歌と訳詞♪:グレゴリー・ルマルシャルの Je suis en vie | penのフランス語日記

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「虎と小鳥のフランス日記」でフランス語を学習中のpenの日記。独学です。トリュフォーの映画を字幕なしで楽しむのが目標。フランス語とフランス全般の情報を楽しくご紹介。初心者むけの文法、語彙、ディクテなどの学習法、フランス映画、フレンチポップスの話題もあり。

こんにちは。penです。

グレゴリー・ルマルシャル



週末の歌の時間です。きょうはグレゴリー・ルマルシャルの Je suis en vie 「僕は生きている」をご紹介します。

3分39秒


では、訳してみます。

Je suis en vie
僕は生きている

Demain, on ne sait jamais
si c'est encore loin ou bien trop près
On se dit qu'on aura tout le temps
Demain on s'attend à tout
Devenir quelqu'un ou devenir fou
Aujourd'hui c'est moi qui grandis

明日、それは決してわからない
まだ遠いのか、すぐそこに来ているのか
人はいつも思っている
明日、あたりまえのように
何者かになるか、気が狂うのだと
きょう、成長しているのはこの僕だ

Ca me plait de plus en plus
Ca me blesse de moins en moins
Comme si l'amour avait fait le saut de l'ange

どんどんうれしくなる
傷ついた心はどんどんいえる
まるで愛が天使を飛ばせたように

{Refrain:}
Je suis en vie
Ca n'a pas de prix
Ca n'est pas a vendre
Je suis en vie
Je respire et j'espère
Que tu seras tendre

僕は生きている
それはかけがえのないこと
売り渡すことなどできない
僕は生きている
呼吸をして、希望を持っている
君がやさしくいてくれることを


Demain entrer dans la ronde
Sur la planète terre
Etre un homme du monde
Ca parait si proche tous ces cris
Demain il sera trop tard
Comment demander de l'aide
A chaque idée noire
Je le sais
Enfin
Aujourd'hui

明日は皆のところにやってくる
この地球の上で
世界の一員になる
ずいぶん叫び声に近いような気がする
明日では、遅すぎるだろう
どうやって暗い考えをふりはらう
助けを求めたらいいのか
それを僕は知っているんだ
要するに、
今日なんだ

Ca me plait de plus en plus
Et j'en laisse de moins en moins
Comme si mon âme avait saisi le mélange

どんどんうれしくなる
残りはどんどん少なくなる
まるで僕の魂がごちゃまぜのものをつかんでしまったように

Refrain

Je suis en vie
je respire et j'espère
Que tu seras tendre

僕は生きている
呼吸をして希望を持っている
君がやさしくいてくれることを


★単語メモ
se dire 思う
tout le temps いつも
se attendre à ~を予期する
grandir 成長する
le saut 飛ぶこと
saisi < sasir つかむ、つかまえる
être en vie 生きている
n'avoir pas de prix = être sans prix
値がつけられないほどの価値がある、とても貴重だ
entrer dans la ronde
輪舞に加わる、皆と同じようにする



歌詞はこちらを参照しました。
Grégory Lemarchal - Je Suis En Vie Lyrics


グレゴリー・ルマルシャル Grégory Lemarchal は1983年生まれ。素晴らしい声の持ち主だと思います。13歳のときからバンドを組んでコンテストに出ていましたが、世間に知られるようになったのは2004年にスター・アカデミーのチャンピオンになってからです。

スター・アカデミーはフランスの「スター誕生」というか、あるいは「America's Got Talent」のフランス版というか、スター発掘リアリティー番組です。

スター志望(歌手でなくてもよい)の人が15人ぐらいオーディションで選ばれて、スター・アカデミーという学校に入ります。そこで三、四ヶ月、歌、踊り、お芝居などのトレーニングをうけ、テレビに出て、毎週観客の投票で一人ずつ落とされるというかなり過酷な番組です。途中で落ちても、レコードを出してスターになっている人はたくさんいますが。

グレゴリーはこれで勝ち残り文字通りスターとなりましたが、2007年、23歳のとき病気で亡くなりました。

彼は生後20ヶ月から不治の病にかかっていました。フランス語でmucoviscidose、英語でcystic fibrosis(CF),嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう)という外分泌腺の遺伝性疾患です。この病気は北方ヨーロッパ系の人に多い病気だそうです。

ふつうかなり小さいときに発病します。肺や胃にねっとりとした粘液が詰まってしまう病気です。そのためひどい咳をしたり、呼吸困難になったり、胃腸の病気にかかりやすく、また体重も増えません。グレゴリーも小柄でしたね。

汗が人より塩辛いので、親は自分の子どもにキスをしたときに異常に気づくといいます。

たいてい成人する前に亡くなるそうですが、最近はリサーチがすすみ、以前よりは寿命が伸びました。しかし治療法はなく、患者の多くが平均寿命より早く亡くなります。

そんなわけで、彼はいつも自分がいつ死んでもおかしくないことを知っていました。体調が悪い日も多かったと思うのですが、歌手になる夢をずっと追って、スターになったのです。

そんな彼の思いを歌ったのが、Je suis en vie です。

このアルバムに入ってますね。




最後までお付き合いありがとうございました。
次回の歌の回でまたお会いしましょう。

pen