2016年ワールド:スミスさんのブライアン・インタビュー記事(追記あり!!) | 覚え書きあれこれ

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記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...



追記(トロント時間、30日午前9時):途中でちょっと疑問に思っていたブライアンの言葉について、先ほどベヴァリーさんから説明をもらいました。最初の解釈で合っていたみたいなので訂正します!!


お風呂も入ったしそろそろ寝ようかと思ってたら、こんな記事を見つけてしまったじゃないですか。


"Brian Orser's success as coach based on 'take ownership' philosophy"



掲載しているのはヤフースポーツ、筆者はベヴァリーさん


これはきっと






この時の取材が元になっているのでしょう。ちなみにスミスさんによると

「このインタビューはね、私がセッティングしたんだけど、始めたら皆寄って来ちゃったの。私のアイデアだったのに」

という状況だったそうです。ブライアン、人気者だもんね。



で、またまた全訳している余裕がないんですが、途中のハビとユヅの部分だけ、ざっと要約します。


Both Fernandez and Hanyu keep pushing themselves in different directions. Both Javi and Yuzu’s programs – both the short and the long –  are masterpieces, Orser says.


オーサーさんいわく、ハビとユヅの今季のプログラムはSPもFSも両方、秀逸な作品である、と。


Orser has had a good two-month chunk of training time to spend with Hanyu, who often crisscrosses the planet, sometimes spending home in Japan. And he’s seen Hanyu through his latest injury, a minor one involving the instep of his left foot which prevented him for seven weeks from landing toe loop jumps. Hanyu in the past season, has done two quad toe loops (and one quad Salchow) in his free program.


ここではブライアンが羽生選手とみっちり2カ月間、トレーニングをする期間があった、と言っています(この2ヶ月がいつのことを指すのかは不明)。羽生選手は日本で時間を過ごすために常に世界を飛び回っているのだけど、一番最近の怪我(左足の甲のてっぺん、ほんの軽いもの)から立ち直るのも見守ったそうです。この怪我のせいで7週間、トウループ系のジャンプは跳べなかったとか。ちなみに今シーズンはこれまでフリーで三つの四回転を跳んできたが、その2つは4T、4Sが一つだった。

Because of the injury, Hanyu has been training to do five quad Salchows between the short and the long. “So the quad Salchow kind of found its way,” Orser said. And the happy accident of all this? A quad Salchow is worth more than a quad toe loop. Hanyu has found another way to break his lofty world record of 330 points.

(**ここが訂正の部分です!)

ところがこの怪我のため、羽生選手はなんとSPとFSあわせて5つの4Sを跳ぶ練習をしてきている。「だから四回転サルコウがいつの間にか**入って来ちゃった安定して来ちゃったんだよね。」とオーサーさん。ひょんなことから生まれた利点(タナボタ?)は4Sの方が4Tよりも得点が高いということ。羽生選手はまたまた330点というとんでもない世界記録を打ち破る手段を見つけてしまったのです!!

(訳注: "the quad Salchow kind of found its way"をどう訳すかでちょっと迷いました。最初は「いつの間にか安定しちゃったんだよね」と4Sが自然と形になって来たのかと思ったのですが、もしかして(プログラムの中に)入って来ちゃった、という意味なのかな、という気もしてきました。まあここはご参考までに。とにかく練習してる内に4Sの方を増やすのが良いということで収まった、というわけですね。

**冒頭にも書きましたが、スミスさんから説明があり、ブライアンの言いたかったのはサルコウをさんざん練習している内に、いつの間にかすごく安定して来て、頼りになるジャンプ、になった。だからこちらを多めに入れることになった、ということだそうです。



This week, Hanyu will do both quads in his short. He’ll still do three quads in the long, but two of them will be quad Salchows.  

今週、羽生選手はSPでは二種類の四回転を跳び、FSでは三つ、そのうち二つはサルコウになるそうです。


Orser has had to have the mental alacrity to bring out the best of people from different cultures. It works for Orser because “what we teach is not cookie cutter,” he said. “It’s not my way or the high way. It’s whatever is best for the athlete.”


↑ ここは既出なのでパス。クリケットでは文化の違う選手が集まっているけど個性を重んじている、という感じ。

でもここからは面白いです。

He said he was a little concerned when Fernandez, a laid-back charmer, won his world title.  “With that, he got more offers and his feet went up,” Orser said “He was doing shows, and it was all great. But I was a little concerned that he might be content with that.”

オーサーさん、もともとお気楽でチャーミングなハビちゃんがワールドチャンピオンになって一つ心配があった。「色んな所からオファーが来てリラックスモードに入っちゃったんだねショーに出たりして、それは良かったんだけど。でもそれで慢心しちゃうんじゃないかっていう懸念があった。」


“How do we get him back on the ice and train this season?” he asked himself. But Fernandez surprised him by taking the initiative. As soon as he came back last summer, he came back to work with focus.

「どうやって来たるシーズンに向けて、リンクに引き戻して、練習させたら良いんだろうか」って自問した。でもハビちゃんはちゃんと自分から進んで計画を立ててくれたので嬉しい誤算となった。夏に戻って来たとたん、しっかり集中して練習に取り組んだそうです。


At the Grand Prix Final in his home country, Fernandez added a second quad to his short program. Hanyu was already doing it and getting tremendous scores. “I was patiently waiting for Javi to come up with this idea on his own,” Orser said. “Then he takes ownership of it, rather than me going: ‘Okay, you’re doing two quads in the short.’ Nobody ever wants to do it that way.”

自国でのGPFで、フェルナンデスはSPで二つ目のクワッドを入れる、と決めた。羽生はすでにそうしていて、すごいスコアを得ているのが参考になったのだ。オーサーいわく「気長にハビが自分からそうしようと言いだすのを待ってた。そうしたら彼自身がその決断に責任を持つようになるから。僕が『よし、SPに四回転を二つ入れよう』って言うんじゃなくてね。そういうのは絶対に避けたいことだし。」



He teaches his athletes to take ownership of all they do. He tells them they are the boss, even the young ones. “They are in charge, and then they go out and skate that way,”  Orser said.



ブライアンが一番、教え子に伝えたいことは「自分のやる事全てに自分で責任を持て」ということ。自分に命令できるのは自分だけ、それは低年齢の選手たちに対しても教えている。「自分で何でも決めること、そうすると氷の上に立って、滑っていてもその違いが表れる」のだそうです。


Orser was a reluctant coach in the beginning. He never thought he’d be in the position he is in today. “I’m so blessed to have such talented skaters that believe in me and believe in my team and believe in themselves,” he said. “They work hard. And they love skating. That’s important. They love to compete. So they have all the tools.”

↑ ちょっとここもパスしますね。ただ最後のセンテンスは

「選手たちは皆、よく練習する。そしてスケートを愛している。そこが大事なんだ。競い合うのも大好き。だから皆、必要なツールは揃っているんだ」

と、ブライアンが教え子たちに対して誇りに思っていて、よく伝えていることなんだそうです。


And this is what he told Nguyen, when he stepped off the ice on Tuesday after a troubled practice on Monday.  He’s less experienced at this game  than Fernandez and Hanyu. But he has what he needs. If not today, then tomorrow.


ナム君は月曜日の練習がちょっと上手く行かなかったそうですが、火曜日の練習の後、ブライアンはこう言って励ましたようです。ハビやユヅほどには(こういったハイレベルな戦いに関して)まだ経験を積んでいないけど、君には必要な物が全て揃っている。今日はダメでも、明日はきっと(大丈夫)、と。



ああ、素敵。


それにしても羽生選手、四回転サルコウばっかり5本もって。。。。


またまたスミスさん、良い取材をして新鮮なネタを提供してくれました。さすが!