薬指の標本/小川洋子 | mokkoの現実逃避ブログ

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お堅い生徒会長に、ちょうど紹介したい本があった。

 

薬指の標本 (新潮文庫)/小川 洋子
¥380 Amazon.co.jp

 

 

楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡…。
人々が思い出の品々を持ち込む「標本室」で働いているわたしは、
ある日標本技術士に素敵な靴をプレゼントされた。
「毎日その靴をはいてほしい。とにかくずっとだ。いいね」
靴はあまりにも足にぴったりで、そしてわたしは…。

 

 

 

これは完全に魅了されました。
サイダー工場で薬指の先を落としてしまった主人公が
新しく見つけた仕事は、日々持ち込まれる思い出の品を
標本として保管する標本室での事務仕事。

 

 

 

標本室の中でオーナー兼標本技師との間に密やかに流れる時間。
日々持ち込まれる「消せないけれど無くしたい自分の証」
体の一部であるかのような新しい靴。
決して入る事を許されない標本技術室。
恋と嫉妬と執着を他人事のように語る「わたし」

 

 

技師から与えられる心地よい拘束と束縛。
技師の手で封じ込められたいと願う気持。
危ないものに触りたくなる心理を見事に突かれた感じです。
完全に心乱されました。

 

 

 

古い靴を脱がせ、新しい靴を履かせる。
その優しいけれど有無を言わせない拘束と束縛が
妙に気に入ってしまいました(^◇^;)
Mではないはずなんだけど・・・やられました。

 

 

 

ナルシストでコレクターな技師にやられるなんて・・・
白衣にやられたのかもしれない・・・( ´艸`)

 

 

そしてサイダーの中に落ちていく薬指の先の描写が
なんとも美しいのですよ。
真っ先に連想したのが、自分の指・・・
mokkoも小指の先を落としそうになった事がある。

 

 

学校で友達とふざけて鎌で縄を切ろうとした結果
鎌は小指の先を斜めに切断しようとした。
ラッキーな事に骨で止まってくれたから無事だった。

 


何故か驚きはしたけれど冷静に自分の指を観察してた。
時間がスローモーションのように流れて
真っ白な脂肪?と骨?をジックリ観察できた。
その直後に白かった部分から血があふれ出し、
小指を伝って手の平に溜まり、地面に滴り落ちた。

 

即、病院送りになって、縫ってもらったんだけど
傷が塞がったと思ったとき、小指の爪の横の肉が
ボロっと削げ落ちた。
だから小指の先は、削げ落ちた肉の分細くなっている。
切った痕もシッカリ残っている。
そして寒くなると、ジンジンと傷んだりする。

 

 

幻想的な表現ができなくてすみません<(_ _)>

 


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もう1作品、「六角形の小部屋」も入ってますが

 

表題作のインパクトが強すぎて、ちょっと霞んでしまいます。

なかなかこれも幻想的なんですけどね・・・

 

そういえば、この「薬指の標本」

 

映画化されてたんですよね・・・しかもフランス映画

いかにもって感じ。

薬指の標本 SPECIAL EDITION

¥3,591
 

 

これは是非観たいですねぇ~
DVDデッキかったら、絶対に観るぞ!