『ヒーローショー』を見ろ、いや見て下さい | 日記

日記

徒労

珍しく朝風呂を浴びて出立。
田園都市線の各駅停車のように遅い急行に乗って渋谷に出る。
満員電車は自分本位な人間の割合が高まるような気がする。
異常な状況だからか。
五反田のイマジカにて16mmの研究会にちょこっと顔を出す。
自分が次は16mmで撮りたいという願望があるゆえに。
参加者は数人なのかと思っていたら大間違い。
大御所多数参加で非常に場違い感が強く、興味深いお話しを幾らか拝聞した所でするっと退出。
是枝監督の作品が殆どスーパー16mmで撮られていること、「ハッスル&フロー」のカメラマンがエイミー・ヴィンセントという女性カメラマンであったこと、作品自体もSuper 16mmであることを知り驚く。
先日見た「サーティーン」も今日見たらそうであった。

渋谷に移動し、昨日見逃した井筒和幸の「ヒーローショー」を見る。
山梨静岡神奈川千葉…東京のど真ん中の森を中心に配された若者たちの織りなすATG風青春群像。
周囲では悪評高かったので全く期待していなかったが、最初から最後まで細かい突っ込みさえ忘れて瞠目。
ジャルジャル。
誰もがヒーローなんでしょ。
盆で暗い俺は今この映画の中に生きている。
ド傑作。

久々にがつんとくる映画を見たので呆然としながらもーやんカレー渋谷で昼食。
ボーッとしすぎて満腹中枢がいかれ、何杯もおかわり。
目当ての牛すじがないことは認識した。
帰宅。
取り敢えず昨夜見逃したアルジェリア対アメリカを見る。
アメリカは押せ押せだがデンプシーが外しすぎ。
その上またも不当に取り消された得点があった。
劇的ゴールを決めたドノバンが試合後の会見でアメリカではマイナースポーツであるサッカーに少しでも注目して貰いたいと語り涙したらしい。
もっと注目して貰うためにももっと走ってもっと勝て。
この組み合わせならばかなり良い所まで行けるはずだ。

阪本順治の「KT」を見る。
金大中事件に関し。
既知の事実の羅列が退屈。
主役の佐藤浩市演ずる情報将の政治的立場に全く共感出来ない。
レベルの低いナショナリスト。

余りに眠く午睡。
起床して一人晩飯。
イタリア対スロバキアを見る。
引き分けでも良いので、クァリャレッラの神プレーが見られたらいいかなと思っていたらイタリアのDFラインのあまりに甘いマークに吃驚。
と思っていたらなんとスロバキアが先制。
以降、スロバキアが試合を作る。
イタリアはこらやばいでとガッサに代えてピルロ投入も相変わらずDFのマークがズレまくりだわ、デ・ロッシとピルロが攻め上がったままほとんど戻ってこないので中盤スカスカだわ、スロバキアのFWが想像以上に足下があって楔のボールがスポスポ入るわで大苦戦。
とは言っても基本能力の違いを見せつけて落ち着いて余裕を持って同点に持ち込めばいいものを攻め急ぎ、あろう事か追加点を奪われる。
リッピは引き分けでもOKという勝ち点計算が出来ているのかも疑わしいバタバタ采配。
クァリャレッラの神ゴールが出るもまたも寄せの甘さから3点目を奪われ万事休す。
カテナチオ崩壊。
何しに来たんだ…。
前回優勝国イタリア、1度も勝てずにまさかの予選最下位敗退。
原因として高齢化による体力・モチベーション低下が挙げられる。
4年前も平均年齢は高く、今回は更に高いので養老院と呼ばれたりもしていた。
だが、カンナバーロなど主力がここまで劣化していようとは。
4年後は大がかりな世代交代が必須だ。
好きなチームが無残な負け方をして少なからずショックを受ける。

プロットを書いて筋トレをする。
立ったまま日本対デンマーク戦を見る。
国歌斉唱時の選手全員の顔が試合を重ねるごとに引き締まっていく。
序盤はデンマークによるオランダ級のパス回しに対応出来ず。
そんなとき、見たことがあるような本田のジグザグ無回転FKが決まる。
普通のサッカーの試合のようにフリーキックが決まった。
さっと鳥肌が立つ。
続けて、遠藤が得意のコースに得意の速さでFKをぶち込む。
またも普通のサッカーの試合のようにフリーキックが決まった。
膝がガクガクと痙攣。
それでも立ったまま最後まで。
勝ち点6。
しばし現実が理解出来ない。
松井は使いづらい選手だが、今日の後先考えない献身的なプレーには立ち上がって応援を送らずにはいられなかった。
そして、本田圭佑という男の伝説、これを見届けたい。
次の相手はパラグアイ。
地味だが前と後が強力。
外貨を稼ぐのにキリンカップではいつもほどほどの試合をしてくれるが、がちんこは滅法強い。
アテネ五輪で今の主力たちが完膚無きまでに打ち壊されている。
初の南米勢との試合。
もうこのチームは2002年のトルコ戦のようにはならないと思うが、次もとにかく振り切れた試合を見せてくれ。