波に押し出されてきたのは
死体だった・・・


とことん災難続きの真琴と、疑いの目を向ける若手刑事

警察の事情聴取に腹を立てながらも、ホテルに足止めされ
フロントから紹介された古書店「アゼリア」を覗くと
70代の店主:前田紅子からマニアックなロマンス小説の
クイズを出された。


雑誌の編集で、ロマンス小説の企画をしたこともあり
真琴は店主のテスト?に合格してしまった。
紅子の留守中(入院中)、店を預かることになったのだ。


一方、真琴が発見した死体が葉崎市の名門・前田家の
家出して消息不明になっている息子らしいことがわかり
遺体確認の為に呼ばれた叔母でFM葉崎の社長の前田満知子は
ほとんど顔を合わせた事もないのに、間違いなく甥だという。


そして、確認に一番適している紅子は入院中で
心臓にさわるから、教えないようにと釘を刺す。


FM葉崎のDJ兼制作の千秋と偶然出会った真琴は、
お家騒動絡み?の事件に巻き込まれる。


遺体は本当に消息不明の息子なのか?死因は?

紅子は遺体の確認ができるのか?

すったもんだの挙句に、更に新たな死体が・・・


いやぁ~楽しかったぁ~
何が好きって、紅子さんが好き。
森博嗣のVシリーズに出てくる瀬在丸紅子を思い出したわ(^◇^;)
紅子って名前は似た様なイメージなのかしら?


軽快な会話も楽しいけど、ハラハラドキドキさせられるし
事件は一応解決するんだけど、そういうことかぁ~と
安堵したと思ったら、最後にどんでん返しが待っていて
そうだったのかぁ~と思ったら、更にもう1回転させられる。
そのどんでん返しがゾッとするのよ。


ロマンス小説好きには、色んな作品の紹介が
文中に出てくるから、楽しいと思います。
ロマンス小説好きの紅子さんにしてみれば
ヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」も

ロマンスなんだそうだ。


これについては、Mirokuさんのレビューを読んでるので
あえて読もうとは思わなかったけど・・・(^◇^;)


紅子さんの一番愛した本が「血の色のアゼリア」
読んでみたいと思ったけど、これは架空の小説だそうです。


紅子さん曰く「あるわけないだろ、こんなゴシックロマン。
作者がでっちあげたのさ」とのこと・・・


最後に、文中に出てきたロマンス小説の解説を
紅子さんがしてくれてます。
mokkoみたいな物好きな読者が「血の色のアゼリア」を
探し回ったりすると気の毒だからだそうです(○ ̄m ̄)


コージーミステリを検索したところ(ウィキ)
女性を読者対象としたコメディタッチの推理小説らしい。
こういうの、好きかもぉ~
本作は本当に面白かったので、別の作品も読んでみよう♪