12月23日(金)
劇団赤鬼 【リトル・ウェンズデイ】
ABCホール
15:00
【作】劇団赤鬼
【演出】高見健次・ 川浪ナミヲ
【出演】
行澤孝、山口尋美、土性正照、岡本拓朗、下村和寿、原敏一、竹田聡支、
田川徳子、橋爪未萠里、西国原菜々
大塚宣幸(大阪バンガー帝国)
片岡百萬両(ミジンコターボ)
山田かつろう(売込隊ビーム)
【感想】
力任せのエンターテイメントであった!
今、関西小劇場で出来る全てのエンタメ要素を凝縮させていたと感じた。
ある方のご好意で、最前列どセンターという絶好の舞台風景を楽しませて頂いた!
一体、なんという幸せ!
役者の息遣いや、震える姿を目の当たりに出来るのだ。
ストーリーも大切だが、役者自身が迎え撃とうとしている自分との戦いも楽しむ事が出来、2倍、3倍と楽しむことができた!!
ある方・・・・ニガワさん!有難う御座いました!
この作品は再演であるという。
つまり、
劇団赤鬼さんとしても、満を持してというか、とびっきりの作品である事だ。
という事で、これから下はネタバレなので、まだ観られてない方は気をつけてください。
2重スパイ・・・・
しかも、
それが自分自身すらを騙しての潜入という、過酷極まりない任務。
そうした流れも印象的で、音楽と抜群の照明効果でそれらを表現されていた。
美しい。
初演を観ていなくとも今回の出演陣の豪華さで、それを払拭するほどの出来である事はよく分かる。
主演の行澤さんが好演されている。
何度もフラッシュバックを起こすシーンでは、こちらが気持ち悪くなるほどの熱演だ。
そして赤鬼のメンバーはどの方もしっかりされているので、誰であっても軸になれる。
層が厚いのだ。
なので誰が脇に回っても安心して見ていられるという強み。
素晴らしい。
片岡さんが滑稽に演じれば演じるほど、後半の悲しみが倍増される。
鉄板過ぎるが、そこに辿り着く為の時間は過分に費やされている。
大塚さんの憎めない男も、大塚さんならでは!
原さんと、かつろうさんの間の取り合いも、安心してみていられる。
岡本さんのウザさは天下一品だし、土性さんの偏屈ぶりも流石だ。
山口さんのはきはきした言葉遣いは巧だし、田川さんの太陽のようなボケっぷりは強烈なアクセント!
橋爪さんと西国原さんのコンビは心地よいし、特に言葉を話せない少年役の橋爪さんはかなり飛び抜けていた。
お客様を存分に楽しませようとする赤鬼の姿勢は商人のように感じた。
貪欲なのだ。
赤鬼さんの自信作であり、代表作であったと感じる作品であった!