「図書館の神様」 | Kyoto Corgi Cafe 2

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Kyoto Corgi Cafe 2 室町通りで小さな古本屋を発見、ワゴンに並んでいた瀬戸まいこの「図書館の神様」を買いました。裏表紙には「傷ついた心を回復していく再生の物語」と解説されてるんだけど、うーん、まぁそういうことになるのかな?
高 校時代、自分の時間のすべてをバレーボールに費やしてきた清は、自分が実力をつけるための努力は惜しまないけれど、仲間を気遣ったり、喜びを分かち合うこ とはなかったようで、さほど重要でない練習試合でミスを重ねた山本さんを試合後に責め、泣かせてしまう。山本さんは自殺。清は大好きだったバレーをやめ、 思い描いていた未来を諦め、赴任した高校でまるで興味のない文芸部の顧問になるところから物語は始まるわけです。なりたくてなったワケじゃないから、授業 もクラブ活動もやる気なし。そんな主人公に共感する要素が見出せないスポーツと無縁のモモ母ですが、文芸部唯一の部員の垣内君と交わされる小説談義が ちょっとした読書案内になっているのが面白い。ふーん、あの小説ってそういう話なのかとか、あの作品はそんな読み方が出来るのか・・・。高校生と文学なん て門外漢の非常勤講師の会話だから高尚な文芸論、作家論ではないけれど、それだけに興味がわいて、へ~読んでみようかな、という気にさせる。モモ母には再 生の物語としてより小説入門として楽しめました。