Energy Recovery System:運動エネルギー回生システム)が,ゲームにも登場した。これも,聞き慣れないという人もいるかもしれないが,簡単に説明すると,ブレーキングで発生した熱などを回収して,加速時などの追加エネルギーが必要なときに再利用しようというシステムだ,aion RMT。  初めてF1に導入されたのは2009年のことだが,KERSを導入することのデメリットが大きく,またエンターテイメント性の向上にもつながらなかったことなどから,2010年は使用されなかった。しかし,2011年になって,(おそらく)技術的信頼度が高くなり,安全性も向上したため,再び採用されることになった。  KERSは,上記のDRS同様にボタン操作で使用することになり,ボタンを押している間だけ追加の出力を得られる。実際には一周当たり6.7秒間,80馬力が追加され,ラップタイムは約0.3秒速くなるようだ。たとえ0.3秒といえど,コンマ数秒を縮めることが難しいF1の世界で,ボタン一つでタイムを縮められる恩恵は大きい。使用状況はゲージで確認でき,ゲージがなくなると使用できなくなる,ドラゴンクエスト10 RMT。しかし,一周するとフルチャージされ,次の周で再び使用できるようになるという感じだ。  筆者は本作でKERSを初めて使ったが,ボタンを押している間だけグワッと回転数が上がって車速が伸びるのが如実に分かり,使ってみて単純に楽しい。もっとも,適当に使うのではなく,スタート時やコーナーの立ち上がり,ライバルをオーバーテイクする際に使うなど,どこで使うかはレースの勝敗に大きく左右する。また,DRSと併用することで大きな効果が期待できるはずで,こうした機能を使いこなして,グランプリを戦っていくわけだ。 ベテランレーサーから,ビギナーまで, 幅広い層に対応したレースゲーム  挙動特性については,ガチなシミュレータとアーケードの中間といった雰囲気で,そのあたりは前作と変わっていないものの,細かいところにいろいろと手を入れられている印象を受ける。とくにコーナーリング時のタイヤのグリップ限界が低くなったように感じられるが,これはタイヤがピレリのものに変わったためだ。ゲームでは,実際のピレリタイヤをシミュレートした結果を反映させており,コーナーリング中に「そろそろグリップの限界が近いぞ」という感覚まで緻密に再現されている。公式サイトにアップされているムービーを見ると,開発者が「そんなところまで」といいたくなるほど細かいところにこだわってゲームを作っているのが分かる
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