吟遊詩人の恋 | ほっと癒される光の絵画〜こころのいろ~言葉と心を描くアート*mizunoART 画家で詩人・ゆり呼【渡邉裕美】 アートコレクション

ほっと癒される光の絵画〜こころのいろ~言葉と心を描くアート*mizunoART 画家で詩人・ゆり呼【渡邉裕美】 アートコレクション

人生に於ける孤独と憂愁を経て、天使や女神さま、優しい女性の癒しの微笑みを描く画家で詩人のゆり呼こと渡邉裕美の絵と詩を贈ります。恋愛詩、似顔絵、似顔絵アート名刺、天使画油絵。恋愛詩画集『あの人への想いに綴るうた』の著書あり。屋号mizunoART

「吟遊詩人の恋」



吟遊詩人に恋する姫君なんていない


みなその陰に隠れてる
騎士に恋をする



吟遊詩人は歌い上げる
かの姫君の美しさ可憐さ
儚げな笑みを


詩人は本当に
いつしか本気で


彼女を愛してるのかもしれない
歌の間。


その歌に酔いしれる姫はつかの間
詩人の歌に耳を傾ける



だけど彼女が恋をするのは
詩人じゃなくて騎士


詩人に金を掴ませて
代わりに歌わせてる騎士。



詩人はただの詩人
金も力も無いただのうたいびと



姫はただ
その声の美しさ


自分を称える歌に
うっとりするために彼の歌を聞く



だけど姫が恋をするのは別の人
詩人に歌わせてる騎士


詩人に恋する姫君なんてありはしない



あなたもそうでしょう?

あなたを称える歌が心地良いだけで
詩人の私を愛したりはしないのでしょう?



吟遊詩人はそんな言葉を飲み込みながら
今日も姫君を称え続ける



詩人は夢を見続けている


姫がいつか
彼に本当の花を投げてくれることを



騎士にではなく

彼だけにたむけた花が
姫によって投げられることを



だけど姫はいつも

いくばくかの金銭と共に

騎士に携える恋文を彼にほおる



彼に与えられるのは
少しばかりの名誉と
他人に向けられた愛



姫に愛されたい彼は


絶望して湖に
いつかは身を投げるでしょう




片想い・叶わぬ恋・思慕++恋愛詩画集

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