ミラー・ディーカー症候群とは(・・医学書より) | ミラネーゼのブログ: ~限りあるいのちのつれづれ日記~

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生まれてきたかわいい次男。そんな次男も2年2ヶ月で、空に帰っていきました。
病名発覚・厳しい宣告から立ち直っていくまでの過程と、何もわからないところからスタートした母の手さぐりの毎日、そしてその後のママの思いをつづっています。

滑脳症の代名詞ともいわれている ミラー・ディーカー症候群 についてです。


ゆづきとはまた違うタイプの滑脳症です。


名前の由来は、ミラーさん外人とディーカーさんマイクが、発表したことによるみたいですね。


すご~く長いですが、私もガンバッってタイプしますので、興味ある方は


みてみてくださいコスモス (※英語で書いてあるところは省略しています)


本で色づけのあるところは、同じように色づけしています。



ミラー・ディーカー症候群 (医学書・・「奇形疾患を究める」。窪田星 著



1. 定義・概念


(1)染色体に起因する先天異常で、滑脳症(8の字をていする典型的な

  無脳回=1型滑脳症)

  特異な顔貌および多臓器の奇形を伴うものをいう。


(2)1型(古典的)滑脳症のひとつ。


2. 頻度;きわめてまれ


3. 原因と遺伝子


(1)孤発例が大多数。

  ⇒時に家族性の発症(→両親における均衡型転座による同胞発症例)。

(2)両親は血族結婚が多い。

(3)責任遺伝子

  a 染色体第17番の短腕(17P 13.3)の微細欠失(50~90%の頻度)。

   ⇒17P 13.3に局在するLissencephaly gene(LIS1)の欠失が本症候群

    の原因。

  b 大多数の同胞例は、家族性染色体構造異常による染色体第17番

    短腕の欠失。

(4)遺伝形式;常染色体劣性遺伝


4. 性別; 性差はない。


5. 症状・徴候


A 重度の精神・身体発達遅滞

B 筋緊張の低下

C 後弓反張

D 難治性のてんかん⇒けいれんは通常、生後3~6か月の間に現れる

E 哺乳力低下⇒新生児期早期より 出現

F 小頭症

G 特異な顔貌

  1. 四角で、広い前額部。

  2. 両側の側頭部(こめかみ部)の陥没をともなう前額部の膨隆。

  3. 幅広い鼻と上向きの鼻孔

  4. 啼泣時の眉間のたてじわ

  5 .顎が小さい

  6. 内眼角贅皮

  7. 耳介の変形や耳介低位。

  8. 薄くて、かつ突出した上唇


H 角膜縁の混濁

I 第1歯は、のちに歯肉をつらぬいて現れるようになる。


6. 診断時期

  ⇒特徴的な顔貌や神経学的所見より、生後6週までに診断可能


7. 脳波

  ⇒乳児期にヒプスアリスミア(高振幅の徐波、棘波が不規則に出現する高度の

   律動異常)をていすることが多い。

8. MRI

 ⇒滑脳症1型の所見(331ページ)を認める。 すなわち、

 (1)脳は8の字型の特徴的な形状を呈する。

 (2)T1強調画像で低信号、T2強調画像で高信号をしめす皮質第3層

  (細胞気薄層)を認める。

 (3)側脳室後角拡大症(296ページ)


9 .孤発性滑脳症との鑑別

(1)孤発性の滑脳症では、顔面の奇形やほかの奇形を有しない。

(2)脳の肉眼的な形態異常は、Miller-Dieker症候群のほうが、孤発性滑脳症

  よりも重篤である。


10. 治療; 特別な治療法はなく、対症療法が主。


11. 脳の病理学的所見

 (1)肉眼的には大脳は小さい

 (2)前頭弁蓋および側頭弁蓋の発達が悪い。

 (3)大脳皮質は、組織学的には4層構造をしめす1型の滑脳症(332ページ)

 (4)大脳白質は薄い。

 (5)シルビウス裂は拡大している。

 (6)しばしば、脳梁の低形成や透明中隔腔をともなう。

 (7)小脳⇒異常を認めない。



12. 予後

(1)摂食障害や肺炎を繰り返し、生命予後は不良で2歳以前に死亡することが多い。

(2)半数は、生後6か月までに死亡。


13. 合併奇形

(1)心奇形

  a 頻度; 20~60%

  b 種類; 心室中隔欠損症や動脈管開存症など。

(2)仙骨部の皮膚陥没(70%)

(3)男児では外性器異常(70%)

(4)深い手掌のしわ(40~45%)

(5)四肢奇形:多指症、彎曲指(40~45%)

(6)腎奇形




おつかれさまでした黄色い花

お医者さん向けの本だから、言葉がムズカシイですね(*_*)



(331ページ)・・とか、記載されてるところは、おいおい時間を見て

ゆっくりブログに載せていこうと思います。



医学書で、滑脳症に関するところは、まだこれからも載せていきたいと思います。