完成品 MS-06F ザクII ドズル・ザビ中将専用機 | Modelers Survey Service

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MG(マスターグレード)を中心に、ガンプラ(機動戦士ガンダムのプラモデル)の製作過程や完成品などを紹介します。模型の作例はジオン軍のMS、中でも一年戦争時のエースパイロットの専用機やMSV関連の機体が大半を占めます。1/100の旧キットとのミキシングもやってます。

「MS-06FザクII」は、出力の低さなどの問題を抱えたMS-05ザクIの性能を、さらに向上させたジオン公国軍の量産型MSです。
作例はジオン公国軍宇宙攻撃軍司令であるドズル・ザビ中将の専用機として製作しました。
ドズル中将はこの機体に乗って前線に赴き、兵士たちの士気を鼓舞したと伝えられています。

使用キット1:MG 1/100 MS-06J ザクII Ver.2.0
使用キット2:MG 1/100 MS-07B グフ Ver2.0
使用キット3:MG 1/100 MS-05B ランバ・ラル専用 ザクI

Modelers Survey Service-ドズル専用ザク1

ドズル・ザビ中将の専用ザクは、通常のF型と異なり、スパイクが両肩に4本ずつ、両手の甲に3本ずつ取り付けられています。
このとげとげしい外見と、機体の縁に金色のエングレービングが施されているのが特徴です。
エングレービングはドズル中将の趣味ではなく、技術仕士官の発案だったと言われています。

製作に当たって、もっとも大きな課題となったのがこのエングレービングの再現方法です。
ガンダムウェポンズ(MS-06ザク編)の製作記事や、WEB上で公開されている様々な作例を拝見し、参考にさせていただきました。



Modelers Survey Service-ドズル専用ザク2

先人の知恵を借り、極細の真鍮線を瞬間接着剤で貼り付ける方法や、細長く延ばしたパテを盛り付ける方法などにも挑戦してみましたが、こらえ性のない私は2~3パーツを工作した時点であえなく断念。

その後の塗装のことまで考えると、とても完成させられそうにありません。
一度振り出しに戻り、もっと手軽にできそうな表現方法を再度模索してみることにしました。

と、逡巡していたところ、偶然WEBで格好の素材を発見……!



Modelers Survey Service-ドズル専用ザク3

エングレービングには、こちらで購入した「エンボスステッカー」を使用させていただきました。

本来はトールペイントやパーチメントクラフト、カリグラフィーなどに使われるステッカーですが、実際に購入して実験してみたところ、プラスチック素材の模型にも問題なく使えました。

(下画像クリックで楽天内ショップに移動、
左側サイドバーの「エンボスステッカー」から商品が見られます)

エングレービング用エンボスステッカー

こちら、普通に裏紙を剥がして使うタイプのシールなのですが、粘着力が非常に強く、曲面追従性も高いので、一度貼ったら剥がれてしまうこともほとんどありません。

一通り購入して試してみましたが、個人的にドズル専用ザクのエングレービング再現用に最適だと感じたのは「No.2189」「No.1674」「No.1804」「No.1887」の4種類でした。



Modelers Survey Service-ドズル専用ザク4

両肩のスパイクアーマーはインパクト重視で、MGグフVer.2.0のものを移植して使用しました。
ちょっとボルトがはみ出しているのは、ドズル中将のフランケンシュタイン風の面立ちへのリスペクト的ななにかです。
スパイクを左右各4本ずつに増設するため、もとの穴をパテで埋めた後、位置をずらして再度開口します。
埋めて掘ってを繰り返す光景は、さながら年末恒例のアレのよう。

両手の甲のスパイクは、コトブキヤの「MSG スパイク」を、肩とバランスがとれるように敢えて先端を鈍らせて取り付けています。

闘う漢の背中にしては少しばかり迫力と推進力が足りなく感じたため、バックパックはS型のものを使用しました。



Modelers Survey Service-ドズル専用ザク5

機体色はクレオスMr.カラーGX「GX6 モウリーグリーン」に、これでもかと「C14 ネイビーブルー」を加えて調色しています。
デカールはエングレービングを目立たせるため、ピンポイントでの使用に止めてあります。
赤い三角形のマーキングや、左の太腿のラインは「MSVハンドブック」などに掲載されている大河原邦男氏の設定画を参考にしています。太腿のラインマーキングの前後がずれているのは、残念ながら設定とは無関係の個人的な粗相です。

こうして改めて見ると、ステッカーによるエングレービングが設定画と比べてオーバースケール気味に思えますが、そこは雰囲気でごまかして見てあげてください。
もしこのステッカーを使っての製作に挑戦される方がいらっしゃるのなら、MGよりもPGやメガサイズの方がしっくりくるかもしれません。



Modelers Survey Service-ドズル専用ザク6

戦場視察を口実に、積極的に実践に参加していたと伝えられるドズル中将ですが、その際はマシンガンやバズ-カなどの火器は一切持たず、専用の大型ヒートホークのみを携えて戦場に赴いていたそうです。
そんな唯一の武装、大型ヒートホークですが、「MGランバ・ラル専用ザクI」に付属するものをベースに、刃の部分をプラ板でつくり直しました。

塗装の際、乾いていない部分につい触ってしまい塗料が剥がれてしまった箇所がありますが、今後の戒めとなるよう、敢えてそのままにしました。
決して、塗り直すのが面倒だったわけではありません。決して。


ガンプラが好きな方の中でも、一年戦争時のMSに格別な思い入れがある方は多いと思います。
私も、グリプス戦役時代以降のMSにはそれほど強い執着がありません。

Zガンダムの流線型のフォルムは美しいですし、重武装のZZガンダムにはロマンを感じます。
もちろんνガンダムやGPシリーズなども本当に素敵だと思います。
それに比べて、ザクやグフ、ドム、ゲルググといった初期のMSの野暮ったさと言ったらありません。
それでも、私はそんな洗練されていない彼等のデザインに心惹かれてしまうのです。

話が脱線しましたが、これからもそんな時代に乱造された愛すべきMSたちの魅力を、少しでもお伝えできたら、と思います。

以上、「MS-06F ザクII ドズル・ザビ中将専用機」でした。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!