2015年世界選手権CBC放送より:最後はハビエルのキスクラとインタビュー(追記あり) | 覚え書きあれこれ

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記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...



追記:皆様、コメントたくさんありがとうございました!!
ハビちゃんがどうして時間を置いて、喜びを爆発させたのが分ってとてもすっきりしました。
一つ一つのコメントにお返事させていただきますね。取り急ぎ、お礼まで。



日本では羽生選手の国別対抗出場のニュースで賑わっていることと思います。えー、大丈夫かー体調?って思ったのもつかの間、記者会見の表情がえらく清々しかったので安心しました。

きっと今はまだアドレナリン全開で、シーズンを終えるにはまだまだ心残りがあるのでしょう。ちょうどソチオリンピックから一カ月もなかった世界選手権でフリーで逆転をした時のように、出し切って、完全燃焼したい気持ちなのかな、と思います。

まあ出ると決まったなら、思いっきり行ってほしいですね。ショートもフリーも驚愕のスコアでぶっちぎりの勝利を収めてください。



さて、今日はCBCの放送から私の最後の「ツボ」をご紹介させていただきます。



フェルナンデス選手のフリー後のキスクラの様子。そしてその後のインタビューです。


キスクラでブライアンの隣に座り、スロー再生を確認していたハビエルですが、終わって、歓声に応える時は満足そうな笑顔。




この時はまだ穏やかな感じですね。



そこから表彰台に登りそうな選手たちの控え場所がカメラに映り、羽生選手、テン選手、そしてニューエン選手が映る。皆、ハビエルに拍手を送り、手を振っています。





それを見て、ハビがおかしなジェスチャーを見せます。


まずは自分の目を突き刺すようにし





その指を今度は三人のライバルに向けます。





これって皆さん、ご存知ですか?


意味は: "I've got my eyes on you"  つまり「俺はお前らをしっかり見てるぞ」ということです。


色んな状況で使われますが、ちょっと怖そうなジェスチャーであるものの、たいていは冗談めいたニュアンスです。例えば母親が子供にやる場合、「あんたたち、あまり羽目外したらダメよ、お母さんちゃんと見てるからね」みたいな。

なのでここではハビエルは「お前ら、別の部屋にいるからって調子乗るんじゃねーぞ」って感じかな?

このすぐ後に、もう一回、ハビエルがふざけて拳をグーッと握ってすごんだりしてます。カートさんはこれを見て「ほんとうにこいつったら、優勝するかどうかという瀬戸際なのにふざけてるんだから」と笑っていました。


ところが間もなくスコアが出ます。




私は他の選手の時も思ったのですが、テレビのスクリーンにはフリーの点数と共に総合得点、そして順位が出ますよね?


なのにこの時のハビエルもブライアンも、スコアを見て、まだけっこう落ち着いている。もしかしてキスクラに座っている選手にはすぐに分からない表示の仕方なのかな?ご存知の方、教えてください。





他の三選手、特にそれまで暫定一位だった羽生選手にカメラが迫り、優勝が分かったように拍手を送っている。



そしてしばらくして、ようやく自分の順位が分かったのか、ハビエルが頭を抱える。


「うわああああッ」といったような大声を上げて





そこからずっと何らかの声を発しながら泡を吹く。






まだ信じられないような表情で、スペイン連盟の人にハグされ、





眉毛が「八の字」になって、泣き笑いのような顔で「アハハハハハハ~~~」と言い、そのままブライアンの方を向いて、また同じ声で「アハハハハ~~~」と続ける。ブライアンも合せて笑う。






「え~~~うそうそうそうそうそうそうそ~~~、まさか、まさか、まさか、なんだ、なんだ、なんだああああ~~~」

って言いたいんだろうけど、それさえ言葉にならず、


出るのはただただ



「あああははははははあああああ~~~」



という音。

(追記:うちの主人が別の部屋で音声だけを聞いてて、このハビエルの声のことを「なに、そのウッディ・ウッドペッカー(キツツキの漫画でお馴染みの)みたいな音?」って言ったのが爆笑ものでした。)



微笑ましかったなあ。


これを見ていて思わずつられて笑って、「おめでとおおお、ハビエル!!」と叫んだ私と(一緒に観ていた)お友達のNちゃんでした。



さて、その後、スコット・ラッセルさんがフェルナンデス選手にインタビューを行ないました。前日のショートの後のインタビューとは違い、会心の笑顔です。





The brand new world champion, Javier Fernandez, of Spain. That really rolls off the tongue, it sounds very nice, it must sound great, to you.
たった今、優勝が決まった世界チャンピオン、スペイン代表、ハビエル・フェルナンデス選手です。(「世界チャンピオン、ハビエル・フェルナンデス」という呼び名は)とっても滑らかに流れてきますね。良い響きです。あなたにとってもさぞ快い響きでしょう。





そこでハビちゃんが思いがけないお返事をします。






Sounds weird, right?

妙な響き、でしょ?

(「正直なところ、そうでしょ?」というニュアンス)





I know it does.
良いんです、ぼくにも分ってます。



この時点で「ええええええ~~、なんてこと言うの、ハビエル!そこまで謙虚にならんでも!!」と叫んだ私でした。





Hum,,, sounds great to me. I was not expecting this, I trained very hard, to win this competition, but ah, I was not expecting to win.
いや、良い響きですよ。(でも)この結果は予測してませんでしたから。キツイ練習は、この大会で勝つためにやって来たんですけど、でもまあ、勝つとは思っていませんでした。






You know, I was expecting to be on the podium, I thought Yuzu was unbeatable, but I saw I can do it.
いや、表彰台には乗れると思ってましたけどね。ユヅが誰にも負けるはずはないって思ってた。でも自分でも「出来るんだ」って分かりました。




ああ、なんて謙虚な、それでいてウィットに富んだハビエルの受け答え。


まだまだ自分が世界チャンピオンと呼ばれることに違和感があると正直に言い、「皆、そう思ってるでしょ?良いんです、自分でもそう思うくらいだから」と卑下する。


これで彼の人気が沸騰しなくてどうしましょうか。


この後、いかに羽生選手とのせめぎ合いが二人にとって大切で、貴重なのかを説明し、自分たちはアスリートなんだからお互いをサポートするのが当たり前なのだと続ける。そして今年もまたバルセロナでグランプリファイナルが開催されることについて、とても喜んでいること、最後にいつかはスペインで、フィギュアスケートがサッカーよりも人気が出るように貢献したい、と言ってラッセルさんを笑わせていました。




なんだかどんどん英語が上手くなり、表現豊かになっている気がします。本当に良いインタビューでした。



大会が終わったら、ゆっくりとスペインに帰って家族や友達に会えるのでしょう。そして来年は新たな自信を胸に、また素晴らしい演技を見せてください。


ありがとうハビエル。お疲れ様でした。