ジェラール・プーレがシャコンヌにこめた思いはみんなの思い | penのフランス語日記

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「虎と小鳥のフランス日記」でフランス語を学習中のpenの日記。独学です。トリュフォーの映画を字幕なしで楽しむのが目標。フランス語とフランス全般の情報を楽しくご紹介。初心者むけの文法、語彙、ディクテなどの学習法、フランス映画、フレンチポップスの話題もあり。

こんにちは。penです。水曜日は「今週の物」。今回は7日までパリの市役所で行われているRenaissance du Japon après la catastrophe du 11 mars 2011 という展示会のオープニングで、ジェラール・プーレ Gérard Poulet が演奏したヴァイオリン(violon)をとりあげます。


演奏のあと、プーレは、ヴァイオリンを掲げてこう言います。

penのフランス語日記 Ameba出張所-violin


Donc, voici le symbole de la renaissance.
Ce magnifique violon que vous avez entendu est promis peut-être à une carrière exceptionnelle.


これは再生のシンボルです。
皆様にお聞きいただいたこの素晴らしいヴァイオリンには、おそらく特別な前途が約束されているのです。

わけありのヴァイオリンなのです。実はこの楽器は震災によって倒れた木から作られており、現在この楽器を千人のヴァイオリニストに順番に演奏してもらう、というプロジェクトが進行しています。


こちらの日本のテレビニュースのクリップをごらんください。開催前の20日に撮影されたものです。パリのドラノエ市長のトークも少し入っています。53秒。





千羽鶴ではなく、千人ヴァイオリンというところでしょうか。まさに、exceptionnel 前代未聞のプロジェクトですね。


このプロジェクトのページがFacebookにありました。
正式には『ヴァイオリンプロジェクト「千の音色でつなぐ絆」』という名前なのですね。


ヴァイオリンプロジェクト「千の音色でつなぐ絆」 | Facebook
penのフランス語日記 Ameba出張所-violin project



ジェラール・プーレと展示会の実行委員の高田賢三氏、渡辺実氏の写真が見られるところでキャプチャしました。ヴァイオリンの制作過程の写真、展示会準備中の動画などが掲載されていますので、興味のある方はごらんになってください。一般公開されているので、登録してなくても見ることができます(画像クリックで飛びます)。

演奏者はプロ、アマを問わないし、また音楽のジャンルもなんでもいいそうです。

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ジェラール・プーレのホームページは日本語です。現在昭和音楽大学の客員教授をやられていて基本的に日本在住。パリと日本を行ったり来たりという感じでしょうか。織田先生は彼の演奏を生で(しかも無料で)聴かれたようです。なんてラッキーなのでしょうか。Il a eu de la chance. です。


ジェラール・プーレ (Gerard Poulet) - フランス・ヴァイオリン界の至宝






最後に、展示会で、プーレが奏でたシャコンヌ(無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ;パルティータ第2番ニ短調 BWV1004より)をご紹介します。今から300年ぐらい前にバッハが作ったこの曲はひじょうに有名です。名前は知らなくても出だしを聞けば、聞いたことあるある、と思う方も多いでしょう。

プーレのはなかったので、ヴィクトリア・ムローヴァ Viktoria Mullova の演奏の動画を貼っておきます。この方は1959年生まれ、ロシア出身で30年ぐらい前に亡命。現在はイギリスにお住まいのようです。大げさすぎない演奏がよいと思います。13分40秒。






※なお、このヴァイオリンについては同じ講座の受講生のponchan0801(ぽんちゃん0801)さまも記事にしておられますのでチェックしてくださいね。あのバイオリンはすごい企画だった。|ponchanのフランス語脳プロジェクト日記


★2014年現在、このプロジェクトがどこまで行ったか?
メインブログのほうで書いています
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バイオリン
⇒復興への願いをこめて~バイオリンと『雨ニモマケズ』



最後まで読んでくれてありがとう。