交互養育とは? | penのフランス語日記

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「虎と小鳥のフランス日記」でフランス語を学習中のpenの日記。独学です。トリュフォーの映画を字幕なしで楽しむのが目標。フランス語とフランス全般の情報を楽しくご紹介。初心者むけの文法、語彙、ディクテなどの学習法、フランス映画、フレンチポップスの話題もあり。

こんにちは。penです。

交互養育


子ども新聞記事の和訳。きょうは交互養育についてです。la garde alternéeを交互養育と訳しましたが、共同親権とも訳せるかもしれません。

元記事 → La loi sur la garde alternée expliquée aux enfants | 1jour1actu - Les clés de l'actualité junior 8 mars 2012


Une semaine chez papa, une semaine chez maman !
ある週はパパの家、べつの週はママの家


もしかしたらあなたの両親は離婚しているかもしれないですね。その場合、今週はお母さんの家、来週はお父さんの家と行き来しているのではないでしょうか。そういう状態をla garde alternéeと言いますが、フランスの離婚の7件に1件、起きていることです。



なぜこれが今日の話題なのでしょうか
それは、交互養育の法律が2002年の3月4日にできてから10年たつからです。


きょうのできごと
なぜ交互養育の法律があるのでしょうか?
両親が離婚するとき、一番大きな問題は、どちらが子どもを育てるかということです。2002年以前は、もし両親が話し合いのうえ同意すれば、子どもの養育に関して、二人で決めました。

しかし両者が合意に至らない場合は、裁判所に行き、判事が決めていました。ほとんどの場合、母親が子どもを引き取り、父親は年に何回か週末に会ったり、学校の休みに子どもの面倒を見ることになりました。

現在は、離婚した両親の意見が合わないとき、たとえ片方の親が異議を唱えても判事は交互養育を強いることができます。

交互養育の法律は離婚した両親が子どもとの関係を維持できるように設けられました。子どもの親権に関して、それぞれの親に同じ権利を与え、義務を課すものです。

この親権の方法に批判はありますか?
ニ週間に一回寝床が変わること、一つの家では夕食を午後8時に食べ、別の家では7時に食べたり、食事の内容が変わったり、衣類を持ってこっちの家からあっちの家へ移動する交互養育は悪いやり方だという児童の専門家は何人もいます。

子どもが安心感を持つためには、子ども自身の定まった居場所や世界が必要だというのがその理由です。

反面、もし両親が合意していて、子どもの教育に関して同じ意見を持っているのなら、この方法は望ましいことであるという人達もいます。

他の国では?
交互養育というやり方は、たくさんの国で見られるものの、離婚した両親に都合のいいやり方では決してありません。ほとんどの場合は、片親(たいていの場合、母親)が養育権を持っています。

交互養育は、両親がこの方法に合意したときに行われており、法律で強制されるのはとてもまれなことです。

デンマークとスエーデンでは、親はたいてい結婚していないので、養育権は自然な流れで母親が持つことになります。けれども、もし結婚していたカップルが離婚し、親権について合意すれば、交互養育もありえます。

ベルギーとイタリアでは、もし両親が親権について同意に達しない場合は、交互養育をすることになります。

合衆国では、州によって法律が違います。以前相互養育を課す法律があったのに、禁止している州がたくさんあります。子どもの精神衛生にはなはだよくない、というのがその理由です。両親がこのやり方をとるのに合意した時だけ、交互養育をすることができます。



◆きょうの単語
divorce 離婚 (eで終わっているけど男性名詞)
語源は「分かれること」という意味のラテン語、divortium

離婚とは l'annulation du mariage par un juge 両親ともに離婚を求めている場合はdivorce à l’amiableと呼ばれる。これは協議離婚ですかね?

◆単語、表現モデルメモ
se pouvoir ~かもしれない
Il se peut qu'elle soit malade. 彼女は病気かもしれない。
se mettre d'accord avec qn ~と合意にいたる、和解する
instaurer 創設する
être en relation avec qn ~と行き来がある、連絡をとる
les droits et les devoirs 権利と義務
vis-à-vis de 面と向かって
mode+de+無冠詞名詞 ~の方法
des repères 目印、基準となるもの
parvenir たどり着く



◆補足 以前ラジオ講座 応用編 2011年12月9日放送分で円満離婚のダイヤローグがありました。パトリス先生の説明によると、フランスでは
・87%:離婚後、未成年の子どもが母親にひきとられる率。
・35%の子どもが、二度と父親に会わない。
・25%の離婚カップルが、ものすごく険悪な状態のままで、暴力沙汰がおこったりもする。
・10.5%の離婚カップルだけが、このダイヤローグの二人のように円満に分かれる



この課の前の課で、争い、罵り合い、憎み合うカップルのダイヤローグがあるのですが、録音に失敗してしまい聞いてません。来年の再放送でチェックしたいです。

テキストによると3組のうち1組が離婚する(都市部では2組に1組)。離婚に至るまでの結婚平均年数は14年。離婚の70%は女性から切リ出されるそうです。


パトリス先生は、一人の人間を生涯愛し続けるには、私達はあまりにも長生きだ(nous ne nous aimons plus à la vie à la mort)とテキストに書かれています。

先生の両親も離婚されていて、子どものころは、まだ une résidence alternée (両親の家を交互に行き来すること)が一般的でなかったので、ふだんはお母さんと暮らし、夏休みにお父さんのところに会いに行ってたそうです。


最後までお付きあいありがとうございました。
次回の子ども新聞の記事でまたお会いしましょう。

pen