こんにちは。penです。火曜日は「今週の場所」です。パレゾーのお祭りの動画に出てきた場所として、ギャンゲットguinguette を選びました。今回のような郊外のお祭りはguinguetteで開催されることが多いのだそうです。
この単語をプチ・ロワイヤルでひきますと
guinguette : 郊外の酒場[レストラン][野外で飲食し、ダンスができる]
ポイントは
1.郊外にある
2.野外である
ということですね。Wikipediaを見まして、さらにポイントを付け加えますと、
3.多く川岸(セーヌ川やマルヌ川)にあり、川魚などを出した。
4.パリジャンが仕事のない日、つまり日曜や休日によく利用した。
5.レストランやダンスをする場所でもある。
18世紀にそれまで都市から切り離されていたような田舎にもいろいろな物資、特にお酒が行き渡るようになり、また税制の関係で街で飲むより安いため、こういう店が発展したのだそうです。
こちらは動画のキャプチャですが、後方で人が座ってるあたりがふだんはギャンゲットだと思われます。
19世紀のフランス絵画にもギャンゲットが舞台のものがいろいろあり、これはゴッホの La guinguette
こちらはルノワールの Le Moulin de la Galette
フランスの人にとっては、ちょっとノスタルジックなひびきのある言葉でしょうね。ちなみに語源は guinguet で、軽くてすっぱめのローカルなワインとのことだそうです。
映画にもたくさん描かれており、こちらは19世紀末のパリを舞台にした、Casque d'or (肉体の冠)より、踊るシーン 1分30秒
Les guinguettes というシャンソンもあります。
Alain Barrière の Les Guinguettes
歌詞の最初の方はこんな感じ
Si l'on pouvait retrouver les guinguettes
Dimanche au bord de l'eau
Bon sang qu'c'est chouette tu serais ma Juliette
Je s'rais ton Roméo
Pour quelques sous l'père Renoir nous vendrait
Son tout dernier tableau
Bon sang qu'c'est chouette tu serais ma Juliette
Je s'rais ton Roméo
・・・おおざっぱな訳・・・
もし、日曜に水辺でギャンゲットを見つけることができたなら、
うーん、すごくいいね、きみは僕のジュリエット、
僕は君のロミオ
ルノアールの最新作を売って、ちょっとお金をつくってさ
うーん、すごくいいね、きみは僕のジュリエット、
僕は君のロミオ
※条件法です。帰結節の動詞の訳出をしませんでしたが、
si+S+半過去(pouvait)、S+条件法現在(serais)
もし~なら、・・・なのに。
Bon Sang は辞書を見ると「畜生、この野郎」と書いてあるのですが、要するに強調です。ちょっと古い言い方かも?
chouette は すばらしい とか すてきな とか すごい という意味。プチ・ニコラの口癖です。
l'père Renoir というのが今いちわからなかったのですが、ルノワールの父のほうってことでしょうか。上に書いた印象派の画家の。息子は映画監督のジャン・ルノワールですね。しかし、ルノワールの原画だとめちゃくちゃ高いでしょうから、ポスターとか、模写とかとかそういうものなのかなぁ?
楽しい歌です。