健康の価値は失って初めてその大切さを知る。
体とは優れたもので、水面下で健康が蝕まれていって削られていても、なんとかやりくりをしてくれます。
特に若いうちは多少の無茶をしたところで、そう簡単には生死に関わるような大きな病気にはかかりません。
好き勝手に食べたり、飲んだり、タバコを吸ったり、不規則な生活を送っていても、じっと耐えて日々の活動ができる体を保ってくれています。
しかし、破綻は突然やってきます。当然、若い時にそれがやってくることもあります。
そして一度大きく破綻すると、生命が絶たれるか、人生の質(Quality of Life)が著しく損なわれます。
実際に病院で関わった患者さんにもそういう方がいました。
60代前半にしてある日突然脳梗塞で倒れた。
一命は取り留めたものの、長期の入院の末、大きな麻痺が体に残ってしまった。
散歩すら思うようにできないようになってしまいました。
倒れるまでは好きなものを好きなだけ食べる生活で、お酒もタバコも思う存分楽しんでおられたそうです。
倒れた時には体は糖尿病に蝕まれ、腎臓までボロボロになっていました。
彼は病気を機に、食生活をガラっと改めました。
酒もタバコも一切やめ、食事も節制してカロリーを抑え、減塩も厳格に行うようになりました。
自分の体について考え、食生活を見なおしたのです。
しかし、体に残った麻痺はどれだけ時間をかけようとも、どれだけお金を積もうとも完全に消え去ることはありません。
「まさかオレが酒をやめるとはなあ…」
彼はそう独り言のようにつぶやき、こらえきれずに嗚咽混じりに涙を流し始めました。
健康な時に少しでも立ち止まって自分の健康について考える機会を持てていれば。
食事について少しでも意識して節制できていたら。
忙しい日々の中でも時間や機会を見つけ、体を動かすことを心がけていれば。
あるいは彼は今でも健全な体で毎日を生きることができていたかもしれない。
それほど習慣の力は強大です。
少しでも健康、食生活に関心を持って情報を得、行動に移すことをすれば未来が大きくいい方向に変わります。
そのために時間やお金を投資することに価値を感じる人が増えていけば、
より世の中の『予防』『健康増進』を取り巻く環境は充実するはずです。
これだけ異常なほど医療費が高騰している現状は、いかに人々が健康の価値を失うまで気づかないかということを如実に表しています。
人々の価値観を変えるのは容易なことではありませんが、私も一人の管理栄養士としてより健康で健やかにイキイキと日々生きられる人を一人でも増やせるように、
これからも活動していきたいと思っています。
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