すっかりご無沙汰してしまいましたが、タイトルにも書いた通り無事移植手術が終了しました。
本日で移植後8日目になりますが、クレアチニンの数値も今のところ0.75とすこぶる良好で、拒絶の様子もなく、担当医もビックリするくらい順調に回復しております。
この通り順調なのでさして書く事もないのですが、
備忘録として入院の事から今日までのことを書いておこうと思います。
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【2013年5月7日(入院初日)】
レシピエントは手術の1週間前に入院。
病気柄かどの病室もご高齢の方ばかり。
この日は採血とCTをおこないました。
尿量を記録するために尿を紙コップに出してから蓄尿機にためるよう指示されます。
初日から免疫抑制剤の投薬がはじまります。
免疫抑制剤は朝と晩、毎朝採血をして血中濃度を見ながら調整されます。
【2013年5月8日(入院2日目)】
朝おきたら突然iPhoneが壊れて使えなくなるという事案が発生。
入院中だし免許証なども家族に預けていたので途方に暮れる...。
とりあえず家族には公衆電話から知らせて、この日面会に来ると言っていた彼氏を待つ。
この日から手術前の血の状態を良くするために人工透析を導入。
初めて透析をすると気持ち悪くなる・頭が痛くなるなどの症状が出るそうですが、
私はなんの症状も出ず、刺さってる針がちょっと太くて痛かったなくらいでした。
透析中に彼氏が来たので、とりあえずiPhoneと入院中のため本人が行けない旨を書いた紙を持たせてダメもとで近くの家電量販店に行ってもらいました。
すると、なんということでしょう!店員さんが事情を汲んでくれて新しいiPhoneに無料交換してくれたそうです。ありがたや...。
ただしデータ等はまっさらなので、夜に面会に来た父に預けて自宅のパソコンのバックアップから復元を頼みました。
久しぶりに携帯電話のない生活をしましたが、なんとも不便でした。
【2013年5月9日(入院3日目)】
ドナーの母親が入院してきました。
夜に父も交えて手術の説明を受けました。
説明は1時間程度で、ドクターがイラストを交えながらよく説明してくれたので特に疑問もなく、正直説明を受けても結局やってもらうしかないし、拒絶やら不良やら出ても対処してもらうしかないしなー程度の気持ちでした。
こうゆうとき繊細な人は不安やストレスを感じるのかもしれませんが、私は楽観的なのでよかったです。
【2013年5月10日(入院4日目)】
この日はまた透析です。
わたしは手術の前に合計3回透析を行いました。
頭痛や吐き気なども出ず、4時間を寝たりテレビ見て過ごしたりしました。
もう1週間以上前ですが、未だに針を刺したところの内出血が残ってます。
【2013年5月11日(入院5日目)】
お友達が突然お見舞いに来てくれました。
何もやることがなく退屈してたので、久しぶりに沢山話せて楽しかったです。
【2013年5月12日(入院6日目)】
特にやる事も検査もなく、ぼーっと過ごしました。
【2013年5月13日(入院7日目)】
手術後は3日間ほどICUに入るため、病室の荷物をICUのロッカーに全て移します。
部屋には翌朝まで使う必要最低限の物だけ残して全部ロッカーに入れました。
そしてこの日は手術前最後の透析です。
21時から禁食だったのに透析が終わったのが20時20分過ぎだったので慌てて晩ご飯をかき込みました。手術の前日なのに、晩ご飯はカレー!カレーは大好きだけど、胃がもたれてあまりよく眠れませんでした。
食後はいつもの免疫抑制剤に加えて錠剤の下剤を飲みました。
水は0時から摂取しないように指示されました。
【2013年5月14日(入院8日目)】
手術当日です。
ドナーである母の手術の方が少し早くはじまります。
レシピエントは朝にナースに座薬を突っ込まれ腸の中を空っぽにさせられます。
その後シャワーを浴びて、病室で手術着に着替え、ドナドナされる時刻を待ちます。
時間になると自分で歩いて手術室まで行くので、携帯などを家族に預けていざ出陣。
手術室の入り口で名前と手術部位を聞かれてから手術室へ。
手術室にはよくわからないけどいっぱい人がいました。
台に横になって血圧をはかるやつや心電図などを装着し、
いわゆる”ドラマでみたようなマスク”から麻酔を吸引したらもう意識はありません。
目覚めたときにはICUにいて、家族の顔を見ましたがまたすぐ眠ってしまいました。
夜中に起きて痰を吐きたいのにティッシュが手元になく、ナースコールもなく、人も来ず、このまま痰を吐けずに死ぬのではと思ったくらい不安になりました。
蚊の鳴くような声でしばらく「すみませーん すみませーん」と呼び続けたらやっと気づいてもらえたときの安心感ったらなかったです。
【2013年5月15日(入院9日目)】
ICU2日目。
正直なところ、ICUにいる間はご飯の時以外は寝ていたのであまり記憶がありません。
しかも身動き取れないのにご飯なんか食べてうんこでも出ようものならベッドの上で排泄...と思うと食も進みませんでした。
右足を動かしてはいけないのでほとんどの時間を仰向けで寝ていたため、
手術の傷よりもとにかく堪え難かったのは腰痛でした。
仰向けが辛くなるとナースに頼んで体勢を左腕を下にしてちょっと傾けてもらうということをしてもらってましたが、これが後の悲劇に繋がるとは...。
【2013年5月16日(入院10日目)】
ICU3日目。
この日はICUからHCUへベッドごと移動です。
3日目になると痛み止めの点滴が終わるので、途端に眠れなくなりました。
そして日に日に増す腰の痛みとの戦い。
経口の痛み止めを貰いましたが全く歯が立たず、結局眠剤をもらって寝ました。
夜中に便意を感じてナースコールをしたらやって来たのは男性看護士...
しかし万が一にも漏らしたら嫌なので簡易トイレを持って来てもらい、初めてベッドを降りました。
自分でT字帯が外せないので男性看護士に外してもらい尻丸出しに...
痛みと恥ずかしさに耐えてトイレに座るも、結局うんこは出てこず...
こんなことならいっそおむつでもさせてくれりゃいいのにと思いました。
【2013年5月17日(入院11日目)】
午前中に手の点滴を外し、一般病棟へもどりました。
戦地から生還した気分でした。
しかし引き続き首の点滴・尿道カテーテル・ドレーンは繋がっているのでベッドの上で要安静。
変わった事と言えば、ご飯が低タンパク低塩分の食事から一般食になっていたことと、食事の前に血糖値を測るようになったことです。免疫抑制剤の影響で血糖値があがりやすいため食前に血糖値を測り、血糖が高いようならインスリンを打ちます。
何をどうしたら血糖値があがるかその時よくわかってなかった私は、おばがお見舞いに買って来てくれたクロワッサンをおやつに食べてしまったのです。
案の定夕飯前の血糖値は非常に高く、早速インスリンを打たれてしまいました。反省。
手術後まだ便が出てなかったので夜に下剤を飲まされました。
夜は身体に熱がこもって眠れなかったので眠剤をもらって寝たのですが、2時間程したら強烈な暑さで目が覚めてしまい、アイスノンなどを沢山もらうも暑すぎてそのまま眠れませんでした。
薬の副作用か、移植して新陳代謝がよくなったのか、とにかく暑くて暑くてたまりませんでした。
【2013年5月18日(入院12日目)】
首の点滴が外れ、トイレに行くために看護師同伴で歩行をするようになりました。
尿は尿パックに貯められているので便のときだけトイレに行きます。
飲水量も自分で記録しておくので、飲んだ量と出た量をチェックされます。
水はいっぱい飲むと一層いいよという先生のお話に頑張って飲んでみるものの、1日の目標が2リットルに対し達成できたのは1.5リットルという少ないものでした。
間食もせずに一日2リットルはなかなかハードだと思いました。
しかし私の向いのベッドのおばちゃんは一日2.5リットルも飲む猛者でした。
この日も身体に熱がこもってて眠れず、眠剤を飲んでも昨日の二の舞だし、眠剤にあまり頼りたくない気持ちもあったので結局明け方まで眠れず3時間睡眠でした。
【2013年5月19日(入院13日目)】
この日から一人で歩行もトイレもOKに。
人間に戻った気分!!
そして気づくのです、下の毛が剃られている事に...
最初見た時キョドりましたね、ないんですもん。
しかも剃るなんて事前に聞いてないんですもん。
麻酔が効いた後に人に下の毛を剃られてたと思うと!!!うわあああ!!!!
まぁそれらもすべては今更な話なんで、失ったものよりも得たものの方が大きい喜びを噛み締めます。
しかし悲劇は続きます。
なんと左腕のシャントの音がしなくなっていたのです。
ドクターは経過は良好だからもう使う事はないだろうと言いますが、万が一拒絶を起こしたら?!透析するんですよね!?と思うと不安で仕方ない。
一応マッサージをしてもらったら血栓が取れて少しだけ流れるようになったみたいですが、以前のように「ザーザー」流れている感じはなく、ひどく微弱です。
原因は恐らくICUで左腕を下にして寝ていた事...。
こんな事になるのなら腰痛我慢してずっと仰向けでいればよかった!!!
しかしICUにいた時は腰が痛すぎてそれどころじゃなかったというのも事実。
もう少し配慮してもらえたらと思わなくもありません。
この頃からか、薬の副作用で下痢気味に。整腸剤を出してもらうようになりました。
この日は手術後はじめてくしゃみをしてしまい、痛さに悶絶。
晩ご飯にバナナがまるまる1本ついてきて、「母の腎臓は私の腎臓として頑張ってくれてるんだなぁ」と実感しました。またバナナが食べられる喜びよ!!
連日の睡眠不足のおかげか22時に寝れるも、0時には暑くて起きてしまうという。
実は拒絶だったらどうしようと思うと怖くなりました。
妹に買って来てもらったUSB扇風機をかけて体を冷やして寝ました。
【2013年5月20日(入院14日目)】
一大イベントの採血が終わるとなにもやることがなく、だらだらしてました。
大量に水を飲むには塩が必要だと思い彼氏におかきを買って来てもらい夕食前に1本食べたら当たり前ですが血糖値があがり、2回目のインスリンを打たれてしまいました。馬鹿すぎる!
食べるなら食後だなと決意しました。
【2013年5月21日(入院15日目)】
手術から1週間、尿道カテーテルが抜けました。
抜くときは特に痛みもなく、ずるって感じで抜けました。
いっぱい水を飲むのでトイレのたびにヒィヒィいいながら起き上がって歩きます。
この日はお昼も晩ご飯も好物が出たため入院して初めて完食できました。
しかし日に日に体重は落ちていってるという現状。
筋肉もすこぶる落ちてそうで怖いです。
【2013年5月22日(入院16日目)】
傷口から血液や体液を出すドレーンという管も抜けて、晴れて全ての管が抜けました。
実はこのドレーンが地味に痛かったので、やっと痛みから解放されました。
まだお腹に力を入れると傷口は痛いですが、最初に比べたらかなり落ち着いてるのでじっとしている分にはまったく痛みません。
ドレーンの穴は1日でかさぶたになるそうなので、早ければ明日からシャワーが浴びれるかも。
早くシャワーが浴びたいです。
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私以外にも沢山の患者さんがいます。
↓ご参考までに。
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