- 忘れ雪 (角川文庫)/新堂 冬樹
¥780 Amazon.co.jp
瀕死の子犬を偶然拾った深雪は、
“忘れ雪に願いをかければ必ず叶う”という
祖母の教えを信じて、子犬の回復を願った。
そこへ獣医を目指す桜木が通りかかり子犬を治してしまった。
忘れ雪の力は本当だったのだ!
不思議な力に導かれて出会ったふたりは、次第に惹かれあってゆく。
やがて別れの時を迎えた深雪と桜木は、
“7年後の同じ時間、同じ場所”での再会を約束するが…。
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仕事には恵まれないmokkoだが
どういう訳か今年に入って手に取った本は全部アタリだった。
今回の本も、続きが気になり一気に読んじゃいました。
初めての作家さんです。
しかし・・・mokkoとしたことが・・・選択ミス・・・
タイトルとカバーイラストとアラスジから
てっきりファンタジーだと思っておりました。
しか~し!これは超純愛小説じゃないのぉ~(゚O゚;
純愛小説って、記憶する限り読んだ事がない・・・はず!
迂闊にも3回ほど泣いてしまった・・・
事故で両親を亡くした深雪は、叔父夫婦に引き取られた。
しかし、叔父の会社が倒産し、深雪は京都にいる
叔父の弟夫婦の元に引き取られる事になった。
ガラスの心を持つ少女は、明るく活発な少女の仮面を被る事で
なんとか自分を保っていた。
京都への引越しが1ヶ月と迫ったある日、
深雪は唯一息を抜ける近所の公園で傷ついた子犬を拾った。
舞い降りてきた春の雪に祖母の話を思い出し、
深雪は忘れ雪に子犬を助けてと願いを込めた。
そこに動物病院の息子の桜木が通りかかり子犬を助けてくれる。
それから1ヶ月間。深雪は、同じ時刻に公園に通い、
学校帰りの桜木と束の間の時間を過ごすのが日課となった。
そして別れの前日に死ぬほどの勇気を振り絞り
快活な少女の仮面で7年後の同じ時間に再会する約束を取り付ける。
そして8年後・・・
桜木は病院の後を継ぎ、若い院長として動物病院を任されていた。
桜木の下で看護士として働きながらも桜木に想いを寄せる静香。
静香を想う桜木の弟の満。
そんなある日。深雪と桜木を再会させたのは、
桜木に助けられたゴールデンレトリバーのクロスだった。
すぐに気付く深雪と気付かないながらも深雪に惹かれる桜木。
しかし深雪には婚約者が・・・
そして、3度目の約束の日の約束の時間・・・
緊急オペ・・・無駄に長い手術の説明。
それでも時計を気にする桜木と先を知りたい読者のジレンマが
ここで合致するわけですよ。
ここで切ないジレンマからサスペンスへと様相が変わります。
遅れて公園に到着した桜木を待っていたのは殺人事件と深雪の失踪。
女の執念。桜木の想い。親友の鳴海。
脅迫電話と深雪からの手紙。
人を信じて疑わなかった桜木の胸のうちに広がる疑念。
スッタモンダの果ては・・・
やっぱり泣いてしまいました。
切な過ぎる!儚過ぎる!
やっぱりmokkoに純愛小説は合わない・・・
感情移入し過ぎたので、これはイヤだ・・・
こんな苦しいのはイヤです。
でも不器用な桜木と親友の鳴海はすごくいい!
男っていいなぁ~って思うのは、こういう関係が
築けるってことなんだよね・・・
でもここまで純な男性は残念ながらいないでしょう。
そして深雪・・・感情移入バリバリでした。
やることなすこと全て理解できてしまう自分が悲しい・・・
純愛に涙したい人、すれ違う二人に身悶えしたい人は読んでみてください。
ただ純愛モノに関してのmokkoの感想は当てになりません(^◇^;)
オマケ・・・
文中に出てきた心理テストです。
どういう優しさを持っているかのテストです。
恋人が魔女に魔法をかけられて蛇になってしまいました。
あなたならどうする?
1・気づかないふりをする。
2・なんとか魔法を解こうと努力する。
3・自分も蛇になる。
ちなみに、桜木は2。鳴海は3。深雪は1でした。
mokkoは2です(^◇^;)
答えは反転させて読んでね♪
1を選んだ人の優しさは・・・
相手を傷つけないようにという弱者の優しさ。
2を選んだ人の優しさは・・・
決して諦めず、醜い姿に変わり果てた恋人から目を逸らさず、
真正面から全力で魔法を解こうとする強者の優しさ。
3を選んだ人の優しさは・・・
蛇になった人とともに堕ちて行こうとする破滅的な優しさ