2018年度当初予算などについて(日本共産党市議団コメント) | 水谷修・京都府議会議員(宇治・久御山)です。

2018年度当初予算などについて(日本共産党市議団コメント)

宇治市2018年度当初予算などについて

 

2018年2月20日 日本共産党宇治市会議員団

 

 本日開会された宇治市議会3月定例会に、一般会計予算など総額1154億円の予算と条例案50本が提案されました。「財政難」を理由に、公共料金軒並み値上げ、市民サービス・事業の中止・廃止を強行しようとするものです。これは京都府内の自治体の中でも突出した市民サービス切り下げ内容になっており、市民から「他都市に比べて、そんなに財政が悪化しているのか」との疑問が噴出しています。

 12月定例会で強行した大久保幼稚園廃園、宇治公民館・市民会館閉館に続く、市民サービス切り捨ての大なたを振るった市長方針に市民から悲鳴が上がっています。

 市議会にもその全容を示さない、非民主主義的な議案提案のやり方は異常といえます。

 

1、「財政健全化推進プラン」で市民にがまん押し付け

 市は「今後4年間で85億円の収支不足」と「財政見通し」をたて、そのため「財政健全化推進プラン」が必要だとしています。しかし、宇治市の実質公債費比率は2.1で、「財政健全化法」が示す財政の黄色信号ラインである早期健全化基準25.0から比べても極めて低く、府内の市町村の中でも群を抜いて健全であり、法定の「財政健全化プラン」は必要とされていません。一方、宇治市の法人税収入は昨年度比約7億円(対前年度比62%増)増加する見通しになっているなど「好調」な税収が見込まれています。さらに2017年度は黒字決算が見込まれています。しかしながら、安倍政権の地方創生路線の政策によって全国の地方自治体が財政困難に追い込まれている状況です。

 事実を歪めて「財政難」を誇張して「市民にがまんを押し付ける」手法は間違っています。

 

2、公共料金軒並み値上げ

 文化センターやコミセン、駅前駐輪場、斎場、公園、体育館など70の公共施設の使用料を10〜25%値上げする予算と条例を提案し、さらに保育所保育料値上げを見込むなど、約1億円の負担増を市民に押しつけようとしています。

 国民健康保険会計は9年連続黒字で2017年度も7.7億円の黒字になる見込みです。予算に計上していなかった「基金への積み増し」4.2億円とあわせた11.9億円が実質的な黒字と言えます。また、基金残高は9.5億円と見込まれています。当たり前に他の自治体が行なっている一般会計からの繰り入れをすれば、全世帯(限度額超の世帯以外)への保険料引き下げが可能であるのに、そうなっていません。

 

3、市民サービス・事業の中止・廃止を関係者との調整もなく突然に

 歳出では、市民サービスを13億円削減する予算を提案しました。敬老会、農林まつり、健康まつり、高齢者あんま・マッサージ・指圧・はり・きゅうの助成、在宅介護者激励金、植物公園タベストリーの廃止などが計画されています。しかし、市長は廃止する事務事業の内容を議会にも明らかにしていません。

 また、公約であった中学校給食は市長任期中の実施を見送る提案となっています。

 その一方で、総額88億円の太閤堤跡の歴史公園事業には、PFI事業発注経費25.4億円(債務負担)、関係経費3.0億円、源氏ミュージアムのアニメ映像等に1.4億円が計上されています。

 

4、民間の指定管理者に、施設の使用許可・不許可の権限を委ねる

 公の施設の使用の許可・不許可は、市長またはその委任を受けた職員にしかできないと地方自治法に明記されているにも関わらず、民間企業や公社に委ねる条例を提案しました。許可・不許可は公の責任できちんと行われるべきです。

 

 市長がかつてない、行政サービス切り捨て、公共料金軒並み値上げを提案していますが、その全容は未だ明らかにされていません。市会議員団は、3月定例会・予算議会において、その全容を解明し、市民サービスや公共施設を充実させるために全力あげます。